『ミステリと言う勿れ』ダジャレ好き担当者が語る番組グッズ制作の裏側!ポイントは「世界観をどれだけ出せるか」

フジテレビュー!!
『ミステリと言う勿れ』ダジャレ好き担当者が語る番組グッズ制作の裏側!ポイントは「世界観をどれだけ出せるか」

テレビマンの仕事の極意と、彼らの素顔に迫る「テレビマンって実は」。

今回は、ライツ事業戦略部の土出友美さんを取材。フジテレビe!ショップなどで販売される番組グッズの商品化や、イベント開催などで番組を盛り上げる仕事について深掘り。

番組グッズのアイデアはどこから生まれるのか、どういう流れで制作されているのか。さらに、ドラマ『ミステリと言う勿れ』(1月10日21時よりスタート)のグッズの商品化も担当する土出さん。すでに話題を集めている本作のグッズについて、気になる今後の商品・イベント展開についても語ってもらった。

『ミステリと言う勿れ』は自らの売り込みで担当に

──ライツ事業戦略部はどのような仕事をする部署ですか?

番組やそのほかフジテレビコンテンツの周辺ビジネスを幅広く展開しており、本当にいろいろなことを行っている部署です。私がメインで担当しているのはMD(マーチャンダイジング)と言われる仕事で、番組や映画などのコンテンツのライセンスビジネスをプロデュースしています。簡単に言うと、番組などのグッズを作るお仕事ですね。

──ドラマ『ミステリと言う勿れ』を担当されていると聞きましたが、どういう経緯で担当になったのでしょうか?

『ミステリと言う勿れ』の草ヶ谷大輔プロデューサーが、以前『モトカレマニア』をプロデュースした際に、一緒に仕事をしました。作品を盛り上げようと、いろいろと案を出し合っている中で、私自身が当時「やってみたい」と思っていたコラボカフェに賛同してくれ、実現することができました。

そんな草ヶ谷Pが次にどんな作品を作るのか気にしていたところ、たまたま社内の会議室に名前を見つけて。作品自体はその時点で分からなかったのですが、「私、それ担当します!」と自分から上司にお願いをして、担当にしてもらいました。

それから草ヶ谷Pと話す機会があり、『ミステリと言う勿れ』という作品を作ると知り、「7巻まで出ているからぜひ読んでみて!」と言われたので、すぐ原作を買いに行って。キーワードになることを調べて、「こんな展開ができたらいいな」というのを自分なりにまとめて、打ち合わせを進めました。

『ミステリと言う勿れ』クリアファイル
『ミステリと言う勿れ』キーホルダー

今回は、準備期間に余裕があったので、普段は時間がかかり作ることが難しいグッズも作ることができていますし、すでに発表されているものも多いですが、「サンリオ」や「ミスタードーナツ」とのコラボなど、いろいろな展開を仕込んでいます。

──サンリオとのコラボ商品は、発売直後に売り切れが出るなど話題となっていますが、どのような経緯でコラボすることになったのですか?

草ヶ谷さんから「キャラクターとのコラボをやりたい」と言われたことが、サンリオとのコラボを進めるきっかけでした。

私は、ライツ事業戦略部でやりたいことがいくつかあるのですが、その一つにサンリオさんとのコラボがあったんです。世界的に愛されているキャラクターをたくさん生み出しており、私も幼少期から大好きでサンリオさんのグッズをたくさん持っていたので、サンリオさんといつかコラボをしてかわいい商品を作りたいとずっと思っていました。ですが、なかなかチャンスが巡ってこず…。

『ミステリと言う勿れ』は、準備期間も十分にありましたし、作品自体もすごく人気があるので「これは!」と思い、アタックをしてみたんです。たまたまシナモロールが20周年であることと、ドラマの主演を務める菅田将暉さんもシナモロールも“ジュノン・スーパーボーイ・コンテストを受賞している”という共通点があることから話がうまく進み、今回のコラボが実現しました。

商品のほとんどは、自分の“好き”から生まれる

──ドラマに関するグッズ制作の流れを教えてください。

それぞれの担当によって、やり方はあると思うのですが、私はまず台本を読んで、キーワードをいくつか見つけます。今回の『ミステリと言う勿れ』であれば、「カレー」がキーワード(※)の一つだと思ったので、カレーにまつわるグッズを作ろうと決めて、作ってくださるところを探すという制作パターンです。

※主人公・久能整(菅田将暉)はカレーをこよなく愛する大学生

作品によっては、「こんなものを作って欲しい」「こんなのあったらいいじゃん」という意見を番組側からもらうこともあります。その意見には極力応えられるように、作れるところを探したり、いつも商品化をお願いしているメーカーさんに「こういった作品なのですが…」と相談しています。

──ご自身のアイデアから生まれたグッズはありますか?

