ドラマ「●●ちゃん」第一章完結 「セックスをしている自分が好き」爽快に描く史恵の“再生”

公開: 更新: ABCマガジン

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●●ちゃん』は、アラサー女性の性の悩みと本音を赤裸々に描いた新感覚のドラマシリーズ。タイトルの『●●』に入るテーマのヒロイン別に、オムニバス形式で物語が構成される。第一章は増田有華が主人公を演じる“セックス”ちゃん、第二章は秋山ゆずきによる“高学歴”ちゃん、第三章は大久保桜子による“不倫”ちゃんとなっている。

9月17日に放送された第4話では、ついに第一章のセックスちゃんが完結編を迎えた。セックスが大好きで、セックスによって他者を理解しようとする史恵(増田)は、セックスが大嫌いな高橋(東啓介)と婚約し、普通の幸せをつかんだはずだった。が、セックスができないことにストレスを感じた史恵は、以前のトラウマと同様、声を出せなくなってしまう。

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声を出すには、どうしてもセックスをする必要があると考えた史恵は、高橋との行為に賭けてみることに。つながりたいことを訴える史恵だったが、「もういいんだって、そういうの!いつまでたってもセックスって気持ち悪い!」と高橋にこれ以上ない剣幕で怒鳴られる。さらに「しばらく別々で寝よう」とにべもない態度で、高橋は史恵を拒絶するのだ。

憧れていた“普通”と引き換えに手に入れた生活の不自由さに、茫然自失の史恵。そんな史恵を心配することもなく、高橋は自分の実家に挨拶に行くために史恵が用意した手土産にまでケチをつける始末。自分のことしか見えていない高橋を見ると、たとえセックスできたとしても、まったく幸せを感じられないのでは…もはや、この高橋という男の器が狭すぎて普通ではないのでは…と視聴者も史恵のどん底っぷりに同情したのではないだろうか。

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重苦しい4話前半のムードを断ち切ったのは、後半のある事件。高橋の実家の挨拶で、義父の光成(佐戸井けん太)とふたりで話しているうちに、史恵は初めてセックスをしたときの柑橘系の懐かしいにおいを思い出す。そこで、史恵は自分の心の内=本当に求めているものに気づくのだ。我を忘れたように高ぶった史恵は、義父に「私とセックスしませんか?」と大胆にも迫る。その現場を高橋に見られ、激怒する彼に向かって史恵は「私はセックスをしているときの自分が一番好きなの!恥ずかしいなんてまったく思わない!」と嬉々として訴え、さようならを告げたのだ。

自分の本当の気持ちに気づくために、「普通の結婚」を巡回した史恵。高橋との偽物の婚約生活、そして声が出なくなってしまったこと…悲劇のように思えたそれらはすべて無駄ではない、自己を知るための経験だった。史恵はただただ普通を“諦める”のではなく、普通を捨てて自らの幸せを“選び取る”という最高の選択ができたのだ。

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「普通の幸せはもういらない。でもきっと大丈夫。私には好きなことがある」と晴れやかな表情で前を向く史恵を、誰が否定できようか。普通でなくていい、自分の幸せを大事に生きていくことこそが誰もが持つ権利であり、このドラマ第一章がきちんと肯定の形で伝えてくれた。次週の第二章からは、秋山による“高学歴”ちゃんがスタート。どんな共感と学びがあるのか、期待して待ちたい。

ドラマ『●●ちゃん』は、ABCテレビで毎週日曜深夜0時55分から放送中。DMM TVにて同時独占配信。TVerにて見逃し配信あり。

(文・赤山恭子)

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