渡部秀、自身も衝撃的だった『科捜研の女』の“天才”役。スイーツを食べるシーンは「試練でした(笑)」

公開: 更新: テレ朝POST

2010年、『仮面ライダーオーズ/OOO』(テレビ朝日系)で主人公・火野映司/仮面ライダーオーズ役を演じ、若手俳優として一躍注目を集めた渡部秀さん。

同年、『仮面ライダー×仮面ライダーOOO(オーズ)&W(ダブル) feat.スカルMOVIE大戦CORE』(田﨑竜太監督)で映画初主演。2012年には殺陣(たて)にも挑戦した『里見八犬伝』で舞台初出演。ドラマ、映画、舞台に次々と出演することに。

 

◆「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」は“就活”だった?

2012年には、『仮面ライダーオーズ/OOO』で共演した三浦涼介さんと映画『PIECE-記憶の欠片-』(下山天監督)で再共演。この映画は、人間が石化して死亡するという謎の事件が連続し、トラウマを抱えた元エリート記者(渡部秀)と五つの人格を持つカメラマン(三浦涼介)が怪事件の謎に迫っていくという展開。

-オーズとは全然違うシチュエーションで三浦さんと共演されていかがでした?-

「新鮮でしたね。オーズが終わった直後だったので、『お互い役が抜けきらない状態で大丈夫かな?』って思っていたんですけど、リョン(三浦涼介)くんのプロとしての佇(たたず)まいに引っ張られて何とかなったという感じです」

2016年にはオムニバス映画『シュウカツ』(千葉誠治監督)の第4話「控え室」に主演。

これは、就職活動を題材に、密室状態の会議室で究極の面接試験に挑む学生たちの運命をオムニバス形式で描いたもの。同じ監督でシリーズ化され、渡部さんは2018年に公開された『シュウカツ2』の「報復面接」に主演。同年公開された『シュウカツ3』では、「面接後」に主演した。

-『シュウカツ』シリーズの3本は、結構怖い話でしたね。1作目と2作目は就活の学生、3作目では面接をする側の役でした-

「そうですね。両方やらせてもらいました。それぞれ撮影期間が1日とか2日だったので大変でした。もうちょっと欲しかったです。セリフが大変すぎて、ちょっとトラウマレベルの作品でしたね。本当にしんどかったです」

-実際には、就職活動の経験はないでしょうけど、映画の中で体験してみていかがでした?-

「実際の就活は、経験していないので未知数だったんですけど、就活練習みたいなものは高校のときにあったので、その記憶を呼び覚ましながらやりました。あと、僕にとっては『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』が就活みたいな感じで、面接をされる側の経験はあったので、それも活かせました」

-面接をする側はどのようにして?-

「それは初めてだったので、それまでに出会ったイヤな大人を思い出して参考にしたりしてやりました(笑)」

-地元のお友だちの就活を聞いたりはされたのですか-

「そこまではしませんでしたけど、サラリーマンをしていたり、普通にもう家庭を築いていたりするのですごいなあって思います。

会社だとノルマがあったり、一つのプロジェクトを完成させるために何年もかけたりするわけじゃないですか。偉大だなあって思います。僕は飽きっぽいから無理だと思うので」

 

◆歴史あるドラマの出演は緊張もしたけれど、いい経験になった

渡部さんは、2017年から2022年4月まで『科捜研の女』(テレビ朝日系)に物理オタクの天才・橋口呂太(ロタ)役で出演。毎回登場するスイーツを一番先に頬張る姿も印象的だった。

-周りの空気を一切読まない呂太くんが最初に登場したときは衝撃的でした-

「そうですよね。僕も最初に台本を読んだときに衝撃的だったので、それ以上に多分視聴者の皆さんのほうが衝撃的だったと思います(笑)」

-ものすごく個性的なキャラでしたね-

「本当に変わっていましたよね。天才肌で空気もまったく読めないし、かなり変わっていて…天才小学生みたいな感じなので」

-天才らしい納得のキャラでしたが、ご自身と共通するところはありますか?-

「まったくないですね(笑)。僕は天才でもなければ甘いものも苦手なので、毎回スイーツの差し入れを食べるシーンがあるのは、地獄でした(笑)」

-ういろう(外郎)にそのまま齧(かじ)りつくというシーンもありましたね。普通は切り分けてみんなで食べるのに…呂太くんのキャラがわかりやすいシーンでした-

「そうですよね。普通の人とはちょっと違うということがわかりやすいシーンだったと思います。でも、あのシーンは、バクバク食べるのがつらくて、『とにかくもう早く終わってくれー』って思いながらやっていました(笑)」

-視聴者としては、毎回おいしそうなスイーツが登場するのも楽しみでしたが-

「スイーツが好きな人によく言われました。僕は仕事だと割り切ってやっていましたけど、つらかったです。消え物なのでリハーサルでは食べないんですけど、本番を何回も重ねるのが一番大変でしたね。試練でした(笑)」

-今も甘いものはダメなんですか?-

「ダメではないんです。食べようと思えば食べられるんですけど、自分から欲することはないです。僕は甘いものが原動力にはならないので。どちらかというと、コーヒーとかお酒とか…あとはご飯ですよね。そっちのほうが、口に入れるものとしては原動力になります」