もちろんあります!基本的に私は「自分がほしいもの」を作っていますので(笑)。

あと、アイデアと言えば、ネーミングは得意なほうかもしれません。「劇場版 ルパンの娘」で制作したアルコールジェルは、主人公の華(深田恭子)ら“Lの一族”が泥棒ということで「Lの一族は“菌”を盗みます」という意味を込めて、「菌」と「金」をかけて作りました。ダジャレ好きなので、ダジャレから生まれた商品が結構あります(笑)。

ダジャレからだけではなく、例えば、レジ袋が有料化されたときにエコバッグを作ったり、今の時代はマスクケースに需要があるなと思って作ったり。クリアファイルなど定番のものを作りつつ、時代背景に合ったものを織り混ぜて、その時に「あったらいいな」と思うものを作るように心がけています。

──現在担当している『ミステリと言う勿れ』の中で、ご自身がほしいと思って作った商品はありますか?

「ミステリと言うなカレー」ですね(笑)。あとは、絶賛制作中の「ミステリと言う勿れ 台詞かるた」です。本作は、自身の見解を述べるだけで事件を解決してしまうドラマなのですが、菅田将暉さん演じる久能整の発するセリフが本当にステキで面白いので、「セリフかるた」を作りました。セリフに合わせて場面写真を使うことができるので、「これは作りたい!」と。

ただ、実は動き始めてから後悔していることもあって…。“ぬ”や“ん”から始まるセリフがなかなか見つからなかったんです。何度も台本を読んで、同僚のみんなにも探してもらって、“あ”から”ん”までなんとか絞り出しました(笑)。

──劇中に商品を入れ込む、ということもあるそうですね。

番組プロデューサーと連絡を取り合う中で、可能であれば商品を劇中で使ってもらうようにしています。本作では整が使うマグカップをドラマの撮影に入る前から、仕込むことができないかと相談していました。番組内で取り上げてもらうことで、視聴者の方により手にとってもらいやすいものになっているのではないかと思います。

『ミステリと言う勿れ』に登場するマグカップ

整のカレーを忠実再現「ミステリというなカレーパイ」

──ミスタードーナツとのコラボも発表されましたね

本作では、いろいろな会社とタイアップしたいと思っていたのですが、ミスタードーナツは菅田さんがCMに出演されているので、何かできないかと探っていたんです。

打ち合わせの際に、菅田さんがパッケージになっているテイクアウトボックスを見て、「ここに『ミステリと言う勿れ』のポスタービジュアルがプリントされたらいいよね」というアイデアが出たり、カレーのオリジナル商品が作れないかなどとご相談させていただきました。

ミスタードーナツの担当者の方が「どんなカレーなんですか?」と細かく聞いてくださり、台本を読み極力作品に寄せた商品になるように試行錯誤していただいて。劇中、整が作ったカレーに「コロッケを乗せようか」「メンチにしようか」という場面があるので、最終的に出来上がった商品は、カレーパイの中に丸ごとコロッケが入っているものと、丸ごとメンチが入っている「ミステリと言うなカレーパイ」になりました。

──お味はいかがでしたか?

パイがすごくサクサクで、おいしかったです!私はコロッケ派です。

──本作で、今後やってみたい展開はありますか?

今となっては、「あれもやりたかったな」「こういった展開もあったな」と思うこともありますが、今回は本当にたくさんやりたかったことが実現できたので、満足しています!

「どうしてもラーメンが作りたい!」その思いが形になった「社員食堂ラーメン」

──過去に担当したものの中で、思い入れのあるグッズを教えてください!

