東京都民に愛される食べ物には、さまざまな“埼玉のおかげ”が隠れていた。
2月1日(火)の『所JAPAN』(カンテレ・フジテレビ系)では、密かに東京を支えている、実は“埼玉のおかげ”というものを紹介した。
激安中華が食べられるのは、“埼玉のおかげ”!?
東京の駅前を中心に193店舗を展開する、中華料理チェーン店の日高屋。来客数は、1日あたり平均15万人で、多くの東京人に愛されている。
この15万食分の食品加工が、埼玉県にある、たったひとつの工場だけで行われている。番組スタッフは、埼玉県行田市にある、巨大工場へ向かった。

日高屋はもともと、1973年に埼玉県大宮で創業。安くて美味しい中華料理を提供するため、この工場を2005年から本格稼働させた。
どのように、大量の料理を作っているのか?番組では、工場内部を調査した。
まず目にしたのは、1時間で餃子7万個を作るという餃子製造室。1台のマシンで、餃子の皮を作り、餡を入れて包む作業までを、ほぼフルオートで行っている。
ここで作られた餃子は、瞬間冷凍の後、パッキングされ東京に運ばれる。

この部屋では、1日に最多53万個もの餃子を製造。しかも、稼働に必要な作業員は5人。
埼玉の工場で、徹底的に人件費がカットされ、東京都民に激安中華を届けている。この工場では、ほかにも機械を駆使し、カット野菜、中華麺、焼豚の製造も少人数で行われている。
鮮度が命の生菓子が食べられるのも“埼玉のおかげ”!?
埼玉県は、知る人ぞ知るスイーツ王国。各地にメーカーの製造工場があるのだ。
・本庄市 「ガリガリ君」
・入間郡「キャラメルコーン」
・大宮「雷おこし」
・草加市「東京ひよ子」
・浦和「文明堂東京カステラ」

創業74年、都内に87店舗を展開する、銀座コージーコーナーのスイーツを作っているのも、埼玉。

スタッフが向かったのは、埼玉県川口市。東京で売られているケーキの約8割を、ひとつの工場で作っている。その1日のケーキの製造数は、10万個ほど。
銀座コージーコーナーが作るのは、生菓子。シュークリームやスポンジケーキは、作った瞬間から鮮度が落ちていくことから、「スイーツは鮮度が命」と言われる。
この工場では、いかにスピーディにお店に届けられるか、ほかのスイーツ製造にはない、重要なミッションがあった。
番組では、どれほどのスピードで、大量の生菓子を作っているのか?を調査した。

年間480万個を売り上げる、人気の苺のショートケーキ。人間が作業すると、2分はかかるクリームをスポンジの周りに塗る作業も、この工場では専用の機械を使い、わずか6秒で完成させていた。

ほかにも、エクレアは全工程を自動で行い、5000個を1時間で製造。鮮度を意識したスピーディな製造がされていた。
番組は、ハイテクマシーンだらけの工場で、スンゴイ人物を発見。銀座コージーコーナーのケーキといえば、華やかなデコレーションが特徴だが、繊細な形は、機械では再現できず、人の手で作業している。
1番難しいと言われていたのは、「コージープリンセス」。上の生クリームを乗せる作業は、修得するのに3年はかかるという。


完成したケーキはすぐに仕分けられ、その日のうちに配送。東京で、銀座コージーコーナーのケーキが食べられるのも、経験を積んだ埼玉の職人たちの技のおかげだった。
ウズラの卵で、埼玉県人が世界初の偉業
都内のやきとり店で人気を集める、極上のうずらの卵がある。普通のうずらの卵と何が違うのか?

調査するために、スタッフが向かったのは、埼玉県日高市。東京で絶賛されるうずらの卵の生みの親、本木裕一朗さんを訪ねた。
本木さんは、うずらを飼育する養鶉場(ようじゅんじょう)の経営者で、飼育するうずらの数は14万羽。1日に生み落とされる卵は、約10万個だという。本木さんの飼育するうずらの卵には、ある秘密が…。
その違いは卵の大きさ。本木さんが飼育するうずらの卵は、通常の1.5倍もの大きさがある。


実は、本木さんは、日本で初めてフランス産のうずらを輸入し、繁殖に成功。「シャントゥ・カイユ」というブランドうずらを作ったスンゴイ人物だった。
餌には、ワイン作りで使われた、ブドウの搾り粕を配合。さらに発育を促すため、うずらにモーツァルトの曲を聴かせている。本木さんによると、「(曲を聴かせることで)若干卵が大きくなる気がしている」とのこと。
毎日の飼育努力の結果、生まれた卵は、通常のうずらの価格の約4倍。

さらに、うずらの卵を愛してやまない本木さん。その美味しさを広めるため、うずら専門ショップ「うずら屋」を設立。
そこでは、すべてうずら卵を使用した、料理を販売している。1番人気は、うずらの卵を13個も使用した、「フランスうずらの贅沢オムライス」。
ほかのメニューにも、自慢のうずらの卵がふんだんに使われている。




そして今、本木さんは、日本でも世界でも初めてと言われる、偉業を成し遂げていた。それがこちら。

一見、見た目は普通のうずらの卵と変わらないが、本木さんによると、10年以上かけて世界初のうずらの卵を完成させたという。一体何が世界初なのか?
それは、世界初うずらの半熟卵ということ。
これまで、いろんなやきとり店が、うずらの半熟卵を作っても、殻を剥(む)くときに、中身が潰れてしまっていた。
そんなお店の悲鳴を受け、本木さんはゆで方を試行錯誤し、半熟のうずらの卵を世界で初めて大量生産できるようにした。
木本さんいわく「ここまでの半熟はうちだけ」とのこと。

激安中華が食べられるのも、鮮度が命の生菓子が食べられるのも、うずらの半熟卵が食べられるのも、すべて“埼玉のおかげ”だった。