吉岡里帆さんと永山瑛太さんが、初共演となるお互いの印象を語りました。
火ドラ★イレブン『時をかけるな、恋人たち』(カンテレ・フジテレビ系)は、令和の時代を生きる主人公・常盤廻(ときわ・めぐ/吉岡)と未来からやってきた井浦翔(いうら・かける/永山)が、タイムパトロール隊のメンバーとして、時をかけてくる恋人たちを取り締まりながら、時空を超えた本気の恋をするタイムパトロール・ラブコメディ。

特命を受けた廻は、翔と一緒に、時空を超えてやってくる違法なタイムトラベラーを取り締まることになりますが、実は2人はかつて時をかけて恋に落ちた恋人同士だった…!?
そんな“運命”の2人を演じる吉岡里帆さんと永山瑛太さんが取材会に出席。お互いの印象や撮影現場の様子、「もしタイムトラベルができるとしたら、やり直したいこと」などを語りました。
<吉岡里帆&永山瑛太 息ぴったりの『時をかけるな、恋人たち』ポスタービジュアル撮影をレポート!>
吉岡里帆「全力コメディやってます!」&永山瑛太「現場に行くのが楽しみ」
<吉岡里帆、永山瑛太 インタビュー>

──現場の雰囲気はいかがですか?
吉岡:現場の雰囲気はめちゃくちゃいいです。笑いが絶えず、全力コメディやってます!
永山:考えるよりもまずチャレンジしてみると、それを吉岡さんがしっかりと大きな心で受け止めてくださるので、現場に行くのが楽しみです。
どこか緊張感もありながら、監督と吉岡さんとディスカッションしながら、舞台を作っていく稽古場のような感じで。もちろん不安要素が生まれることもあるのですが、そんなときには吉岡さんが精神的なケアをしてくださるので、僕は安心しながらシーンを作っていけています。
──それぞれ廻と翔をどのような人物と捉えて演じていますか?
吉岡:廻は辻褄合わせが得意なのですが、それは、周りが嫌がることや「面倒くさいな」と思うことを請け負ってきたから、うまくなってきた、ということ。それが仕事に生きているのですが…ちょっと損をする人物だなと思っています。
お人好しで、一生懸命で、真面目で、恋愛べた。さらに、周りのことを気にしすぎて自分のことがおろそかになっていくタイプ。でも、日々一生懸命働いているという部分は、皆さんにも共感していただけるキャラクターなのかな、と思っています。

永山:翔は、ピュアで、不器用で、不安定で、公人として果たさなくてはいけない任務を無視して恋に走ってしまう人です。
──今回が初共演のお2人ですが、お互いの印象を聞かせてください。
吉岡:私はいろいろと映画を拝見していたのですが、面白い作品にばかり出ていらっしゃって。ただ、どれが瑛太さんの本質に近いものなのかが分からなくて、「どういう人なんだろう?」というのがクランクイン前に思っていたことでした。
ですから、今回の作品の廻と翔は、台本の中だとすごく息が合っているし、本当に運命の恋人であることが描かれていて、その心からつながり合えている感じをどこまで一緒に作っていけるのかな…と、ちょっとした不安感と不確かさがあったんです。
でも、お会いして数日一緒に撮影をしただけで、「この人となら、ちゃんと愛情の深い部分を一緒に作っていける」という確信が持てました。
翔は未来人なのですが、普通の大人の男性というよりも、初恋相手の男の子が大人の姿になって目の前に現れたという感じがしていて。すごく愛おしくて、母性みたいなものすら出てくる…「この人を守らなきゃ」という気持ちにもなるような、恋だけど愛が日に日に増している感じがしています。
永山:僕は…翔としては(印象や思いを)言いたくないというか、説明したくない。ただ、好きです。吉岡さんのことも、廻のことも。だから、仕事どころじゃないんですよ。
吉岡:困りました…(笑)。
──お互いに絶妙なバランスで撮影ができているのでしょうか?
吉岡:廻と翔も私と瑛太さんも全然違う2人なんですけど、ぴったり補い合っている感じがあるなと私は思っていて…どうですか?補い合えていますか?
永山:僕が支えることができているか分からないけど、僕はすごく支えられてる。

吉岡:私は毎日笑わせてもらっていて、幸せな気持ちをもらっているんです。本当に好きな人と会ったときに、「この人と生きていきたい」みたいな気持ちになるみたいな。未来が明るく感じるというか。瑛太さんとお芝居をしていると、そういう気持ちが湧いてきます。
永山瑛太 迷ったら吉岡里帆へ相談!「滑っても吉岡さんのせい(笑)」
──吉岡さんは、ヨーロッパ企画の作品への出演を以前から希望していたとのこと。一方で永山さんは、すでに映画「サマータイムマシン・ブルース」に出演していますが、ヨーロッパ企画の作品のどんなところに魅力を感じていますか?
吉岡:今回、上田(誠)さんの本に触れて感じたのは、どのキャラクターにも愛があって、みんなチャーミングで、どこか抜けていて、面白くて、個性的だということ。SFはいわゆるファンタジーですから、自分ごととして見られないジャンルのような気がしていたのですが、上田さんの本だとキャラクターに人間味がありすぎて、身近に感じられますし、面白いんですよね。
上田さんはすごく頭のいい方で、人情派と言いますか、人を愛している感じがして。だからこそキャラクターがイキイキしているし、ちゃんと息が吹き込まれているし、嘘っぽくない。そこが魅力だなと感じています。
永山:以前、「サマータイムマシン・ブルース」という映画で上田さんの世界を味わってはいるのですが、今回はまた全然違った作品でして。整合性や辻褄合わせがとか、頭を使わなくてはいけないことがたくさんありますが、あまり考えずに撮影に臨んでいます。
撮影時の思いつきや、その日の吉岡さんの体調であったり、スタッフの方がどのくらい反応してくれるのかだったり。まずは第1視聴者である現場の皆さんが何を感じるかを大事にして、その日を生きています。…全然質問の答えになっていませんでした、すみません(笑)。
──現場での思いつきなども大事にしているということは、お互いに感覚で察して、芝居を合わせているということですか?
永山:それは、いろいろですよね。
吉岡:そうですね。
永山:正直、迷うことがたくさんあるので、吉岡さんに相談して、どっちがいいかなということを決めてもらってます。僕が滑っていても、全部吉岡さんのせいにして(笑)。「今のでいいよね?」と。
吉岡:確かに、翔さんの一個一個の言動は、ほぼ私の好みです(笑)。選ばせてもらえるときは「こっちが好きです」とはっきり伝えています。

