『モコミ』で話題の小芝風花、俳優としての“現在地”を語る「プレッシャーと楽しさがぐるぐる回っている感じ」【連載PERSON vol.20】

人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」vol.20は、土曜ナイトドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系、毎週土曜23:00~)に主人公・清水萌子美(モコミ)役で出演中の小芝風花さんが登場します。

『イオン×オスカープロモーション ガールズオーディション2011』グランプリをきっかけに芸能界デビューした小芝さん。近年では、『トクサツガガガ』(NHK)、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)の主演作が、日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀な番組・個人などに贈られる「ギャラクシー賞(月間賞)」を2作連続で受賞。名実ともに若手女優の実力派として名を連ねています。

小芝さんが演じるモコミは、ぬいぐるみや石・植物といった感情を持たないモノの“気持ち”が分かる不思議な女の子。口数が少なく、これまで演じたことがない役どころのため「“表情”を大切にしています」と語るように、本作では繊細な演技で視聴者の皆さんを魅了しています。

そんな小芝さんに、“女優・小芝風花”がどのように形成されているのか? テレビやエンターテインメントの話から、俳優人生まで話を伺いました。

中村倫也とのコンビが話題となった『美食探偵 明智五郎』撮影時のエピソードも
中村倫也とのコンビが話題となった『美食探偵 明智五郎』撮影時のエピソードも

――幼い頃によく見ていたテレビ番組はございますか?

小さい頃は、アニマルプラネットやアニマックスをよく見ていました。アニマルプラネットは、映像が鮮やかで綺麗だったっていうのがすごく印象に残っています。もともと虫は苦手なんですけど、動物は好きだったので、その生態を見るのが楽しかったです。

アニマックスでは、『美少女戦士セーラームーン』『犬夜叉』『ドラゴンボール』など、時代関係なくアニメが放映されていたので、色々と見ていましたね。

――ご覧になっているアニメは、小芝さんからすると少し上の世代で放送されたものばかりですね。

そうですね。それと、小学3年生の頃にフィギュアスケートを始めていたこともあって、なかなかテレビを見る時間がなかったので「『月9』めっちゃよくない?」って聞かれても「『月9』って何!?」みたいな(笑)。それくらい疎かったです。

――では、この世界に入って影響を受けたエンタメ界の方はいらっしゃいますか?

満島ひかりさん、安藤サクラさん、寺島しのぶさん、蒼井優さんが大好きなんですけど、泣く演技で涙を流していると、本当にこっちまで苦しくなって泣いちゃうくらい心が揺さぶられるんです。とても美しい役から人として醜い役まで、本当に“その人にしか見えない”っていうお芝居を見たときに、“私も、感情移入してもらえるような、見終わった後も胸に残るようなお芝居ができるようになりたい”ってすごく思いました。

――出演作品がギャラクシー賞(月間賞)を受賞。軒並み主演作の評価が高まっています。女優としてステップアップしている感覚はあるのでしょうか?

まだまだ力が足りないと思います。ただ、『美食探偵 明智五郎』の撮影中に、コロナで撮影がストップしてしまい、新しい話を撮影するのが難しい時期だったんですけど、早撮りしていたこともあって、スムーズに放送されました。その時に、視聴者の方々から「嬉しい!」「楽しませてもらっています」っていう声をいただいたり、私が演じた苺は元気のある役だったので「苺ちゃん見ると元気になります!」っていうコメントをいただいたりすると、やっぱりこの仕事ってすごいし、大事だなって思いました。一緒にドラマを楽しんで、感情移入して泣いてくださるっていうのは、すごく嬉しい分、もっと頑張らなきゃなって思います。

――俳優をするにあたって大切にしている信念や、心に残っている言葉を教えてください。

自分のお芝居を改めて見たとき、いつも反省ばかりなんですよね。“もうちょっと面白くできたのにな”とか、せっかく相手の俳優さんが素敵なお芝居をしてくださっているのに、“ここはもう少し一間空けた方がよかったな”とか、反省点の方が多くて……。

共演者の方にそのことを相談したら「俳優っていうのは正解がないし、ないからこそ、どんどん進化して成長していける。自分がそこで満足してしまったら、そこから成長することはないからいいことだと思うよ。“自分がめちゃくちゃいいお芝居出来た!”って思えたんなら、そこで辞めてもいいんじゃない?」って言われたんですよ。

皆さん、お仕事をたくさんされて、いろんな作品に携わっていらっしゃるけど、それでも、もがいて試行錯誤しながら取り組まれているって聞いた時に安心したし、この悔しさをバネにして、次の作品に生かせるよう努力すれば、どんどん成長していけるのかなって思いました。

――「試行錯誤」というキーワードが出ましたが、現在、俳優業をするにあたって、楽しさと苦しみどちらがありますか?

両方ですね。基本は台本をもらったらウキウキするし、自分で役のイメージを膨らませたり、実際に現場で監督に見せたり、共演者の方とお芝居をしてみたりすると、全然違う気持ちになることもあって。こういう感じで来ると思ったら、“そういう感じ!?”、じゃあ私はこうしちゃうみたいな(笑)。そういう掛け合いなどの化学反応があると楽しいです。

それと、今日で『モコミ』がクランクインして4日目なんですけど(取材時)、“ちゃんと今回のモコミ役のことを考えられているのかな?”とか“見ている人に面白いって思っていただける作品になるのかな?”と不安な部分も多くて、悩みながらいろんな人と話し合って作っています。その中で、一つの作品が完成していくのも楽しいし、見てくださった人の反応を見るのも楽しみで「面白かった」「楽しかった」ってコメントをもらうと安心するけど、「ただ2話はどうだろう?」と、不安とプレッシャーと楽しさと嬉しさがぐるぐる回っている感じです。基本は楽しく仕事をさせていただいていますけど、怖さもありますね(笑)。

(取材・文:浜瀬将樹)