これでワンコイン…“激安八百屋さん”の聞いたことない誕生秘話「安い野菜が欲しくて開業」という超行動力

公開: 更新: カンテレTIMES
これでワンコイン…“激安八百屋さん”の聞いたことない誕生秘話「安い野菜が欲しくて開業」という超行動力

 63日午後、カンテレ『ウラマヨ!』で、特売日でもないのに大行列ができる大阪の八百屋さんを特集。全国的な物価高の中でも驚きの安さを実現する裏側に迫りました。

 今回の番組は「ワンコインで幸せを感じる!ウラマヨ!500SHOP」と題し、空前の値上げラッシュが続く日本で、ワンコインで大満足できるグルメやサービスを調査。そのうち大阪市生野区で発見したのが、わずか4坪の八百屋さん『池田屋青果店』です。

 お客さんに話を聞くと「とにかく安い。家計にやさしいです。他で買えなくなりますね」などと、皆さん口を揃えるのが驚きの安さ。取材した日は、500円の予算があればキャベツ2玉、レタス5玉、トマト20個、きゅうり5本、大根2本と大量の野菜が買えてしまいます(計500円<税別>)。

 店には連日500人ものお客さんが殺到し、正午過ぎには売り切れてしまうほどの人気ぶり。店主の池田正仁さんによると、これだけ野菜を安くできるのには3つの理由があるそうで、その1つ目については「まずは大量買いですね。1030ケース買うから」とのこと。“大量仕入れ”で単価を下げているのです。

 2つ目は“仲買人の在庫を狙う”で、普段市場で買い付けるのは他店のバイヤーが買った後。「残った物を買い占められたらと狙ってます。いわゆるハイエナみたいなもんです(笑)」そう池田さんは自虐気味に語りますが、仲買人は極力在庫を抱えたくないため、まさにウィン―ウィン。仲買人とコミュニケーションを取りながら、在庫になりそうな商品をまとめ買いすることで、強気の価格交渉を可能にしていました。

 安さの理由の最後は“B品と言われる商品を狙う”。この日は、中身には問題がないものの梱包用の段ボールが潰れ、仲買人が困っていたパック売りのショウガ2ケースを激安で仕入れ。このように双方にメリットがあるため、濃厚な関係を築けるのです。

 そして池田さんはスタジオに登場すると、<安い野菜が欲しくて八百屋さんをオープンした>という謎過ぎる開店の裏話を披露。

「もともと本業が、喫茶店にパン・コーヒー豆を卸す仕事だったんです。ここ10年間ぐらいでどんどん個人の喫茶店さんが廃業・閉店していくので、自分の卸し先がなくなるんですよ」と悩みを明かした上で、「そのやめられる店を買い取って、自分で喫茶店をやり出して再生させていったんです」と続け、仕入れの強みを生かして“卸売り兼飲食業”として事業の多角化に挑んだと語りました。

 それが見事大成功し、現在喫茶店が6店舗にまで増えたという池田さん。「店が増えたら今度は『6店舗がそれぞれ近所のスーパーで野菜を買うのがもったいない』って思えてきて、自分で買い付けたほうが安いんちゃうかなっていう発想で中央市場に行き出したんです。その結果、自分の喫茶店だけでは捌き切れないので、『ほんなら八百屋も持とうか』みたいな」

 想像を超えた出店秘話に、MCのブラックマヨネーズ・吉田さんは「もう流れのままに八百屋さんになったと(笑)」と驚きを隠せず、小杉さんも「まさかの流れ八百屋(笑)」と爆笑。あまりのバイタリティーに、吉田さんは「市場には車で買いに行かないかんし、次は『あれガソリンってこんなに高いの?』って思って、自分で石油発掘したろうとかは?」と確認しますが「そこまではなかなか(笑)」と笑顔を見せる池田さん。

 しかし、「八百屋はゴミがいっぱい店の前に出るので、『これお金払って引き取ってもらうのもったいないなぁ』とか思ったことはあります」とも話し、持ち前の“もったいない精神”から、さらなるビジネスの拡大も予感させていたのでした。


(関西テレビ63日(土)午後1時放送『ウラマヨ!』より)