毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくフジテレビのトーク番組『ボクらの時代』。
12月26日(日)の放送は、ドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』(12月27日放送/フジテレビ)で共演している、俳優の山田裕貴、遠藤憲一、勝地涼が登場。
俳優になったきっかけや、コンプレックス、大切にしている時間や仕事に向かうスタンスなどについて語り合った。
遠藤憲一の暴露に、勝地涼「ちょっと待ってください!」
志村けんさんの半生を描いたドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』では、山田が志村けんさんを、勝地が加藤茶を、遠藤がいかりや長介さん役を演じた。

勝地:ドラマの撮影も大変でしたね。
遠藤:まぁでも、2人、ほら、仲良しで。
山田:(勝地が)すっごいいっぱいしゃべってくれたんですよね。
遠藤:(山田の)「勝地くんのこと大好き」っていうオーラがすごかったもん。
勝地:本当ですか?
山田:(笑)。めっちゃ甘えてましたね。

勝地:でも何か、いい緊張感もありましたけど、(ザ・ドリフターズ役の)メンバーがずっとしゃべっていたじゃないですか。
遠藤:みんながね。俺はどっちかって言ったら、若者たちを眺めてた感じ。
勝地:そんな!そんなことないですよ。
遠藤:自然とね。ほら、長さんは怒ってる場面多いじゃん?
山田:はい。
遠藤:コントとかそういうの以外は。
勝地:はい。
遠藤:自然とみんなを見守ってるみたいな感じになっちゃって。
勝地:ああ。でも、チアガールのメンバーの人とかをイジったりしてたじゃないですか(笑)。
山田:(爆笑)
遠藤:(笑)。浮かれちゃったけどね。
勝地:若い子に浮かれてた。
遠藤:(勝地に)自分も結構、話しかけてたよ、女の子に。
勝地:そうですね。
遠藤:集中して話してた子が、あの…お別れになった奥さんに似てたよね(笑)。
勝地:ちょっと待ってください(笑)!
遠藤からの暴露に、勝地は「エンケンさん、これTVショーですよ!俺たち、プライベートで飲んでるわけじゃないですよ」と苦笑い。そんな2人のやり取りに、山田は手を叩いて笑っていた。
「この仕事だけは…」俳優を続けていく理由
現在60歳の遠藤が俳優としてキャリアをスタートさせたのは、17歳でタレント養成所の劇団に入ったこと。

遠藤:高校を辞めちゃったの、俺。1年生でね。
勝地:ワルかったんですね。
遠藤:ハンパなね…形だけ多少。それで、学校を途中で辞めると続かなくなるのよ、何をやっても。バイトも始めるんだけど、すぐに辞めて…。みたいなのを繰り返してるうちに、1年ぐらい経ったときかな。電車の中刷り広告にタレント養成所の募集記事があって。
山田:へぇー。
遠藤:「こういうの、募集してるんだ。応募して入るんだ」って興味本位でやりだしたのがきっかけでそこに入って、お芝居に巡り合って。何か物を作ることが好きだったみたいで。演じることというよりも、先輩たちの影響を受けて役を作り上げていくことが楽しくなっちゃって。
「辞めグセ」がついていたが、芝居だけは「面白くなって」続けてきたと明かす遠藤に、勝地がドラマの撮影中、山田からも同じような話を聞いたと言って…。
勝地:「辞めグセ」じゃないけど、「あきらめたものが一つあったから、この役者の仕事だけは絶対に辞めたくないんだ」って、ポロっと言ってたじゃない?

山田:野球をやっていて。父が野球の仕事をやっている人だったので。毎年全国大会に出るような強いところでやっていたんですけど、僕はそんなに活躍できるような選手でもなくて、すごくしんどくて。「しんどい」というところから逃げたんですよ。辞めようと思って。
遠藤:それがいくつのとき?
山田:中学3年です。
その後、高校3年生在学時に野球部が全国大会に出場。甲子園に応援に行くと、一緒に戦っていたチームメートたちがグラウンドに立っていた。
山田:試合始まる前だったんですけど、涙が止まらなくて。たぶん、(彼らの)その姿を見て、こんなに輝いているみんなを、(自分も)こんなに輝けたかもしれないのに、自分の人生に自分でふたをしたんだって思って。
遠藤:なるほど。
山田:父に一つだけ言われていたのが、「自分でやるって言ったことは、絶対に最後まで続けろ」。で、それがカーンと頭の中に響いてきて。あ、父は野球をやれと言っていたわけじゃなくて、自分がやると言っていたことを辞めてしまうと、ものすごく後悔するんだということを言ってくれてたんだと思って。
次にやると決めたことは必ずやり遂げると決意し、それを役者に決めた理由も明かした。
山田:もともと、「なんでなんで星人」なんですよ。
勝地:ふはは!どういうこと?
遠藤:なにそれ(笑)?
山田:「なんで、僕は人間なんだろう」とか、「なんで地球はあるんだろう」とか…。子どものころから「なんでこうなの?」「なんで?」…。
遠藤:素晴らしいことじゃない。
山田:今でも「なんで?」が止まらないんですけど。
勝地:うん。
山田:で、「人の心って何?」。何か自分につらいこととか、苦しいことがあったときに、ここら辺(胸のあたり)が苦しくなるじゃないですか。
勝地:なるね。
遠藤:なるほど。
山田:「これは何?」と思って。「これを調べる仕事がしたい」と思って。俳優さんだったら、本当に人の心を体現するというか表現するというか…違う人生を生きるお仕事だから、ここの「なんで」は僕がずっと諦めずに探し続けるんじゃないかと思って、この仕事をやろうと思ったんです。
山田の熱弁に、遠藤は「すごい、スタートが深い」、勝地も「そこまで考えてない」と感心した。
勝地の意外なコンプレックスとは?
「13歳」から芸能活動をしている勝地は、もともとジャニーズ事務所に入りたかったと明かし、オーディションも受けたが受からなかったという。
「そのころからテレビに出てる人たちがカッコイイというのがずっとあって。(山田より)もっと子どもな発想。カッコイイとか、目立ちたいとかそんなところからスタートしてる」と語った。

