村瀬健Pが明かす『いちばんすきな花』制作秘話「地上波ドラマにしかできない」最終話の見どころ

公開: 更新: フジテレビュー!!
村瀬健Pが明かす『いちばんすきな花』制作秘話「地上波ドラマにしかできない」最終話の見どころ

村瀬健プロデューサー(以下、村瀬P)が、木曜劇場『いちばんすきな花』の制作秘話を明かしました。

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木曜劇場『silent』いちばんすきな花』(ともにフジテレビ)、『14才の母〜愛するために 生まれてきた〜』(日本テレビ)、映画「帝一の國」など、ヒット作を手がけてきた、フジテレビの村瀬P。

このたび、初の著書「巻き込む力がヒットを作る “想い”で動かす仕事術」(KADOKAWA)を上梓しました。時代をつかむ感覚や、才能を集めて仲間にする口説き術、企画を動かす決断力・行動力など、ドラマ・映画プロデューサーとして培ってきた知見を、余すことなく綴っています。

フジテレビュー!!は、村瀬Pにインタビュー。村瀬Pならではのキャスティング術や、『いちばんすきな花』撮影秘話、最終話の見どころを聞きました(全3回中1回目)。

「僕にとってものすごく大きい」村瀬P妻の、キャスティングの才能

――村瀬Pが手がける作品は、キャスティングが話題になることも多いですね。決め手は何ですか?

勘ですね。「この人いいな」と思ったときの感覚を大事にしています。そして、気になったら即、会いに行きます。会ってみたら想像と違った…という時もありますが、とにかく自分の感覚を信じることを意識しています。

実はその感覚は、僕以上に、僕の妻が冴えているんです。もう100発100中で、ものすごく才能があります。

彼女は昔、『女王の教室』(2005年/日本テレビ)のアシスタントプロデューサーをしていたのですが、「オーディションにすごくいい子が来た」と言っていて。その子は、後の『14歳の母〜愛するために生まれてきた〜』(2006年)に出演する、三浦春馬さんでした。

『ごくせん』第2シリーズ(2005年)も担当していて、「あのクラスの中で、私がいいと思う生徒役が2人います」と言われて。それが、この作品でドラマデビューした高良健吾さんと水嶋ヒロさんでした。彼女に勧められて2人に会い、仲良くなったのがきっかけで、高良さんのフジテレビ初主演ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016年)につながりました。

妻の感覚は、僕にとってものすごく大きいです。妻が「いい」と言ったら、会ってみることにしています。

――『いちばんすきな花』(以下、『すき花』)のキャスティングも、奥様のアイデアですか?

『すき花』は、学生時代の志木美鳥(田中麗奈)を出口夏希さんが演じましたが、彼女も、妻が数年前に「すごくかわいい子がいるよ」と教えてくれたのが最初でした。

その逆で、すでに俳優として人気がある方をキャスティングする、“後乗り”パターンもあります。それこそ、『すき花』の今田美桜さんです。ちょうどこのドラマの企画を考えていた時に、『silent』でご一緒した目黒蓮Snow Man)さんが出ているからという理由で、彼の主演映画「わたしの幸せな結婚」を観に行ったんです。

そうしたら、今田さんに目を奪われてしまって。「こんなにいい俳優さんだったのか!」と思って、映画館を出てすぐ、事務所に電話して「秋クールのスケジュールを空けてください!」とお願いしました。

村瀬Pの作品は「妹・弟役」「後輩役」にも注目!?

