殺人の容疑で逮捕された天才ストーカーは、動画サイトで次々とメッセージを発信。社会をも動かした目的とは――。
ドラマ『アイゾウ 警視庁・心理分析捜査班』(3月29日放送/フジテレビ ※関東ローカル)は、1995年に、アメリカのジョージア州で起きた「天才ストーカー事件」がモチーフ。
『世界法廷ミステリー』(2021年/フジテレビ)で放送されるや、“神回”と話題になった事件です。
逮捕されたのは、驚異のIQをもつ天才、“ワシーム・デイカー”。
13歳上のある女性に恋をしてストーカーへと変貌するも、その女性ではなく、彼女のルームメイトを殺害したとして、逮捕・起訴されました。
16歳の若さで名門大に合格するほど知力も記憶力もずば抜けているワシームは、弁護士資格も持っており、法廷では弁護人として自らを弁護するという異例の事態に。
一体なぜ、愛する女性のルームメイトを殺害したのか。法廷で明かされた“犯行動機”に、全米が衝撃を受けました。
主演は、オーディションで地上波ドラマ初主役を勝ち取った夏子
『アイゾウ』は、この事件を現代の日本を舞台に置き換えてストーリーを設定。
描かれるのは、男女の愛憎事件を専門に扱う「警視庁心理分析捜査班」通称“アイゾウ課”です。
鮮やかな心理分析で犯人を追いつめる刑事・安座真霧子(あざま・きりこ)を、夏子さんが演じます。
数多くの雑誌でモデルとして活躍し、『世にも奇妙な物語 秋の特別編』(2016年/フジテレビ)で女優デビュー。
今回は、オーディションにて地上波ドラマにして初めての主役を勝ち取り、そのミステリアスな雰囲気と力強い目力、抜群の演技力で、敏腕刑事を演じます。

安座真を支えるベテラン刑事・久世麟太郞(くぜ・りんたろう)役に、津田寛治さん。
安座真の同期で“チャラ男”の馳谷川命(はせがわ・いのち)役に、夏子同様、オーディションにて配役された遠藤史也さん。
社会を震撼(しんかん)させた天才ストーカー・鷲尾哲也(わしお・てつや)役に大東駿介さん。
ほかにも、小橋めぐみさん、岡あゆみさん、園山敬介さん、榎木薗郁也さんが出演します。
犯人による動画メッセージ投稿に社会が衝撃
鷲尾哲也(大東駿介)は、ひとりの女性を殺害した容疑で逮捕されます。
それは、ベテラン刑事・久世(津田寛治)が、鷲尾が交通事故を起こし、焦って現場から立ち去ったのでは?と調べたところ、被害者の衣服に鷲尾の毛髪がついていたことを発見したためでした。
“刑事の直感”で、鷲尾を追いつめたい久世でしたが、部下の馳谷川(遠藤史也)と共に苦戦します。
鷲尾には、女性との接点がないに等しく、殺害する動機も見つかりません。さらに、法律の知識が豊富な鷲尾は、理詰めで反論するだけではなく、逮捕直前に自らを撮影した動画メッセージを毎日1本ずつ予約投稿し無実を訴え、世の中の注目を集めていたのでした。

そんな中、上司から「心理分析捜査班」(アイゾウ課)の安座真(夏子)をたずねるように指示されるふたり。
男女の愛憎事件を専門に扱う部署で、最初はいまいち安座真を信用していなかった久世でしたが、彼女が鷲尾を独特な手法で調べ始めると、新たな事実を次々と見つけることに…。
鷲尾は、別の女性をストーキングしていることが判明しますが、なぜ関係のない女性を殺害した容疑をかけられたのでしょうか。
インターネット上で、鷲尾の動画が拡散されればされるほど、彼はえん罪なのでは?とささやく人たちも…。
社会をも動かしていく鷲尾の狙いとは?久世、馳谷川、そして安座真は男女の愛憎事件のミステリーを解き明かすことができるのでしょうか。

番組では、放送数日前から、フジテレビ公式Twitterにて、実際にドラマで使用されている鷲尾の動画メッセージを投稿していきます。
『アイゾウ 警視庁・心理分析捜査班』(関東ローカル)は、3月29日(火)24時25分より、フジテレビで放送されます。
<夏子 コメント>
――オーディションで選ばれたときの気持ちは?
