<試写室>『あたりのキッチン!』第6話
今週は「善次郎(渡部篤郎)、鼻がきかなくなる!」というお話。
っということで、そのワードのみで想像してしまった僕の妄想あらすじをどうぞ(なぜ!?)。
鼻がきかない…つまり、味覚もわからなくなってしまったご主人(=善次郎)だもんで、最近、あまりにも毎回の丁寧なエピソードが素晴らしすぎて忘れかけていた、いやむしろ、それがなくてもドラマが成立してきたあまり、その設定いる?だった、主人公のあの特技、清美(桜田ひより)の“絶対味覚”が久々に発動!!!ってことで、バイト先の定食屋さん「阿吽」の全メニューを、清美が完・全・再・現!!さぁて、こうなったら、ご主人には休んでもろて、ご主人が回復するまで、清美が店を切り盛りすることに!!…だったんだけど、案の定、そこはコミュ力ゼロの清美!!これまで小さな成長を見せてきた清美とはいえ、いきなりのワンオペなもんで、注文待たせるわ、おつりミスるわ、食器は割るわ、てんやわんやの大騒ぎ!!客、激怒!!清美、号泣!!料理、作られへん!!絶体絶命!!!一体全体どうなる!?!?…だったそのとき!!!清正くん(窪塚愛流)、鈴代さん(工藤美桜)、兼原くん(遠藤健慎)、そんでもってハルさん(峯村リエ)という『あたりのキッチン!』アベンジャーズ集結!!!
清正くんの注文さばき!鈴代さんの会計処理!兼原くんのポジティブ!ハルさんの顔利き!そして、清美がつくる料理!!みんなの力が合わさって、「阿吽」の危機を救いましたとさ…。
ラスト「あぁ~、もう、ホントに今日は疲れたね♡」疲れたときはやっぱり酸っぱい料理!!ってことで、今週の一膳「ブリの南蛮漬け」でみんな、幸せに包まれましたとさ…(第6話、完)。(妄想なげーよ!)
っというわけで、ここまで当然、僕の“妄想あらすじ”なので、ほぼ“余計”で、どうでもよかったわけですが(だったらなぜ)、つまり、僕が言いたかったのは、このドラマ、僕が想像してしまったその“余計”たち…、余計な展開、余計なドラマティック、余計な感情の起伏、一切なしで、正味45分間という時間を、退屈させないどころか、ラストにかけてとてつもない感動までお届けてしまうという恐ろしさですよ!!

“思い”を自然に受け止められる構造になっている
とにかく今回は特にTHE『あたりのキッチン!』と言わんばかりのお話。もちろんこれまでも毎回、シンプルなストーリーラインでありながら、どのエピソードもとにかく丁寧に描く!というその真摯さだけで、視聴者に満足感を与え、なんなら泣ける展開へともっていってたわけです。
で、前回で言ったら、清美のおばさん明美(原沙知絵)のエピソードにおいて、親子ではないけれど親子以上の関係性に見せる決定的なシーン(靴ひものあのシーン!)を重ねることで“泣ける”スイッチを視聴者に促していたわけだけど、でも、そうはいってもそのスイッチはとってもさりげないから、こっちからしたら、勝手に泣けてくるよね…っていう感覚だったわけだけど、今回の第6話は、もうどこが泣けるのか、そのスイッチどこにある?…なんだけど、ただただ、キャラクターたちが、画面の中で、笑って、食べて、一緒に生きているっていう、それだけで、感動して泣けてしまう…ストーリーの起伏はほとんどないはずなのに、こっちの心のバイオリズムは起伏に富みまくる!っていうそんなお話。

とにかく、ただ“善次郎の鼻がきかなくなって”、“料理を丁寧にこしらえました”ってだけ、それだけのシンプルの極みみたいなお話だっていうのに、どうしてこんなにも、感動してしまうんでしょうか??

もうね、今回も“料理を丁寧にこしらえる”っていう、その部分がホントに丁寧で、うん、まあそれはいつものことなんだけれども、いつも以上の丁寧で、その丁寧ってのは、ややもすると、ただの詳細なレシピ紹介になりかねない、ただの料理ハウトゥードラマになりかねないっていうのに、清美が選ぶ調味料のひとつひとつに、調理方法のひとつひとつに、なんならあまりにも丁寧だからその画面の通りに作れば完璧な料理が完成するほどの丁寧さだっていうのに、そこには“情報”じゃない、それを超えた“思い”があって、とはいっても、その“思い”も無理やりドラマをくっつけているわけじゃなくって、こっちが勝手に、その思いを自然に受け止められる構造になっている…。
その結果が、その集大成が、今週の一膳「ブリの南蛮漬け」なのです!!

いやー、もう、ホントに毎回言ってますが、今回も珠玉の仕上がり!必見!!
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