武田梨奈『ワカコ酒』の良さは「見ている人に寄り添うようなところ」

武田梨奈さんが主演を務める『ワカコ酒』の年末スペシャルドラマ『ワカコ酒スペシャル 飛騨酒蔵めぐり』(BSテレ東、12月29日、30日、23:00~)の放送が決定した。

同作品は、新久千映さんによるコミックを2015年1月に連続テレビドラマ化されて以来、2020年4月にはシーズン5が放送されるなど、長期に渡ってファンから愛されている人気シリーズ。

今回は、岐阜県飛騨地方に多くの日本酒の蔵元があると聞いた主人公のワカコ(武田)が、酒蔵めぐりの旅に出る姿が描かれる。主役としてシリーズを重ねてきた武田さんに“ワカコ酒愛”を大いに語っていただきました。

武田梨奈
武田梨奈

――スペシャルの前編「飛騨牛とろける旅の夜」、後編「奥飛騨温泉ほどける心」というタイトルだけでも、ワクワクします。

ロケで飛騨地方に行かせていただいたのですが、最も一人旅に最適な場所だなと感じました。とにかく人が温かく、撮影の合間に一人で歩いていても、みなさんとても良い距離感で優しく接してくださるんです。最高でした。

――ワカコは訪れた日本酒の蔵元で働くベトナム人女性・グエンと出会い、交流を深めますね。そのつながりもあり、作品がベトナムでも放送されるとお聞きしました。

そうなんです。前作は韓国と中国、台湾でも放送していただきましたが、今回のスペシャルはベトナム。徐々にアジアの輪が広がっていくのは嬉しいです。食というのはやっぱり世界共通なんだなと改めて感じました。

――『ワカコ酒』がスタートするとき、武田さんは「あまりお酒が強くないので……」と話していましたが、シリーズが続くことでお酒は強くなりましたか?

結構お酒を飲むようになりました(笑)。今回の撮影も全部で12の酒蔵に伺ったのですが、いろいろなお酒を試飲させていただきました。撮影では本物のお酒をいただくので、今回は結構な量だったんですが、そんなに酔わなかったんです。スタッフの皆さんが「いつからそんなに 飲めるようになったの?」と驚いていました(笑)。

――お酒が飲めるようになると、食事も楽しくなるのでは?

そうですね。お酒の楽しさはもちろんですが、食に関してもすごく視野が広がりました。いままでも一人で食事に行くことはあったのですが、普通に食事して終わっていたのが、『ワカコ酒』を続けていくうちに、食べたものの食材なども興味が湧いて、物語でワカコがモノローグで話しているようなことも、自然と考えるようになりました。食へのありがたみがどんどん増してきています。

――今回の飛騨地方での撮影もいろいろな発見があったのでは?

いろいろな酒蔵を回らせていただいて感じたのは、同じ土地でお水やお米も基本的に同じなのに、なぜここまでお酒の味が違うのだろうということ。作り手の思いや愛情やアイデアによって、こんなにもお酒の味が変化するんだということに、すごく感動しました。

――『ワカコ酒』がスタートした2015年。瓦割りのCMが話題になるなど、アクションや空手など力強い武田さんのイメージがありました。「『ワカコ酒』では違った武田梨奈を見せたい」と話していたのが印象に残っています。

最初にお話をいただいたとき、そこまでお酒を普段から飲むタイプではなかったので、すごく驚いたのですが、そのぶん特別な思いもありました。自分のなかの代表作だと思っていますし、新たな武田梨奈を作ってくれた作品です。もしほかの人が『ワカコ酒』をやっていたら、きっと嫉妬してしまうと思います(笑)。

――魅力的なお酒や料理がたくさん出てきますが、武田さんのなかで衝撃を受けたものはありますか?

シーズンごとに地方に行かせていただくのですが、自分の知らなかった食べ物の発見が毎回あります。なかでも衝撃的だったのが、広島のウニクレソンです。お酒のおつまみとしては最高でした。あと今回の撮影では漬物ステーキにはやられました(笑)。お漬物を卵に絡めて鉄板で焼くのですが、日本酒の最高のお供だなと感じました。

――長期シリーズとして人気作品であり続けている要因はどこにあると思いますか?

すごく良い意味で、あまり作り込んでいないというか、身近に感じられることが支持されているのかなと。テレビドラマって、どこか自分と違う世界だなと思って見ることも多いと思うのですが、『ワカコ酒』はどこにでもいるような普通の子が、嬉しいことがあった時や会社で失敗してしまったときなど日々の中でお酒を飲みたいな……というような距離の近さがあるのかなと思います。

私も仕事でうまくいかなかったとき、ワカコのセリフで「そっか」と感じることもあります。そんな見ている人に寄り添うようなところも、この作品の良さなのかなと思います。

――今年は里帰りなどをされない人も多いかと思われます。年末の放送を楽しみにしている方にメッセージを。

なかなか外で食事をしたり、お酒を飲みに行ったりするのが難しい状況になってしまっていますが、このドラマを見て、一緒に旅をしたような気持ちになっていただけたら嬉しいです。

(取材・文:磯部正和)

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