ライバル・そうめんが強すぎる…なぜ『冷やし中華』は関西で脚光を浴びていないのか “3つの問題”検証

公開: 更新: カンテレTIMES
ライバル・そうめんが強すぎる…なぜ『冷やし中華』は関西で脚光を浴びていないのか “3つの問題”検証

 85日午後、カンテレ『ウラマヨ!』で“冷やし中華”を特集。大阪や神戸の人気店を紹介するとともに、なぜか関西エリアではなかなか脚光を浴びていない、その理由について迫りました。

 今回は「ウラマヨ!夏グルメフェス2023」と題し、全国的に平年よりも暑い今年の夏、おいしいグルメを食べて暑さを吹っ飛ばそうと、うま辛部門やスイーツ部門などのカテゴリーごとに夏の絶品グルメが登場しました。

 そんな中、関西屈指のグルメライター・曽束政昭さんが「麺好き麺ライターとして夏になると必ず食べに行く」と話したのが冷やし中華です。

 イチオシの店として、まず紹介したのが大阪府東大阪市の『麺や清流』。曽束さんが「冷やし中華の未来を担っている存在」とまで言い切るほどの店が出す逸品は「冷やし中華(1200円・税込)」で、夏限定のこの商品を求め、連日行列が出来ています。

 さらに、神戸市中央区で50年以上続く老舗中華料理店『紅宝石』は、広東料理系で日本人にも親しみやすい味だそうで、この店の冷やし中華「五目冷麺(1320円・税込)」についても、「神戸中華は色んな店がひしめきあっているんですけど、その中でもめちゃくちゃおいしいです」と太鼓判を押していました。

 一方、気になっているというのが、関西では冷やし中華が脚光を浴びていないという独特な事情で、「1冊まるごと特集っていうのは多分僕の記憶ではないです。関西では“引きがない”というのを、長年やっていて感じます」とのこと。

 夏に家の食卓に並ぶ料理の東西ランキングを見ると、東は冷やし中華が5位なのに対し、西は8位。東西で食卓に並ぶ率は2倍程違うことが判明しました(データ:インテージ キッチンダイアリー/集計期間:20166月~8月)。

 この理由について曽束さんは「まず、そうめんの名産地が関西周辺に多すぎるのがあります。奈良の三輪そうめん、兵庫の揖保乃糸、香川の小豆島そうめん、淡路島にも淡路そうめんと、それぞれにおいしさがあるので、どうしても馴染み深いのはそうめん。相手が強すぎるのだと思います」と解説。

 確かに、そうめんは関西の夏の風物詩といっても過言ではない存在。実際、大阪で街ゆく皆さん50人に「夏によく食べる麺は?」と聞くと、冷やし中華が6人だったのに対して、半数以上の28人がそうめんと回答しました。

 しかし、質問を変えて「夏に食べたい麺は?」と聞くと、1位は冷やし中華36人、そうめんは6人で3位と意外な結果に。本当は食べたいのに、特に家では食べられていないというこの事情について、曽束さんは「面倒くさいから」ではないかと分析しています。

 それを裏付けるように、電子レンジで温めるだけで食べられる冷凍の冷やし中華が今めちゃくちゃ売れているそうで、ニチレイが昨年3月に調理いらずの「冷やし中華(429円税込み)」を発売すると、これまでに200万食を販売。売り上げ10億円を突破しているということでした。

 また曽束さんは「いわゆる『ご当地冷やし中華』と言われるものが全国的にも少なく、アレンジが難しいことが、冷やし中華が関西で脚光を浴びない原因では?」とも推測。

 今回の検証結果に、MCのブラックマヨネーズ・小杉さんは「関西の人も冷やし中華はやっぱり食べたいけど、面倒くさいから食べてへんのか」と納得するとともに、「そう思われながら食べられるそうめんも、かわいそうやけどな…」と続け、最後は強敵と見ていたそうめんに同情するという予想外の結末に辿り着いたのでした。


(関西テレビ85日(土)午後1時放送『ウラマヨ!』より)