吉田羊と國村隼が親子役でW主演を務めるドラマ24『生きるとか死ぬとか父親とか』(テレビ東京系、毎週金曜24:12~)の第10話が、6月11日に放送。インターネット上では、苦渋の決断をしたことについてのコメントが多く集まった(以下、ネタバレが含まれます)。
ラジオパーソナリティ・コラムニスト・作詞家と多彩な顔を持ち、女性からの圧倒的な支持を集めるジェーン・スーが自身の家族の出来事と思い出を描いた同名のエッセイが原作。主人公・蒲原トキコ(吉田)とその父親・哲也(國村)が織りなす、おもしろ可笑しくて、ときどき切ない家族のドラマが描かれる。

20代のトキコ(松岡茉優)は、母親の介護のため、会社を休職し、病院で寝泊まりすることが増えていった。
そんなある日、父が入院する病院から連絡が。薬の副作用なのか、父が屋上から飛び降りようとしていたらしい。医師からは、誰かが父のそばにいてあげてほしいと告げられる。どちらの手をとればいいのか……。ひとりっ子のトキコは、別々の病院にいる両親を看病することはできないと悩む。
そこである決断をするトキコ。父の携帯電話から“あの人”小滝さち子(内田慈)へ連絡をしたのだ。苦渋の決断であったが、下唇を噛みながら事情を話すと快諾してくれた。
病院でさち子とすれ違った際、彼女から「私を頼ってくれてありがとう。疲れたでしょ。あとはゆっくり休んでね」と声をかけられた。トキコは“『これで娘に認められた』。あの人はそう思ったのだ。違う。認めたわけじゃない。ほかに頼れる人がいなかっただけなのに……。悔しさと虚しさで胸をかきむしりたくなった”と振り返る。それからも、さち子は長きにわたって、陰に日向に父を支えた。
母は62歳でこの世を去った。母が亡くなってから父は夜に米を研ぐようになり、翌朝、母の仏壇にごはんをお供えするのがルーティーンに。死んだ母を甲斐甲斐しく世話する父を見て、トキコは“生きているうちに大切にすればよかったのに”と思うが、自分自身にも返ってくる言葉だと気づく。

母の不在を埋めるため、次第に父と娘の間で母が神格化していく。そうして、母を信仰の対象にしていくことは、父とトキコが、かろうじて関係を保つための知恵のようなものだった。
ネット上では「演技とは思えない現実味でもらい泣きするしかなかった」「毎回、色々考える。毎回、深く私の心に課題を落とす」「ここに来て佳境、とてもヘビーな内容だった」「両親それぞれの介護によって追い詰められたトキコの判断は……見ていて胸をぎゅうと締め付けられた」との声があった。
次回は6月18日に放送。トキコは母のある「秘密」を見つける。