池脇千鶴“生きがい”とは?「一度奪われたら、そうそう取り返せない」

公開: 更新: フジテレビュー!!
池脇千鶴“生きがい”とは?「一度奪われたら、そうそう取り返せない」

池脇千鶴さんが、『ザ・ノンフィクション』の“語り”を担当し、収録後のインタビューで、自身の“生きがい”について語りました。

池脇さんが読むのは、『ザ・ノンフィクション「火事と夫婦と生きがいと ~高円寺「薔薇亭」の1年~」』(4月2日14時~/フジテレビ※関東ローカル)。

半世紀近くも大事に守り続けてきた洋食店を、“もらい火”が原因の火事で失ってしまった高齢夫婦の物語です。

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火事で一夜にして“生きがい”を失った高齢夫婦が直面した現実

2020年の年の暮れ…東京・高円寺で50年愛され続けた洋食店が全焼しました。

店の名は「薔薇(ローズ)亭」。無口なマスター・正氏さん(80)の作る安くて大盛りの料理と、派手な髪飾りでお客さんを我が子のようにもてなすママ・千種さん(78)の人柄が名物の人気店でした。

『ザ・ノンフィクション』火事と夫婦と生きがいと ~高円寺「薔薇亭」の1年~が放送に 焼け跡に涙する千種さん

火事から1ヵ月、夫婦は営業再開に向けて動き出しますが、家賃の高騰や人気商店街ゆえの物件不足など、厳しい現実に直面。さらに、マスターの体調の異変により店の再開を断念することに。

50年間、夫婦の歩みそのものだった店を失った2人は、趣味や習い事など「新たな生きがい」を探し始めますが、突然、訪れた「夫婦水入らずの時間」をどう過ごしていいのか。小さな家で顔を突き合わす毎日に、いがみ合うことも増えてしまいます。

お客さんとの触れ合いが忘れられないママは商店街に出かけ、かつてのお客さんとの出会いに癒しを求めます。一方、気持ちの行き場を失ったマスターは自室に閉じこもるように。

そんなある日、ママの誕生日パーティを夫婦が「子どもたち」と呼ぶ常連客たちが開催。「もう一度、あの味が食べたい」「昔のようなママとマスターに戻ってほしい」という願いが夫婦の関係を好転させていきます。

『ザ・ノンフィクション』火事と夫婦と生きがいと ~高円寺「薔薇亭」の1年~が放送に マスターお手製のシチューを食べる二人

火事に遭い“生きがい”を失った高齢の夫婦が直面した現実を、カメラが追います。そんな二人のやりとりを池脇さんはどう見たのでしょうか?収録後に聞きました。

「ひょっとしたらお二人は、お店にいたときより仲良くなっているんじゃないか」

池脇千鶴 インタビュー>

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当する池脇千鶴

――収録を終えた感想は?

「薔薇(ローズ)亭」は高円寺の有名なお店で、中に入ったことはないんですけど、前を通ったことがあって。名物ママの千種さんが、お客さんに「これも食べちゃいなさい」みたいな“世話焼き”な感じで接していたり、結構、厳しめのジョークを言ったりするのを、テレビで見たことがありました。

でも、火事で焼けてしまったなんて知りませんでした。

――ママさんが泣いている姿が切なかったですね。

一夜にしてあんなことになってしまって…。ママさんがすごく泣いているのを見て、つらくなって、自分も泣きそうになってしまいました。年々涙もろくなっているんです。

それでも、ご自宅が別にあってよかったなと思いました。もし、自宅がお店の上などにあったら、すべてを奪われてしまい、本当にどう立ち直っていいのか…ということになったと思いますが、ケガもなさらずに助かったのはよかった。本当にお気の毒ではありますけど。

――お店という“生きがい”を奪われ、ご夫婦の間に亀裂が生じたり、関係性に変化が生まれたりします。

頑固なマスターがいて、それをママが気遣って。意思疎通がうまくいかなくなり家庭内別居状態になってしまう…。でも、そこから仲直りをして、テーブルをはさんで二人で笑いあってご飯を食べてという。

VTRを見ていて、ひょっとしたらお二人は、お店にいたときより仲良くなっているんじゃないかって思いました。お店をやっていたときは忙しくて、自宅には寝に帰るだけで、50年間二人でゆっくり過ごせる時間がなかったと言っていましたよね。

それがああやって、いろいろあるけど、二人でご飯を食べれるっていうのは、やっぱり仲が良くなったのでは、と思いました。

――特に印象的だったシーンといえば?

最後にシチューを食べていたところ。すごく楽しそうでした。その前には、とんかつを食べていて。しかも、あのボリューム!お店で学生さん向けにボリュームたっぷりで出していたのを、マスターはそのままママに出していたようでした。それを「おいしい、おいしい」って食べるママさん。素敵でした。

――今作は“生きがい”がテーマでしたが、池脇さんの生きがいはなんでしょうか?

私はこういうお仕事がやれていて「幸せだな」と思っています。俳優業を気づいたらもう25年くらいやっていて、自分でも、「ああ、そっか。もう40歳か…」みたいな感じで過ぎて来たと思って。それでも、やらせてもらっていることは生きがいですし、うれしい、喜ばしいことだなって思います。

そんな生きがいを奪われたら…想像もできないですけど、それこそ自信も無くなって、あのご夫婦みたいに明るくはいられないなって。

多分、家でじっと、うつむいているんじゃないかなって思います。一度奪われたものは、そうそう取り返せないですし、私のメンタルだったら、もう実家に帰ろうとか、そんなふうに考えますよね。

――常連客が多かった「薔薇亭」ですが、池脇さん自身が常連になっているお店はありますか?

昔、よく通っていたうどん屋さんがありました。うどんが大好きなので、知り合いにも紹介して、よく通っていたのですが、引っ越しをしてから全然通えていなくて。

ある時、グルメレビューサイトを見ていたら、そのお店が閉店していることが分かったんです。おじいちゃんがやっていたお店だったので、もしかしたら限界がきてしまったのかな、とかいろいろ想像してしまって。

閉店してしまったら、そこへ行ったとて食べられるわけでも、(店主に)会えるわけでもないので、すごく残念でした。

――最後に改めて視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

紆余曲折、波がある中でストーリーが出来上がっているから、入り込んで見ちゃうと思います。生きがいを失ってしまったご夫婦がケンカをしてまた仲良くなって。そんなところを楽しんで見てもらえたらうれしいです。

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