-『科捜研の女』の撮影は、週にどのくらい京都に行かれていたのですか-

「週に半分以上京都にいました。ただ、撮影期間が1クール(3カ月)のときと2クール(6カ月)のときと4クール(1年間)のときと、いろいろあったので、その年(シーズン)によって、どれぐらい京都にいるのかというのが全然違いました。6年間くらい行っていたんですけど、平均で慣らすと週の半分以上、京都だったという感じです」

-撮影の合間はどんなふうに過ごされていたのですか?-

「いろいろほかの仕事が入っていた時期もあったので、撮影の合間も、ちょこちょこ東京に戻ってきて撮影したりしていました。なので、京都にゆっくりいるということは、実際あまりなくて、本当に日帰りで帰って仕事して、すぐにまた京都に戻って…ということも結構多かったです」

-新幹線での移動中はどのように?-

「僕は新幹線ではあまり寝ないんです。新幹線が一番集中できる時間なので、映画を観たり、台本を読んだり…仕事のことをやりがちですね。

あの2時間半くらいというのは、ちょうどいいんですよ。頻度も多かったので、やらなきゃいけないことを結構そこにためてやったりしていました。

家にいるといろいろやらなきゃいけないことがあって、注意力が散漫になっちゃうこととかもあったんですけど、そこはいい時間だったなあって思います。ほかに気を取られることがないので」

-『科捜研の女』で印象に残っていること、一番思い出されることは何ですか?-

「やっぱり入った初年度ですね。初年度は、良くも悪くも、つらいこととまではいかないですけど、『やっぱり慣れるまでに時間がかかるのかな?』とか、『呂太のキャラはどうしようか?』とか、いろんなことを考えていたので」

-すでに続いてきているシリーズに新たに入るわけですしね-

「そうなんです。しかも、沢口靖子さんと内藤剛志さんを筆頭に、キャストが変わらずに続いているドラマなので、その出来上がり方がすごいですからね。細かいキャスト変更はあるんですけど、そこに入っていくということは、なかなかないことなので。

水戸黄門』(TBS系)とか『相棒』(テレビ朝日系)のレベルじゃないですか。朝ドラと仮面ライダーとはまた違う歴史のある作品だったので緊張しましたけど、とてもいい経験でした」

 

◆仮面ライダーの1年間が想像力を育ててくれた

2017年、渡部さんは、1970年代に放送され人気を博した特撮ドラマ『シルバー仮面』(TBS系)と『スーパーロボット レッドバロン』(日本テレビ系)をリブートした映画『BRAVE STORM ブレイブストーム』(岡部淳也監督)に大東駿介さんとW主演。レッドバロンで戦う紅健(くれないけん)を演じた。

-紅健は、ボクサーという設定ですが、ボクシングの練習もかなりされたのですか?-

「はい。ボクシングの練習はもちろんですが、アクションシーンもボクシングスタイルで戦うことが多かったので形を一番に意識してやりました。ポージングが決まっていないと見栄えがよくないので、形も集中的に練習して。あとは動きのキレの良さですね」

-撮影しているときには、どういう映像になるのかわからないシーンもたくさんあったのでは?-

「そうですね。グリーンバックが多かったので、撮影時はわからないシーンがいっぱいありました」

-やりづらいことはなかったですか?-

「そこはやっぱり仮面ライダーをやっていたので、慣れがいい感じに出てくれました。ライダーの1年間で想像力というのがだいぶ培(つちか)われていたと思うので、何もないんですけど、そこに実際に何かがいるかのように勝手に見えていたと思うんですよ。すごいカッコいい言い方をすると(笑)。

でも、本当にそれぐらい1年間で、何かそこにいるという感覚というか、想像力は身に付いていたので、あまり難しくはなかったですね、『BRAVE STORM ブレイブストーム』に関しては。

そういう意味では、仮面ライダーはとてもいい経験でした。これからますますCGなどの技術を駆使した作品が多く作られていくと思うので」

戦う役も良く似合う渡部さんだが、『おみおくり』(伊藤秀裕監督)では、心にトラウマを抱えた青年という難役、『クロガラス3』(小南敏也監督)では裏社会に生きる男を演じた。

2023年1月13日(金)に公開される映画『ひみつのなっちゃん。』(田中和次朗監督)では、女装メイクとドレスでドラァグクイーン役に初挑戦。次回後編では、その撮影エピソードも紹介。(津島令子)

ヘアメイク:安海督曜
スタイリスト:君嶋麻耶

© 2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会

※映画『ひみつのなっちゃん。』
2023年1月13日(金)新宿ピカデリーほか、正月第2弾ロードショー
2023年1月6日(金)愛知・岐阜先行ロードショー
配給:ラビットハウス 丸壱動画
脚本・監督:田中和次朗
出演:滝藤賢一 渡部秀 前野朋哉 カンニング竹山 生稲晃子 菅原大吉 本田博太郎 松原智恵子

ある夏の日、元ドラァグクイーンのなっちゃんが急死する。バージン(滝藤賢一)、モリリン(渡部秀)、ズブ子(前野朋哉)、3人のドラァグクイーンは、なっちゃんが自身のセクシャリティーを家族に隠していたことを知り、遺族に知られないように私物を隠しに向かうが、なっちゃんの母親(松原智恵子)と鉢合わせしてしまい…。

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