熊切あさ美、「いつかは女優に」と頑張った崖っぷち時代。バッシング受けた騒動を思い出し涙「苦しさを体が覚えているみたい」

公開: 更新: テレ朝POST

2002年、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で“崖っぷちアイドル”として注目を集めた熊切あさ美さん。

バラエティ番組に多数出演し、写真集やイメージビデオも発売。トーク力をつけるためにと仙台のキャバクラで1カ月間働いた経験もあり、プロ雀士の資格やランニングアドバイザーの資格、ダイバーの資格も取得。バンジージャンプやクワガタムシに鼻を挟まれたり、滝に飛び込んだり…体を張ったチャレンジが話題に。

 

◆女優を目指したのに“崖っぷちアイドル”のイメージが強すぎて

ドラマの世界に憧れて芸能界での仕事を目指した熊切さんは、“崖っぷちアイドル”として一生懸命頑張っていたら、いつかは映画やドラマに出られると思い、気持ちを奮い立たせて体当たりで臨んでいたという。

「“崖っぷちアイドル”でやっている以上、仕事は断っちゃいけないんだという思いがありました。今思えば大変なこともいっぱいあったけど、やって良かったと思っています」

-もともとは女優さん志望で芸能界を目指したそうですね-

「はい。崖っぷちで一生懸命やっていれば、いつかは念願だった女優さんの仕事もいただけると思っていたんですけど、マネジャーさんが売り込みに行っても、なかなか形にならず、ショックを受けたこともありました」

-辞めたいと思ったことは?-

「あります。仙台に行く前も、『このまま崖っぷちアイドルを続けていいのかなあ』って悩んでいたんですけど、相談するような友だちがいなくて。一緒にテレビのレギュラーをさせていただいていた(島田)紳助さんに、『私はどうしたらいいですか?』って電話していました。

そうしたら紳助さんが『とりあえず、1年頑張ってみろ。大阪の番組でいろいろ試してみて、それでダメだったら辞めればいい』って言ってくださって、紳助さんの番組に呼んでいただいたり…とてもありがたかったです。

そこからやしきたかじんさんや上沼恵美子さんの番組にも呼んでいただけるようになりました。すごく優しくて、何度も番組に呼んでくださるうちに、楽屋にごあいさつに行くのが毎回楽しみでした」

 

◆恋愛騒動に「当時の苦しさを体が覚えていて…」

2014年、熊切さんは映画『歌舞伎町はいすくーる』(軽部進一監督)に出演。

これは、金儲(もう)けに飽きた不動産会社社長が歌舞伎町にある定時制高校に通うことにするが、校長は副業で街金(消費者金融)を営んでいて、生徒も変わり者ばかり。さまざまな騒動が巻き起こる様を描いたもの。

熊切さんは、高校の教師でありながらバーレスクのダンサーでもある鵙古美優瑠役。スタイルの良さが際立っていた。

「あの役は、お話をいただいたとき、コメディー系なのですごい楽しそうだなと思いました。出演シーンもいっぱいありますし、『やりたいです。やらせてください』って言いました」

-出来上がった作品をご覧になっていかがでした?-

「話の内容はコメディー系でとても楽しい作品になりました。もともと『3年B組金八先生』(TBS系)に憧れて女優さんになりたいと思ったので、ああいう学園系は好きなんです」

-先生でバーレスクのダンサーという、すごい設定でしたね-

「そうですね。気づいたときには、もう生徒じゃなくて先生役の年齢になっちゃっていたんですけど、うれしかったです。その前にもドラマや映画に出させていただいたことはありましたけど、出演シーンがいっぱいあって撮影が楽しかったです」

そして2015年、熊切さんは恋愛スキャンダルを報じられる。

「そのときは前の事務所だったんですけど、社長に『まだ彼のことを好きなのか、仕事を頑張りたいのか、どっちを選ぶんだ?』って聞かれたとき、仕事を辞めようかと思ったんです。こんな恥ずかしいことがあって、もう無理かなと思って。

でも、辞めたら終わるなあって思ったんですね。『ちょっとおかしい女』で終わることになってしまう。それがイヤだなあって」

恋愛騒動は連日ワイドショーやスポーツ誌で報じられ、熊切さんはネット上で激しいバッシングにさらされた。

今では仕事も充実し、何の感情もないというが、苦しさはトラウマになっているようで当時の話になると大きな瞳から突然涙があふれ出してしまった。

「何とも思ってないですし、未練も何もないんですけど、この話をするといつも涙が出ちゃうんです。当時の苦しさを体が覚えているみたいで」

-騒動の間はどのようにされていたのですか-

「SNSとかテレビは一切見ないようにしていました。しばらくして少し落ち着いてからネットを見てみたら、コメント欄にあまりにひどいことが書かれていてショックでした。

でも、そんななかにめちゃめちゃいいことを書いてくれた人がいたので、うれしくて『いいね』を押していたんですけど、その書き込みをしてくれたのは、実は親友だったんですよね。

