芳根京子さんがナレーションを通じ、「今、知ることができてよかった」と語りました。
5月1日(日)に放送される『ザ・ノンフィクション「たどりついた家族〜海の向こうの戦火と涙〜」』(フジテレビ※関東ローカル)のナレーションを芳根さんが担当。
<【関連記事】芳根京子「普段、見られない景色を見せてもらえる」『ザ・ノンフィクション』への思い>
戦火のウクライナから、2週間かけて日本へたどり着いた母子3人の物語を読みました。
母子3人、ウクライナから1万kmにおよぶ脱出行
2022年春。赤いランドセルを背負ったレギナちゃん(6)が新宿区の小学校へ入学しました。わずか3週間前、戦火の中を脱出し、日本へとたどり着いたウクライナからの避難民です。

新宿区に住む和真さん(35)とアナスタシアさん(22)夫妻。日本とウクライナで暮らしていた2人はマッチングアプリを通じて知り合い国際結婚。日本で新婚生活を始めました。
あれから2年半…突然、母国を襲ったロシアによる侵攻。
アナスタシアさんの母・マーヤさん(44)と年の離れた妹・レギナちゃん、弟・マトヴェイくん(4)が暮らす故郷の町も、昼夜を問わず空襲警報が鳴り響き、防空壕に逃げ込む日々となりました。
3月上旬、母子は、アナスタシアさんが暮らす日本へ避難することを決意。アナスタシアさん家族の1万kmにおよぶ脱出行が始まりました。
避難民であふれる列車に揺られ、バスを乗り継ぎ、歩いて国境を越え、隣国ポーランドまで40時間の道のり。さらに飛行機を乗り継ぎ、故郷を出てから2週間後の3月17日、3人は日本へたどり着きました。
まったく言葉の分からない異国の地で新生活が始まりました。和真さん夫妻の自宅に身を寄せながら、レギナちゃんは小学校に入学。マトヴェイくんは幼稚園へ通うことに。一方、母・マーヤさんは、ウクライナへ帰りたいという切実な思いを抱え…。

戦火に翻弄され、遠く離れた日本へたどり着いたある家族の2ヵ月を見つめました。
フジテレビュー!!では、ナレーション収録後の芳根さんにインタビュー。今、まさに起こっている事実に触れ、どんなことを感じたのか話を聞きました。
「同じ空なのに状況が違う」一つ一つの言葉が、とても刺さる回でした
<芳根京子 インタビュー>

――ナレーション収録を終えた、今の心境はいかがですか?
今の状況をニュースで見るしかできない私には知識がなく、実状がわからない中で、実際にこういうご家族がいるんだと知ることができて…。今、知ることができてよかったな、というのを、個人的にすごく感じました。
これまでどこか現実に思えないような部分もありましたけど、「これが今の現実なんだ」と知ることができました。
――印象に残っている場面はありますか?
やっぱり、子どもたちにとっては(脱出というより)旅行の感覚だっていうこと。戦争というものがわからなくて、今、日本に来てるのもよく分かっていない。胸が苦しくなりました。一方で現地にいる子どもたちの涙を映像で見ても、やっぱり苦しい…。
(マーヤさんが言った)「同じ空なのに状況が違う」というのもそうですが、一つ一つの言葉が、とても刺さる回でした。
――マーヤさんの強さも印象的でした。
うちもそうなのですが、やっぱり「お母さんは強いんだなあ」とすごく思いました。そういう強さに救われて、子どもたちもこれからもすくすくと育つといいなあと思いました。
強くなくちゃいけないってことはないですけど、やっぱり女性は強いですね。

――3人が日本にたどり着き、アナスタシアさんと再会する場面は、いかがでしたか?
3年ぶりの再会がこんな形とは、というナレーションもありましたが、本当にそうだろうなと思いました。コロナ禍というのもあって、なかなか会えない中、やっと会えたタイミングがこんな状況で…。
それでも、こうやって遠い場所に(身を寄せられる)家族がいたのはよかったんじゃないかな、と思いたいです。
――ナレーションを読んでいて、登場人物の誰かに気持ちが行くようなことはありましたか?
自分は体験していないことですから。すごく気持ちがわかるけど、わかると言えないといいますか。
それよりも、この現実をもっとたくさんの方に知ってもらいたいという、客観的な気持ちで読ませていただきました。
――改めて視聴者のみなさんのメッセージをお願いします。
すごく貴重な回の語りを担当させていただけて、本当にありがたいと感じました。
同じ空の下で生きている人間として、自分ができることはちっぽけで本当に限られていても、何か動くことができたらと。すごくそういう気持ちになりました。
そして、こうやって日本に避難してきている方々が、少しでも安心した生活ができること、本当に一日でも早く平和になることを心から祈ってます。
故郷というかけがえのない場所に、いつかまた戻れるといいな、と願っています。