――『すき花』の、ほかのメインキャスト3人はどう決めたのでしょう。

「男女の間に、友情は成立するか」をテーマにすると決めたときに、なんとなく友情が成立しそうな人たちと、しなさそうな人たちを組み合わせたら面白そうだと思って。

“友情が成立しそうな人”として、多部未華子さんと松下洸平さんがまず思い浮かびました。お2人ともすごく美人だしカッコいいけれど、どこか親近感が持てると思うんです。

一方の“友情が成立しなさそうな2人”は、近寄り難いほど美形な方がいいと思い、今田さんと神尾楓珠さんにお願いしました。「かわいいゆえに苦労している」「カッコよさを利用されて友だちがいない」というキャラクター設定に、ぴったりハマると思ったんです。

――企画とキャスティングが同時に決まっていったのですね。

ちなみに『すき花』で、僕の中の“目玉キャスティング”は、潮ゆくえ(多部)の妹・このみ役の齋藤飛鳥さんです。乃木坂46に在籍していたときから、特別な雰囲気があるなと感じていて。出演映画をいくつか観て「僕のドラマの世界観に入ってくれたら、絶対に面白くなる」と思っていたので、まだ主演の4人が決まっていない段階から“誰かの妹”という役どころでオファーしました。

同じ例で言うと、『silent』で主人公・青葉紬(川口春奈)の弟・光を演じた板垣李光人さんもです。映画「約束のネバーランド」のオーディションで出会って以来、「絶対人気が出る!」と思っていたので、『silent』では最初から板垣さんに出演してほしいと考えていました。

『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の、そのポジションは誰かわかりますか?永野芽郁さんです。主人公・杉原音(有村架純)が働く介護施設の後輩・船川玲美を演じてくれました。彼女は、映画「俺物語!!」(2015年)を観て「いい!」と思い、このときも映画館を出てすぐロビーで事務所に電話して、ドラマに出演してもらいました。

――そういった行動力は、ビジネスパーソンも参考になりそうです。

“誰よりも早く注目していた”ということが大事だと思っています。もしスケジュールが合わなくても、「村瀬さんは早くから声をかけてくれていた」と記憶に残ってくれると思うので。

会いたい人にすぐ会うのは、いいことだと思います。そもそも人と話すのが好きですし、どんな人でも会えば絶対に得るものがあるので、「チャンスを逃さないぞ」という気持ちで、いろいろな人と会っています。

撮影現場に飛び込んで謝罪…『すき花』制作の裏話

――そういう行いが人の心をつかんで、まさに“巻き込む”のかもしれません。

それで言うと、実は『すき花』で、編集したら7分オーバーしてしまい、今田さんの登場シーンを泣く泣くカットしたことがあります。これはもう本人に言わなければと思い、その日の撮影が終わるギリギリ、夜遅くに現場へ飛び込んで、今田さんに「本当にごめん、明日放送の回で、あのシーン切ることになってしまいました」と謝りに行きました。

やっぱり、事務所を通じて「カットされた」と聞かされるのと、直接「ごめん」と言われるのって、印象が全然違うと思うんです。“汗をかく”じゃないですけれど、チーム内がトゲトゲしないための行動は大事だと思います。

この本の発売日にも、編集と撮影の合間に出社して、出版にあたってお世話になった方1人ひとりのデスクに、本と手紙を置いてきました。社内の書店にも行って、店長さんに「よろしくお願いします」とご挨拶して。こういうところは、意外と“会社人”なんですよ(笑)。

――『すき花』最終話が、本日12月21日(木)22時〜放送されますが(放送時間変更の場合あり)、お話しできる範囲で見どころを教えてください

すごくびっくりすることが起きますよ。関係者に話すと、皆「マジですか?」「そんなことできるんですか?」と驚かれます。どうしたらみんなが喜んでくれるかをずっと考えて、それを実現するために、優秀なスタッフのみんなが頑張ってくれています。まさに、才能を集めて形にする“巻き込む力”かもしれません。

テレビドラマの武器は、みんながリアルタイムで観られることだと思います。絶対、地上波ドラマにしかできないことをやろうとしているので、『いちばんすきな花』最終話、ぜひご覧ください。

インタビュー第2回では、『silent』ヒット後の変化、過去の失敗から得たもの、プロデューサーとして大事にしていることなどを聞きます。

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