思い入れのあるものは「社員食堂ラーメン」(袋麺)です。先ほどからライツ事業戦略部に来てやりたかったことをたくさん挙げていますが(笑)、私、どうしてもラーメンを作りたくて。製造ロットや期間の問題で、担当した番組での商品化は難しかったものの、何かのタイミングで作れないかと探っていたときに、上司から「お台場の名物となり、そして期間も長く販売できる商品化を考えてほしい」と言われて、真っ先にラーメンが浮かびました。

何をラーメンと結びつけるか考えたときに、社員食堂がいいのではないかというアイデアが浮かんで、はじめに「醤油ラーメン」を作って販売しました。そうしたら、すごく好評だったんです。そこから「塩ラーメン」、「カレー」、「ミートソース」と社員食堂シリーズを広げていきました。

実際に社員食堂に並んだものでないと、“社員食堂”というネーミングにできないと思い、社員食堂に「このスープとこの麺でラーメンを出してください!」というお願いもしました(笑)。

──なぜ、そんなに「ラーメンが作りたい」と思っていたのでしょうか?

ただただ、私がラーメン好きなだけです。「この番組でグッズを作ってください」と言われたら、まず「ラーメンかな」と考えてしまうくらい。コラボカフェも大好きで、何かとカフェや食堂の展開を企画しています。

食品系で初めて飲食展開をしたのは、『北の国から』が35周年のときに作った「子どもがまだ食ってる途中でしょうがラーメン」ですね。これは言わずもがなですが、『北の国から’84 夏』の劇中で黒板五郎(田中邦衛)が子どもたちと中華店を訪れた際に「子どもがまだ食ってる途中でしょうが」と放った名シーンに登場するラーメンを再現したもの。

ラーメンつながりで言うと、フジテレビには系列局が27局あるので、27種類のラーメンを作り販売したこともあります。

──コラボカフェの話題が出ましたが、担当した中で思い出に残っていることはありますか?

コラボカフェもライツ事業戦略部でやりたかったことの一つでした。初めてコラボカフェを展開したのは、『モトカレマニア』のとき。この作品は“元カレ”“元カノ”がキーワードだったので、「元カレということは、“カレー”だな」と思って、「あま~い思い出モトカレー」と「ドライな関係イマカレー」を提案して。他にも、劇中に「逃した魚は巨大マグロ並みにデカかった」というセリフもでてきたので、そこに結びつくように、巨大フランスパンにマグロカツが刺さった「逃した魚は巨大マグロカツサンド」も提案しましたね。

食べ物がメインで出てくるドラマではなかったのですが、カレーのルーをピンクにしてもらったり、ご飯をハート型にしてもらったりなど、セリフやイメージをメニューに取り入れるようにして、視聴者の皆さんに楽しんでいただけるような工夫をしました。

『モトカレマニア』を担当した際には、「逃した魚は巨大マグロ並みにデカかった」という劇中のセリフに合わせマグロのぬいぐるみも制作
(放送時、フジテレビ本社のシアターモールにあるUFOキャッチャーでゲットすることができた)

──カフェの展開におけるこだわりは、まさにその「視聴者に楽しんでもらえるように」というところでしょうか?

そうですね。作品の世界観をどれだけ出せるかということは大切にしています。食品にまつわるドラマであれば、劇中に出てきたものを再現して出すことができるのですが、そうではない作品は店舗の雰囲気やメニューで世界観を表現しなければなりません。ネーミングも含めて、ドラマを見ていたら「一度は行ってみたい」と思ってもらえるようなメニューを考えるようにしています。

「視聴者のリアルな反応を見ると、大変さを忘れる」

──土出さんがライツ事業戦略部での仕事にたどり着いた経緯を教えてください。

もともとはゲーム会社で働いていたのですが、メディアの業界に興味があったのでフジテレビに入社し、最初は情報制作局にいました。そのうち番組制作がやりたいと思うようになり、フジテレビを離れてバラエティ制作会社でAP(アシスタントプロデューサー)を経験。その後、ご縁があってフジテレビのライツ事業戦略部で働くことになりました。

ライツ事業戦略部に来た当初は、フジテレビアナウンストレーニング講座「アナトレ」を担当していて、その頃にMDの仕事をしている同僚を見ていて「面白そうだな」と興味を持ち始めました。

当時の部長に声をかけてもらい、MDの仕事をするようになったのですが、『めざましテレビ』やドラマ作品の商品化を担当するかたわら、今はフジテレビ本社7階にあるショップ「フジさん」の店舗プロデュースなども担当しています。

──仕事のやりがいを感じる瞬間は、どんなときですか?