このままじゃ終われないと思いました。でも、ある意味ああいうことがなかったら、今回の映画の役もなかったかもしれないですし、今思うと人生にムダなことはないかなって。それで私のことを知ってもらって仕事につながったなら、それはそれでいいのかなと思っています」

2016年には、映画『再会 禁じられた大人の恋』(成田裕介監督)に主演。医師である夫(本宮泰風)と平穏な結婚生活を送っていた主婦・由美子(熊切あさ美)の隣の家にかつての恋人が若い妻と引っ越してくる。久しぶりに再会した2人の恋が再び燃え上がり…という展開。優しい夫とかつての恋人の間で複雑に揺れ動く人妻を演じた。

「主演ということでうれしい反面プレッシャーもありました。難しかったです。プライベートがちょうど大変なときで、本宮さんが『このままだと壊れてしまうよ』って心配してくれて、優しい方だなと思いました。皆さんに本当によくしていただいて感謝しています」

 

◆女詐欺師役で“悪い女”にチャレンジ

2019年、熊切さんは、映画『悪い女はよく稼ぐ』(原隆仁監督)に出演。これは主演の長谷直美さんをはじめ、往年の人気ドラマ『太陽にほえろ!』(日本テレビ系)のスタッフ&キャストが多数集結し、女詐欺師コンビが男たち相手に繰り広げる騙(だま)し合いを描いたもの。熊切さんは長谷さん演じる主人公・水嶋忍とコンビを組む詐欺師・美和役を演じた。

-痛快でおもしろい作品でした-

「ありがとうございます。あれも大好きな作品です。長谷直美さんが直接声をかけてくださって、詐欺師のコンビ役で楽しかったです。タイトルも好きなんです」

-最初は同じ開業医を騙そうとするライバル同士ですが、コンビを組むことに。熊切さんはなかなかセクシーな役でしたね-

「はい。セクシーな役なんですけど、騙す相手役がルー大柴さんでおもしろかったです。歯医者さんなんですけど」

-同じ2019年に公開された映画『笑顔の向こうに』では、熊切さんも歯医者さんの役でしたね-

「歯医者さんやりました。一瞬でしたけど。あれは大平サブローさんと番組をさせていただいていたので、そのつながりで声をかけてくださったんだと思います」

-白衣も良く似合っていましたね。それが『悪い女はよく稼ぐ』では歯医者さんを騙すという設定で-

「そうです。おもしろいですよね。ぜひやりたいって思いました。監督もめちゃめちゃいい方だったんですよ。撮影現場も本当に楽しかったですし、大好きな作品です」

-長谷直美さんがレギュラーだったドラマ『太陽にほえろ!』のスタッフとキャストが集結した映画でしたね-

「はい。私は、『太陽にほえろ!』の放送当時は知らなかったですけど、後から見てすごく豪華だなあって思いました。監督も脚本家の方も『太陽にほえろ!』をやっていた方ですし、竜雷太さんや西山浩司さん、青木英美さんも出演されていて」

-撮影はスムーズに進んだのですか-

「はい。すごくスムーズにいきました。長谷さんもすごく優しい方で、今でも飲んだりします。頼れるお姉さんという感じです」

2019年は、映画『影に抱かれて眠れ』(和泉聖治監督)にも出演。2020年には、16年ぶりとなる写真集『Bare Self』(双葉社)が発売され、“美魔女”として話題に。

次回後編ではその撮影エピソード、2022年11月18日(金)より公開される映画『愚か者のブルース』(横山雄二監督)の撮影裏話も紹介。(津島令子)

© 2022 by Yokonandes Film

※映画『愚か者のブルース』
2022年11月18日(金)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
配給:アークエンタテインメント
監督:横山雄二
出演:加藤雅也 熊切あさ美 横山雄二 佐々木心音 小原春香 筒井真理子

広島発、実際のストリップ劇場第一劇場を舞台にした3部作の第二弾。30年前、伝説の映画を監督したが、今や過去の人となっている男・大根(加藤雅也)。大根はピンサロ嬢として働くタマコ(熊切あさ美)のヒモとなり空虚な生活を送っている。ある日、タマコの昔の男が現われ、大根とタマコは大根の大学時代の後輩が館長を務める広島のストリップ劇場に逃げ込むことに…。

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