「第30回FNSドキュメンタリー大賞」で、TSKさんいん中央テレビ制作『命の選択~ALSとの闘い~』が大賞に決定した。
フジテレビ系列各局の番組制作能力向上とその蓄積を図る趣旨から、1992年に創設された「FNSドキュメンタリー大賞」。
節目の第30回を迎えた今回、系列各局が制作し今年放送されたノミネート作品の中から、審査の結果、TSKさんいん中央テレビが制作した『命の選択~ALSとの闘い~』が大賞に決定した。TSKさんいん中央テレビが大賞を受賞するのは、初めてとなる。
『命の選択~ALSとの闘い~』は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という全身の筋力が急速に衰える難病患者を取材した作品。

左から)ALS患者の吉岡哲也さん、妻・朋子さん
ALSは、喉の筋肉が弱くなり自発呼吸ができなくなったとき、人工呼吸器を装着するかどうかを自ら決めなければならない。人工呼吸器をつけない選択は、死を選ぶことを意味し、呼吸器をつければ手足が動かず声を発することはできなくても、生き続けることはできる。
この作品では、鳥取・島根両県の3人のALS患者を中心に取材を進め、厳しい選択を目の前にした患者たちの迷いや希望、葛藤を追っている。取材対象者に真摯(しんし)に向き合い、丹念に取材を重ねたことなどが高く評価され、大賞受賞となった。
フジテレビでは、『決定!第30回FNSドキュメンタリー大賞』(関東ローカル)として、2022年1月3日(月)4時55分より、大賞作品『命の選択~ALSとの闘い~』を放送する。
<「第30回FNSドキュメンタリー大賞」大賞作品紹介>
大賞:
TSKさんいん中央テレビ 制作『命の選択~ALSとの闘い~』
受賞理由:
人工呼吸器をつけるかどうかの命の選択。その現場を、それぞれの患者さんに真摯(しんし)に向き合って丹念に取材し、丁寧に描いた作品。見る人に疑問を投げかけ、葛藤を生む、自分の人生・生命について深く考えさせられる作品で、大賞にふさわしい。コロナ禍で命の問題に直面したこの時代だからこそ見てほしい。
<ディレクター・藤谷裕介(TSKさんいん中央テレビ 報道部)コメント>
大賞への選出ありがとうございました。また、ALSという重い難病を患い、感染症への感染は死に直結しかねない状況にも関わらず、取材に応じてくださった患者のみなさまやご家族の多大なご協力に感謝の気持ちでいっぱいです。
重度ALS患者は、動けない、話せないため、テレビ報道が題材として避ける恐れがあると思います。それでも患者には健常者と同じように意思がある。それを伝えようとしました。そして、普段でさえ社会からの疎外感を募らせ、それに加えコロナ禍による面会謝絶などでさらに孤独感が増す中、その心情を追いました。
COVID-19の感染拡大により、人類は“死”を身近に触れることになりました。常に“死”を意識せざるを得ない難病ALS患者の思いを通し、“生と死”を考え、100年ぶりのパンデミックを乗り越えるきっかになればとも思っています。
COVID-19はワクチンや治療薬が次々に開発されています。こうした番組が難病治療薬の開発や生活支援の一助になれば幸いです。
番組概要:
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という全身の筋力が急速に衰え、数年で死に至る難病患者の揺れる心情を追った。新型コロナウイルスの拡大により、日本、そして世界中が生と死の問題に直面する中、死を現実のものとして受け止めなければならない患者たちの思いは。
そうした中、ALS患者の嘱託殺人事件が京都で発覚し、ALS患者たちに動揺が走った。TSKさんいん中央テレビは、島根・鳥取の山陰両県の3人の患者を中心に取材、世の中に訴えかけたメッセージとは。
<「第30回FNSドキュメンタリー大賞」受賞作品紹介>
優秀賞:
岩手めんこいテレビ 制作『奇跡と呼ばれなくなる日まで~震災10年 釜石の軌跡~』

特別賞:
OHK岡山放送 制作『忘れてはいけないこと~認知症受刑者が問いかけるもの~』

沖縄テレビ放送 制作『てぃんさぐぬ花 ママたちの沖縄』

『決定!第30回FNSドキュメンタリー大賞』公式HP: https://www.fujitv.co.jp/fnsaward/