すごくうれしかったです。台本をいただいてから、自分の中で“作戦会議”をしました。
安座間は、これまで演じた役の中でも、一番振り幅があり、どんなふうに演じようか考える時間は楽しかったです。
――台本を読んだ印象は?
面白かったです。ニュースなどでは語られない、事件のその裏が描かれた作品で、非常に興味深かったです。
登場する人物たち一人ひとりに物語があって、その中でも安座間は特に個性的で、安座間を演じたいと強く思いました。
同時に、自分にとって新しいチャレンジになる役でもあるなと思っていました。
――実際の事件がモチーフとなっていることについてはいかがですか?
実際の事件のニュース記事などを読んで、内容を調べました。
人が実際に亡くなっていて、それをドラマ化するということで、敬意を払って取り組まないといけないと感じました。
――夏子さん演じる、安座真刑事にういて教えてください。
衣装合わせのときに監督と話をして、安座真は私が思っていたよりも、人間味があるということを発見しました。
最初に台本を読んだときは、変人のようなイメージだったのですが、行動の裏にある、心の動きを丁寧に拾っていかなければいけない、と感じました。
――実際に演じてみて難しかった点は?
どこまで振りきるのかが悩みどころで、ベースの事件と安座真、久世、馳谷川のバランスの中でどこまで楽しくやっていいのか探り探りでしたが、監督が丁寧に演出してくださりました。
また、鷲尾と対峙(たいじ)するシーンの撮影は、とても緊張感がありました。
安座間としても、自分自身としても、生半可にやっていると負けてしまうと感じ、気を引き締め直した貴重な時間でした。
――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
“アイゾウ”…愛と憎しみとは、誰しも感じたことのある「愛しているから憎んでしまう」という感情が事件を引き起こし、物語が進んでいきます。
1時間ハラハラして、ときには笑えるドラマになっていると思います。ぜひ、ご覧ください。
<津田寛治 コメント>
――ドラマの内容について率直な印象は?
すごい台本だなと思いましたね。一見してだまされたと思ったら、別の角度から安座真刑事がひっくり返して、そうしたら、もうひとひっくり返しあるんです。
3回くらいだまされ、ひっくり返される感じがあるのに、全体的にはびっくりさせるだけの物語ではなく、ちゃんとリアリティや人の気持ちが、そしてしっかりと結末があるんです。
犯人や刑事たちの思いというのが、そこに乗っかっているというか、犯人もただのヒールになってないとことが素晴らしい物語になっていて、ぜひとも久瀬という刑事をやりたいなと思いましたね。
――久世刑事を演じてみていかがでしたか?
いろんな演じ方ができるなと思いましたね。ただの鬼刑みたいなやり方もあれば、もっとエリート刑事みたいな。警視庁捜査一課ですからね。
でも、常日頃から思っているのは、自分ががちがちにこういう刑事でやるんだ、と決めるよりは、共演者の出方で決めていく方がいいかな、と。
夏子さんや遠藤くんの出方で、久世を決めていこうと思っていたので、現場に行くのが楽しみでした。
――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
このドラマは『アイゾウ』という、おどろおどろしいタイトルがついているので、怖いドラマなのかな、重いドラマなのかな、と思われる人がいるかもしれません。
でも、それだけではなく、すごくポップで楽しいシーンもあるし、なにせ主演の夏子さんがすごくチャーミングな方。
めちゃくちゃいいメンバーのドラマになっていますので、たくさんの方に楽しんでいただけると思います。ぜひ、ご覧ください!
<遠藤史也 コメント>
――オーディションにはどんな気持ちで臨みましたか?
