野口みずき氏【大阪国際女子マラソン】解説に「投げ出したいくらいです(笑)!選手でいたかったなって…」

公開: 更新: カンテレTIMES
野口みずき氏【大阪国際女子マラソン】解説に「投げ出したいくらいです(笑)!選手でいたかったなって…」

128日(日)に開催される【第43回 大阪国際女子マラソン】(同日正午~カンテレ・フジテレビ系全国ネットで生中継)は、【2024年パリ五輪】マラソン日本代表の最後の1枠を争う“マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ”の1つ。五輪出場権を獲得するには<2時間2141秒>の設定記録を突破した上で、今年3月に開催される【名古屋ウィメンズマラソン】を含めた日本人最高タイムとなる必要がある。国内外からトップ選手が多数出場予定で、例年以上に白熱したレース展開が期待される。

 

現役引退後の2017年以来【大阪国際女子マラソン】で毎年解説を務めている野口みずき氏(アテネ五輪・金メダリスト)が今大会の見どころを語った。

「オリンピック出場に向けた最後のチャンス!大半の選手はここで決めたいと思っています。松田瑞生選手(ダイハツ)、佐藤早也伽選手(積水化学)、前田穂南選手(天満屋)といった国内トップレベルの選手が、どれだけの思いをもってこの日に臨むのか。彼女たちの覚悟を決めた戦いを期待していますし、見どころがたっぷりあると思います!」と笑顔を見せた。「前田選手は東京五輪、松田選手と佐藤選手は世界選手権を経験していますが、そこでトップを走れていない分、その時の自分を超えようという思いはあるのかな、と。ただ世界のレベルを感じるだけでなく、その経験をいかさないといけないと思うので、そういう意味ではリベンジしてほしいです。今大会では2時間18分台の外国人選手も出場するので、改めて世界の大舞台で走っているつもりで、どんどん前に出てほしいなと思います!」と力を込め「設定記録を突破するには、自己ベストの更新が必要な選手が多くいます。高いけれども、届きそうな目標を設定するのが大事です。特に先ほど挙げた3選手だったら、普通に走れば達成できる記録だと思います」と期待を寄せた。

中でも注目しているのは「地元・大阪で走る松田選手です!」と答えた野口氏。「最近の情報だと調子も良いと聞いているので、どれだけの走りをしてくれるのか楽しみです。国内最高記録(2時間2029秒/一山麻緒選手)を狙ってくるんじゃないかなと思います。前々から記録にこだわる選手ですし、記録を出すことで今後の選考レースにもつながってくるので、彼女が意識しているのは4度目の優勝や設定記録だけではありません。その辺も頭に置いているのが面白いです」とコメントした。

野口氏自身は日本記録(2時間1912秒)の保持者。2005年のベルリン大会以来、いまだに塗り替えられていない記録だが「国内最高は数年前に破られて、少し悔しいというか破られてしまった気持ちはありますが、どんどんアップデートして変わっていかないといけないと思うので、新たな記録が出てもここまで来たんだなと感じると思います。日本記録もずっと破られそうで破られていないので、歯がゆさはあります」と本音を漏らした。

 

続いて、2023年大会で転倒した佐藤選手については「私だったら縁がなかったコースなのかなと思ってしまいますが、彼女はそこまで細かく考えていないかもしれません。雰囲気はふわふわしていますが、走るとキリッと変わるので、そんなことさえも跳ねのけてしまうかなと思います」と推察した。

一方、大雨の中行われた昨年のMGCで連覇を逃した前田選手については「寒いのが苦手そうでした。東京五輪出場を決めた2019年のMGCでは、暑い中すごく速かったので、気温は高い方が合っていそうです。最近は彼女も調子が良いと聞いているので、過緊張しなければ、しっかりした走りを見せてくれると思っています」と話した。続けてMGCを振り返り「気象条件が悪く強い選手が崩れた時に、ダークホース的な鈴木優花選手(第一生命グループ)が自分のタイミングで前にいったのがすごく良かったと思います。その時の自分の余裕度具合、そしてやはりタイミングがカギになってくるので、今大会でも3選手だけでなく松下菜摘選手(天満屋)や他の選手が出てくる可能性もあります」と期待。「特に松下選手は、MGCで転倒したのにあそこまで上がってきたので、アクシデントがなければもっと前を走れていたと思います。彼女はスピードスケートの経験者でお尻や太ももの筋肉が強いです。マラソン選手が細くて軽くて走れればいいという時代から、スピードを出すために筋力が大事とされる時代になってきている中で、転倒後すぐにレースに復帰できた理由はやはりそこにあると思います。MGCの悔しさもあると思うので、大阪では思い切り走ってほしいです!」と注目した。

 