勝地:あと、コンプレックスみたいなのがずっとあって。
遠藤:(あるように)見えないのにね。
勝地:僕、出身が、自由が丘なんですよ。
遠藤:すごいじゃん。
勝地:ですよね?そういう感じになりますよね?自由が丘って、ちょっとお金持ちのイメージとかあるから。
遠藤:今ね、うん。
勝地:仕事始めたときに「自由が丘出身です」って言うと「ああ、いいとこの子だ」って。
山田:うん。
勝地:地方から出てきて、一人暮らしして学生やって…とかがない子なんだって言われてるような気がして。
遠藤:自由が丘の、一軒家だったの?
勝地:そうですね。
遠藤&山田:へぇー。
勝地:小さいころは、お手伝いさんに育てられて…裏庭にはバスケットゴールがあって。
山田:すげぇ、マンガみたい。
遠藤:本当なの、それ?
勝地:本当です(笑)。もう、昔は絶対に言わなかったですよ。恥ずかしくて。
遠藤:へぇー。金持ち過ぎて、恥ずかしいっていう?お坊ちゃんに見られるのが。
勝地:そうなんですよね。芸能界は貧乏しながらとか、バイトしながらとか。それこそ僕はバイトもしたことがないですし。
「マジで!?」と驚いた遠藤だが、自身の下積み時代の苦労を「イヤだと思ったこともないけど、それが何かプラスになったかと言うとそうでもないから、いいんじゃない?ジャニーズにまず落っこったっていうのが良かったよ」と笑い飛ばした。
遠藤「唯一の友達が、女房なんだよね」
また一同は「大事にしている時間」について語り合った。「酒をやめて4年」と話す遠藤は「やめた途端、何かを作りたい気持ちがグイグイ出てきた」と明かす。

遠藤:今、ネット社会なのに、テレビドラマをあえて作りたくなってきたの。
勝地:うんうん。
遠藤:それを今、休みの日にコツコツ(脚本を)書いてるの。
山田:へぇー!
遠藤:それが、思いつかないでストレスになるときもあるんだけど、別に何も頼まれてるわけじゃないじゃん。
勝地:はい。
遠藤:勝手にやってることじゃん。制約が何もないから、それを書いて、面白いものが浮かんだときがすごい楽しいわけ。
勝地:面白い!
ところが「連続モノって10本くらいないとダメじゃん?4年でやっと、2話まで書けた」と現状を語り「ペースをあげなくちゃいけない」と笑った。
また、妻とのウォーキングも趣味と明かす遠藤は「お酒をやめて、友達がいなくなっちゃったんだよね。飲み友達ばっかりだったから。唯一の友達が、女房なんだよね」とポツリ。それを聞いた勝地と山田は「めちゃくちゃいいセリフ」「理想」と盛り上がった。
山田「僕は今、幸せなのか?」
山田は、志村けんさんを演じることについても「プレッシャーがやばい」「(撮影期間は)志村さん以外の動画を見ていない」と明かし、これまで「がむしゃらにやってきた」と振り返った。

山田:やれるものを全部、やりすぎちゃったことによって、「ここからどうしていけばいいんだろう」みたいな。「どういう俳優になればいいんだろう」「どういう人間でいればいいんだろう」というのを考え始めるようになってきて。
遠藤:自分で突っ走ってきて、どうなの?気分的には「休みたいな」って感じするの?
山田:パフォーマンスが落ちなければ…という感覚です。「こういう作品がやりたい」というよりも、「山田くんにやってほしいんだよね」と言ってもらうことに、すごくエネルギーが湧いてくるというか、やりがいを感じているので。そういう人たちの期待を裏切るようなものにはしたくないというラインが一個あって。(忙しすぎて)それができなくなるんだったら、もうちょっと考えて作品に臨んだ方がいいなとか。
山田は、俳優として邁進したきたことによって「自分の本当の幸せって何だろう、僕は今、幸せなのか?」と「人としての幸せ」を考えたとき、「結婚、とか、子どもとかそういうことも考える余裕がない」と打ち明けた。
遠藤:1作やって期間を置いてやるタイプと、(次から次へと現場を)ぐるぐる回っていって、きついだろうけど、それがまたその人にとってクオリティがじわじわ上がっていくタイプの人がいるから…。
山田:ああ。(自分のやり方は)間違っては、いないですかね?
遠藤:俺は、今のやり方でいいんじゃないかと思うよ。冗談で「忙しいからたまには休みなよ」とか言うけど、(作品と作品の間に期間が空くと)逆に構えちゃって緊張するようになっちゃったりとかあるから。そうやってきてさ、時の人(日経トレンディが選ぶ2021年の「今年の顔」)になってるわけだから。
大先輩のアドバイスに、山田は「ちょっと悩みが晴れました。走り続けます」とうなずいた。