──コメディにとって重要な会話のテンポについては、話し合ったり、練習したりはしていますか?
吉岡:瑛太さんの後ろに「千と千尋の神隠し」のかまじいの引き出しが見えたくらい(笑)、アイデアの量が凄まじくて。「なんでこんなにいろんなパターンが出てくるんだろう」と驚くくらい予測不能で。それが未来人という役と合致してて、私は翻弄されっぱなしです。
全部の言動が今まで会った人の誰にも一致していなくて、全部が新しい。そこにすごく興奮するし、どんどん気になる存在になっていく感じがあって。役柄と私の気持ちがリンクしていますね。
だから、話し合うというより、常に驚かされていて、それをカメラに偶然撮ってもらっているという感じです。瑛太さんは常にやることが変わるので、私は“最強のリベロ”として拾っていきたいなと思っています。
永山:ありがとうございます。
──アドリブもあるのでしょうか?
吉岡:アドリブだらけじゃないですか?
永山:アドリブっていうのは、ラテン語で「自由気まま」という意味なんですよ。だから、今回のドラマでの僕は全部アドリブです。
吉岡:そうですね(笑)。この前、初デートのシーンを撮ったのですが、本当に笑いました。
デートの待ち合わせシーンの鉄板で、「まだかな?」「待った?」というやり取りがあるじゃないですか。そういうシンプルな形で来ると思っていたのですが、瑛太さんがいきなり側転で待ち合わせ場所に現れて(笑)。「どういうこと!?」っていう。
永山:あれは申し訳なかった。しかも本番だけやったから、全然つながらないし、わけの分からないシーンになってしまって。本当にその場の思いつきなんですよね。
廻にとって翔は未来人だから、心がぐらついたり、ワッとびっくりしたりすることってあると思うんです。だから、この作品入る時に、「デートだったら、こう」みたいな芝居の定義を壊したいなと思っていて。そのうえで、いろいろチャレンジしていくと、吉岡さんは受け入れてくださるから、「僕は自由にやっていいんだ」と思えるという。
翔としては、ウケを狙っているわけじゃなくて、好きだから、どうにかして振り向いてほしくて、命がけで行動しているだけなんです。

吉岡:めっちゃ分かります。今回だとラブコメとカテゴライズされるものですが、カテゴライズできないものが生まれそうな予感がしていて。恋愛もののセオリーを全部覆していくし、「こうなったら、こうだよね」みたいな流れが1個もないんです。
だから、本を読んでいてもすごく新鮮でしたし、現場でさらに新鮮に生まれ変わっていく感じがして、規格外なドラマができるんじゃないかなと思います。
吉岡里帆 タイムトラベルができるなら「祖父に広島カープの優勝を見せたい」
──もし“時をかけられる”としたら、やり直したいこと、会いたい人はいますか?
吉岡:亡くなった父方の祖父が広島の人で、ずっと広島カープを応援していたのですが、生きている間に優勝することができなくて。でも、亡くなったあとにカープが優勝したんです。そのときの広島の賑わいも印象的だったので、祖父にも見せてあげたかったなと後悔のような気持ちを抱いた記憶があります。
だから、まずは祖父に会いに行って、タイムボートに乗せてカープが優勝する直前に行って、球場で一緒に試合を見たいです!
永山:やり直したいこととかは特にないのですが…あ、作品に向かっているときはその作品のことで頭がいっぱいなんです。だから、「あのシーン、もうちょっとこうしておけばよかった」と思うことはたまにあって。ちょこちょこと時を戻したいです。
まずは撮影初日に戻って「もう1回撮り直したいな」と。でも、現実では、その悔しさとか「もうちょっとこうすればよかった」と思うエネルギーを毎日撮るシーンに向けています。
──日々撮影で忙しいと思いますが、撮影を終えて自宅に戻ったあとにやる“癒しの日課”はありますか?
吉岡:毎日気づいたら朝になっていて…(笑)。
永山:僕は、吉岡さんのインスタのいいね数チェックです!
前に僕の顔写真をあげてくださって。今、そのいいねの数が少しずつ増えていて、4万台まで上がっているんです(取材時)。吉岡さんのファンの方にとっては、僕のワンショットなんて見たくないじゃないですか。でも、少しずつ認めてくださっている感じがありますね。
吉岡:もう、これを超えられる面白い答えが思いつかないです(笑)。
──最後に、ドラマの見どころをお願いします。
永山:1話を見れば、面白さが分かります。以上です!
吉岡:もし目の前に未来人がやってきて、「僕はあなたと恋をしていたんです」と言われたらというイマジネーションを一度してからドラマを見ていただきたいです。そんな夢みたいなこと、そんな不思議なこと、人生で起こらないような出来事だと思うと思いますが、そういう異次元の感情を皆さんに感じてもらえたらうれしいです。
ワクワクするようなドラマに本当に仕上がっていますので、楽しんでください。