最終的にアイデアが形になったとき…『ミステリと言う勿れ』で言うと、サンリオとのコラボ情報が発表されて、翌日から一部商品を販売したのですが、すぐ完売した商品があったんです。そういう反響を見ると、やりがいを感じます。

今回は特に、今までにやったことのないミスタードーナツとのタイアップや、一つの作品で7都市のHMVでコラボ展開をしたり、有楽町マルイで「放送記念!TVドラマ『ミステリと言う勿れ』POP UP展」を開催したり、次から次に挑戦することができていますし、「どんどん新しいことをやっていきたい」という性格の私にとっては、とても楽しい環境です。

いろいろと準備しているときが一番“仕事をしている感”があって、大変ですけど楽しいなと思いながらやっています。

──この仕事をしていないと出会えなかったと思うコト・モノはありますか?

どの現場に行っても、いいスタッフさんに囲まれて、人に恵まれているなというのは実感しています。

この部署は多岐に渡る分野を担当しているので、テレビ局ならではの番組の制作陣や芸能事務所の方々とも繋がることができるし、グッズ制作という部分では、メーカーの方や私たちが普段から利用するような店舗の方々とも顔を合わせることもあって。コラボカフェであれば、実際に自分が行ってみたいと思っていたカフェに企画を持ち込むこともあるので、仕事をしているなかでたくさんの出会いがあります。

『レンアイ漫画家』のコラボカフェは、劇中にカフェとスイーツが出てくることもあり、以前からSNSで見ていて気になっていた恵比寿のカフェに「スイーツコラボができないか」と交渉して、実現しました。普段思っていたことが、急に結びつき、それがビジネスになることがよくあります。

恵比寿の人気カフェ・アクイーユとコラボして展開されたドラマ『レンアイ漫画家』のカフェメニュー

──MDの仕事をするうえで意識していることや、心がけていることはありますか?

普段の何気ない買い物でも、可愛いものや欲しいものを見つけると、まずどこが作っているのか、メーカーを自然と見るようになりました。自分が担当する番組で作りたいと思っていたグッズと近しいものであれば、そのメーカーさんに話をしてみたり、普段お世話になっているメーカーさんに「こういうものは作れませんか?」と相談して、作ってもらったりすることもあります。

──今までに一番大変だったこと、苦労したことは?

なんだろう…。作っているときはすごく大変だと思うんですけど…忘れちゃうんですよ(笑)。でも、グッズを作ることで大変だと思ったことは、あまりないかもしれないです。楽しく作っているので。

今回の『ミステリと言う勿れ』の整とシナモンとのコラボグッズは、髪型の細かい部分の調整を何度もやりとりしました。形あるものは色味なども思い通りにできなくて苦労するところもあります。だけど、私たちはフジテレビショップやイベントなどでお客さんと向き合う場面が多く、実際に視聴者のリアルな反応を見ると、大変さを忘れることができます。

──では、最後に今後『ミステリと言う勿れ』を盛り上げていくために予定している展開を教えてください。

さまざまなラインナップを準備しているので、まだ商品が出てきます。サンリオコラボのHMV限定の商品は、数に限りがあるので、完売してくれればいいなと願っています。

1月14日(金)からスタートする有楽町マルイの「放送記念!TVドラマ『ミステリと言う勿れ』POP UP展」では、衣装や小物展示やコラボグッズの販売、整モデルのマフラーもお披露目されます。劇中に出てくる“整っぽい”マフラーの色味にこだわって作ったマフラーなので、受注生産ではありますが、お手に取っていただけたらうれしいです。

さらに、ダイソーでもサンリオコラボのコーナーが展開されます。グッズが店頭に並ぶので、ぜひ楽しみにしていてください。

ドラマ『ミステリと言う勿れ』のオフィシャルグッズは、フジテレビe!ショップなどで販売中。

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