水谷豊が“ひっくり返って笑った”『相棒』最終回の提案。「ロンドンのテムズ川のほとりに…」

公開: 更新: テレ朝POST

2000年にスペシャルドラマとして誕生して以来、国民的ドラマとして定着した『相棒』。11月9日(水)には、最新作相棒season21の第5話が放送される。

テレビ朝日では新シーズンのスタートを記念し、「相棒インタビュー企画」を実施。各界の“相棒ファン”の著名人に、同作への熱い思いを語ってもらった。

今回は、テレビ朝日キャスターの渡辺宜嗣へインタビュー。

出演する『スーパーJチャンネル』がはじまる前に『相棒』の再放送をよく見ていたという渡辺に、同作との出会いや印象に残ったエピソード、今後の作品へ期待することを聞いている。

◆『相棒』の2人はサラリーマンの憧れ

渡辺:「僕が『相棒』に魅せられたきっかけは、『season1』がはじまった20年くらい前。その頃僕はニュースを追いかけて、日本中・世界中を飛び回っていました。

そんなときに『相棒』がものすごくおもしろいドラマだという話を聞いて、『season1』からDVDを借りて妻と2人で観はじめました。本当におもしろくてどんどん引き込まれていったのを今でも覚えていますね。

ニュースの世界に『事件は現代を映し出す鏡だ』という言葉があるんです。

『相棒』を見ていると、現代社会で起きているさまざまなテーマが描かれています。もちろんドラマですからフィクションなのですが、そのリアリズムは本当に素晴らしい。どんどん引き込まれていって、今に至るという感じですね」

『相棒』にハマったきっかけをそう振り返った渡辺。実際に事件報道に携わるニュースキャスターの立場で観ると、『相棒』で描かれる事件にはリアリティがあるという。

さらに、同作に引き込まれた大きな要因は、サラリーマンだからこそ感じる“憧れ”だという。

渡辺:「『相棒』の2人は警察という巨大組織の中の一員で、どちらかというと中間管理職と平社員みたいな存在です。ところが、その2人が上司に向かってバンバンものを言う。鋭いことをツッコむ。間違っていることは間違っていると言い切る。この正義感は、やっぱり組織の中で働くサラリーマンにとって憧れですよね。

サラリーマンって上司にぶつかっていくと大概跳ね返されるんです。でも、『相棒』の2人は跳ね返されても跳ね返されても、向かっていって筋を通す。

僕はニュース番組をやっているなかで、フェアでありたいといつも思っていました。

何を見てもフェアでありたい。良いことは良い、悪いことは悪いという姿勢でニュースを伝える立場でありたいと思っていたので、『相棒』の2人の生き方はとても参考になりました」

◆『相棒』がいつまでも新鮮である理由

最新作『相棒season21』では、初代相棒・亀山薫が5代目相棒として再登場。

渡辺は「『相棒』が国民的ドラマと言われるまでになった基礎を作った2人ですから、『相棒』ファンとしてこんな嬉しいことはない」と期待を寄せる。

では、初代相棒・亀山薫の魅力は、どんなところにあるのか?

渡辺:「まっすぐな人ですね。ちょっとおっちょこちょいなところもあるし、抜けている部分もあるけど、正義感が強くて筋を通す。男としてあの生き方はとても魅力的だし、憧れ。やっぱりそういうところに惹かれますよね。

あのまま突っ込んでいたら何をしでかすかわからないような危うさもあるけど、沈着冷静な右京さんがいてくれるから、どこかで引き戻してくれたり、一緒に乗っかって前へ進んだり、バランスが取れている。本当におもしろいコンビですね」

そんな薫とコンビを組む杉下右京、演じる水谷豊については、次のように語る。

渡辺:「杉下右京の魅力イコール水谷豊さんの魅力だと思います。インタビューをさせていただくとき、水谷さんがあの服装で杉下右京を語っているんですけど、杉下右京が水谷豊を語っているんじゃないかなと思うぐらい、本当に一体化していますね。

僕が水谷さんにインタビューをさせていただくなかでよく聞いた話は、『あまり過去を振り返らない』ということ。

過去を振り返るんじゃなくて、今をどうやって楽しくするか。おもしろい何かを発見するか、そのことに時間を費やす方が楽しいと言っていました。

水谷さんがひとりでそれをしているわけではなくて、監督や脚本家、スタッフ含めたチーム全体が『何か新しくておもしろいものを見つけていこう』という姿勢でずっといるから、『相棒』というドラマは色あせないでいつも新しいのかもしれませんね」

◆オススメは右京を薫がおんぶするシーン

そんな渡辺がオススメエピソードとして挙げるのが、亀山薫の最後の事件を描いた『レベル4~後篇・薫最後の事件』(『season7』第9話)だ。

渡辺:「やっぱり亀山薫の最終回。薫が警視庁を辞めていなくなるんですけど、最後に右京さんから電話があって、『ひとつ忘れていました。気をつけて行ってきてください。以上です』と言って終わるんですよね。

それだけの短い会話なんですけど、2人が培ってきた信頼感や関係性がすべて凝縮されているように感じました。

電話を切った薫がちょっと嬉しそうな顔をしながら歩いていく。歩いていく姿が後ろ姿になる。右京さんは電話を切った後、こちらに向かって歩き出してくる。別々の人生を歩きはじめる2人を象徴するようなシーンでした」

©テレビ朝日・東映

渡辺:「あと、もう一度見てみたいと思うシーンは、『最後の灯り』(『season1』第10話)の中で、海辺で怪我をした右京さんを薫がおんぶするシーン。右京さんが薫におんぶされるなんて今までは絶対にあり得なかったし、その後もなかった話だと思います。

あのシーンで男同士の信頼感というか、すべてを預けてすべてを背負う、男同士の友情のようなものを感じました。年齢は違うけれど、芽生えている関係性を表す象徴的なシーンだったような気がします」

最後に、今後の『相棒』について期待することを聞くと、渡辺は同作の最終回の構想について語った。

渡辺:「水谷さんに『相棒』の最終回の話を直接話したことがあるんです。たぶんあと10年ぐらい先、“season30”くらいの話だと思うのですが、最終回の舞台はロンドンのテムズ川のほとりにしてくださいという話をしました。

季節は晩秋ぐらい、川沿いのベンチに杉下右京が腰掛けて、物思いにふけっているわけですよ。人生を振り返っているのか、自分がしてきた道を振り返ってるのか。

そこへひとりの英国紳士が通りかかるんです。その人物はなんと『007』のジェームズ・ボンド。ボンドは“Mr.Ukyo? ”と声をかける。右京さんは“ミスターボンド!”と返す。ボンドは“YES. My name is Bond.”と答える。

意気投合した2人はその夜、世界展開した『こてまりロンドン店』へ行って、日本酒を酌み交わしながらお互いの人生を振り返る。

水谷さんに『このラストシーンでいきましょうよ』と言ったら、ひっくり返って笑っていました。ぜひエンディングは私の意見を取り入れて、こういうシーンで締めくくっていただきたい。これは私の切なる願いですね」

※番組情報:『相棒season21』第5話
2022年11月9日(水)午後9:00~午後9:54、テレビ朝日系24局

※動画配信プラットフォーム「TELASA(テラサ)では、最新の「相棒season21」はもちろん、過去の全シーズン&スペシャルドラマに加え、劇場版、配信オリジナルも配信中

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