いずれの選手も、パリ五輪代表“最後の1獲得に向け、3月の名古屋ではなく今回の大阪を選んだことについては「いろいろな理由がありますが、暑くなる3月より走りやすい気候の1月だとか、選手自身のスケジュールで選んだと思います。私の場合は、レースコースや大会の雰囲気・応援で決めていました」と明かした。「私は自分が走った2003年大会のコースも好きでしたが、どんどんコースが進化して走りやすくなっているので、選手たちもテンションを上げて挑んでほしいなと思います。基本的にフラットで適度なアップダウンがある、すごく理想に近いコースです」と分析。続けて「大阪はやっぱり沿道の応援の熱がすごいです!私は結果的に1度しか走れなかったですが、実は何度でも走りたいと思っていました。大阪のおじちゃんやおばちゃんの熱い応援は、本当にサンバみたいで(笑)!競馬場にいるんじゃないかと思うくらい盛り上げてくれるので、すごく面白くて和みます。大阪ならではの応援も力に変えて走ってほしいです!」と激励した。

今大会では、強力なペースメーカー・新谷仁美選手(積水化学)がつくことにも触れ「新谷選手自身、今後のマラソンに向けて良いイメージトレーニングになりますし、記録を更新するためのステップアップになると思います。練習だと“自分”が出てしまうので、大会の雰囲気の中で30km地点まで決められたペースで走るというのは、彼女の中でペースランの位置づけになりすごく良いと思います。出場するランナーにとっても新谷選手が引っ張ってくれることは心強いですし、彼女と一緒に走れる喜びもあるかもしれません。ペースメーカーやります!ってよく言ってくれたな、と。新谷選手がどのような状態で来て、どういう走りをするのか、そのあたりも楽しみです!」と語った。

さらに、海外からの招待選手については2時間18分台の外国人選手は日本人選手のことを考えず、自分の目標のために突っ走ると思います。そこに日本人がライバルとして加わらないのが寂しいですが、松田選手、佐藤選手、前田選手が食い込んでくれたらとても面白くなりそうです!」と前向きな様子。「高橋尚子さんらの時代は逆に日本人選手が目標とされていましたが、今は完全に逆転しているので、あの頃のように海外からマークされる選手になってほしいなと思います」としつつ「今回に関しては日本人選手にとって最後の選考レースというプレッシャーがあるので、精神的にタフな人が勝ち残るのかなと思います。松田選手は強そうに見えますが、怪我などリスクがあるとナーバスになる部分もあるので、そこが少し気になります。が、今までのタイムは安定して2時間21分~22分台を記録していますし、うまく合わせてくると思うので、そのたくましさを信じて期待しています。あとは、気負いすぎてガチガチになると少し危ない気がするので、いかに平常心でリラックスして走れるかにかかってくると思います」とコメントした。

 

最後に、今年も務める解説について「毎回緊張します!何回やっても慣れないし、投げ出したいくらいです(笑)!毎年、選手でいたかった、選手の方がよかったなって思います…」と打ち明けながらも「現役時代とは違う視点で見られるようになってきました。レースを間近で見るからこそ、選手の細かい動きや疲れてくるタイミングが分かってきて。なので今年は、テレビを見ている人に目の前で起こっていることをできるだけ分かりやすく伝えるようにしたいです。現場で感じる風の強さ、コースの解説、選手の表情や走り方、そういう細かいところをリラックスして喋りたいです。“私だったらこう走る”という話も、ふんだんに入れていければいいなと思っています!」と力強く意気込んだ。


パリへの最後の切符をかけた熾烈な戦いが期待される【大阪国際女子マラソン】。日本人最高位に輝き、設定記録<2時間2141秒>の壁を突破するランナーは現れるのか!?大阪からパリへ、躍動するランナーたちの走りをお見逃しなく!

≪番組情報≫

◇タイトル

『奥村組スポーツスペシャル 第43回大阪国際女子マラソン』

 

◇放送日時

1月28日(日)ひる12時~午後2時55

カンテレ・フジテレビ系全国ネット/TVerフジテレビ系リアルタイム配信

 

◇出演者

 【解説】

有森裕子(バルセロナ五輪銀・アトランタ五輪銅メダリスト)

高橋尚子(シドニー五輪金メダリスト)

千葉真子(パリ世界選手権銅メダリスト)

野口みずき(アテネ五輪金メダリスト)

渋井陽子(前女子マラソン日本記録保持者)

福士加代子(モスクワ世界選手権銅メダリスト)

 

【実況】

岡安譲(カンテレアナウンサー)

石田一洋(カンテレアナウンサー)

ほか

 

YouTube裏生実況(大阪国際女子マラソン 公式YouTubeチャンネル)

SP解説:増田明美(スポーツジャーナリスト)

ゲスト:森脇健児

解説:森岡芳彦(マラソン博士・城西国際大監督)

特別出演:渋井陽子、福士加代子

進行:中島めぐみ(カンテレアナウンサー)

 

◇番組ホームページ:https://www.ktv.jp/marathon/

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