あらかじめすべての台本を読んで、自分でしっかりイメージしてからオーディションにのぞむことができました。
プレッシャーもあり、しっかり作り上げなくては、と思ったのと、自分の作り上げるものが合っているのか、という不安な気持ちで挑んだのを覚えています。
――台本を読んだ印象は?
一番最初の印象は、「面白かった」ということです。
でも、実際の事件だったということもあり、調べてから、面白いと同時に、人が亡くなっているので、この話を扱うということをしっかり理解しながらやらなくてはいけないなと思いました。
――馳谷川刑事を演じてみて、いかがでしたか?
自分の中で、やはり責任というのが重くあって、少し堅い捜査一課のイメージだったのですが、それは、見る方にとってドラマに入りやすいのか?いうことを監督と話しました。
自分はこの話のなかで、隙間(すきま)というか、何かが見える瞬間や、見やすいな、ということを伝える役割をしっかり担えたらなと思いまいした。
実際にやってみて、できているかわからないですが(笑)、がんばりました。
――自分と共通する部分は?
あります。僕も人間なので抜けている部分というか、スイッチのオンオフがあるので。
でも、馳谷川の軸は何なのか?一番わからないです。それがわからないのが馳谷川なのかな、とも思っています。
――津田寛治さんとの初共演はいかがでしたか?
久世刑事(津田)は、個性があって。実際に演技してみて、馳谷川刑事を津田さんとの間で作っていく感じがあって助かりました。
久世と馳谷川は一緒にいるとこういう感じなんだろうな、とだんだん見えてきた気がしました。
――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
実際にあった事件を扱って、あらすじだけを見ると、すごく暗いような気がしますけど、実話をドラマ作品として昇華できるよう、キャスト、スタッフさん含めて力を合わせて作ったので、見ていただき、ご感想を寄せてください。
少しでも何か気持ちに残ることがあれば、と思います。
<大東駿介 コメント>
――ドラマの内容について率直な印象は?
ただの犯罪ものというか、トリックなどはたくさん描かれますが、人の愛情、愛憎が一番怖いというのは、面白いテーマだなと思いました。
ただ人を愛するという、とてもポジティブなことがどんどん違う方にいくというのは、誰しもあることだと思うので、僕にとってそこはやってみたいことではありました。
――実際の事件がモチーフとなっていることについてはいかがですか?
愛情とかそういう部分って、人が理解できるようなものさしではないと思っているので、自分が演じた鷲尾は、彼なりに純粋な愛を貫いたのかな、と。
事件がモチーフになっているけれど、彼が犯したトリッキーなことではなくて、この役を演じる上で、その純度の部分だけもらおうかなという印象ですね。
愛憎ものというのは、他人がどうこう言える話ではないですし、とても個人的な感情だけ純度を高めたいと思っています。
――久世や安座間と対峙する部分で気をつけたところは?
対峙する部分で気をつけたというよりは、衣装合わせのときからすごく話をしていたので、方向性や核の部分は作ってきたので、あとは好きにいじってください、というオファーはしました。
鷲尾のキャラを演じるのですが、僕がコントロールしすぎると、それは違うかなと。監督と僕で鷲尾というキャラクターを作っていくというモチベーションできました。
僕は僕のなかで作ってきたものをやるけど、監督には、どんどん意見やアイデアをください、という感じでやりました。それが楽しかったです。
――津田寛治さんとの共演はかがでしたか?
10年以上ぶりですね。僕が初めての主演映画(「旅立ち~足寄より~」(2009年))をやらせてもらったときに、ご一緒させていただきました。
それ以来だったので、いつかまたご一緒したいと思っていたので、かなり楽しみだったし、ぜひやらせてくださいという気持ちでこの役を受けました。
――視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
ありとあらゆる愛憎劇があると思うんですけど、個人的には、小さな小さな愛が起こす、小さな小さな愛がどんどん大きなものに変化していく、その恐怖がすごくあると思うんですよね。
夜中の放送なので、気持ち悪がりながらも、なにか心に刺さるものがあればいいなと思います。