頑固者の父娘と数年ぶりに再会。「許せない気持ちはあるけど、これでいいんだ」に救われる『となりの妖怪さん』第6話

公開: 更新: ABCマガジン

家族との確執に悩む人や、わだかまりがあって何年も故郷に帰っていない人にとって、アニメ『となりの妖怪さん』はきっと胸に刺さるだろう。第6話では、化け狐の立花百合(CV:大地葉)が、疎遠だった父親と故郷で数年ぶりに言葉を交わした。丁寧に描かれた百合の心境の変化にグッとくる……!

©️noho・イースト・プレス/「となりの妖怪さん」製作委員会

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アニメ『となりの妖怪さん』の原作は、イラストレーター兼マンガ家・nohoの同名コミック。マンガ配信サイト「マトグロッソ」で掲載され、現在はその外伝が掲載中だ。小さな田舎町・縁ヶ森町で共存する、妖怪と人と神様たちの日常が描かれる。5月11日深夜に放送された第6話は、縁ヶ森町民の1人・百合が“過去の呪縛”を解き放つストーリーだった。

©️noho・イースト・プレス/「となりの妖怪さん」製作委員会

普段は人間の姿で生活している百合は、東北・遠野で代々続く立花家の長女。立花家は、武芸の伝統を守ってきた由緒正しい化け狐の一族だ。百合いわく、一族は「家の伝統を守るっていう名目で、古い考えを押し付けて、(こちらが)意見しようとすれば蔑ろにする」という。特に彼女の父親は、厳しくて非常に頑固だ。そんな一族の重圧に耐えられなくなったため、百合は実家を飛び出して縁ヶ森町で生活していた。

©️noho・イースト・プレス/「となりの妖怪さん」製作委員会

「家族のことを忘れて生きていく」つもりだった百合だが、ある出来事がきっかけで実家の問題と向き合うことに。弟の椿(CV:石井瑞樹)の説得もあって、百合は「二度と戻らない」と決めていた実家に帰省し、さらには、憎んでいた父親(CV:山本兼平)と数年ぶりに会話することになった。

©️noho・イースト・プレス/「となりの妖怪さん」製作委員会

父親は、久しぶりに会った百合に笑顔を見せず、相変わらず頑固だ。我が子たちへの過去の接し方に対して、「後悔はない。私の思う『伝統と誇り』を伝えた。それが間違っていたと、露ほども思ってはいない」と、彼は言い切った。しかし、そんな父親にも少しだけ変化があった。「ただ、お前たちが考えて決めたことに、口出しは一切しないことにした」と百合に明かしたのだ。

©️noho・イースト・プレス/「となりの妖怪さん」製作委員会

我が子の意見を尊重するようになった父親と、彼に歩み寄ろうと帰省した百合。少しだけ成長した親子は、どちらも根が頑固な似た者同士のため、この再会で完全に和解できたわけではない。それでも、百合の表情は今までにないほど晴れ晴れしていた。「やっぱり許せない気持ちはあるけど、これでいいんだって思えている」「どんなものでも変わっていくんだな」などと語る、彼女の口調は明るかった。

©️noho・イースト・プレス/「となりの妖怪さん」製作委員会

登場人物たちの日常だけでなく、心の変化も丁寧に描くアニメ『となりの妖怪さん』は、毎週土曜深夜2時よりANiMAZiNG!!!枠で放送中。動画配信サービスTVerでは、毎週水曜12時より同アニメの見逃し配信を実施中だ。