望月歩さんが、現在放送中の上野樹里さんが主演を務める月9ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系、毎週月曜21:00~)に、レギュラーキャストとして新加入。12月21日に放送された第8話から、上野さん演じる朝顔らが所属する法医学教室でアルバイトをする、大学医学科3年生・牛島翔真(通称:ウッシー)を演じています。
『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)や『NHK連続テレビ小説 エール』(NHK総合)、大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合)など、人気作への出演が続く望月さん。おだやかな人柄に、取材は終始ほっこりムード。『監察医 朝顔』の撮影秘話や望月さんならではの役作りについて、たっぷりと語っていただきました。
――今回はオーディションで役を勝ち取ったそうですね。オーディションを受けたいと思った一番の理由を教えてください。
第1シーズンを見た時に、安心感というか、すごく気持ちがよくて。この現場に自分が入れたら、どんなことができるだろうとワクワクしたんです。出演が決まった時には、とにかく嬉しかったですね。レギュラーだと長い期間、同じ役を演じられるので、その役を「自分がどう成長させられるだろう」と楽しみでした。
――牛島という役をどう捉えて、どう演じていますか?
“現代っぽい子”というのが一番わかりやすい言葉だと思います。いつも、役と自分の近いところを探すんですけど、ウッシーは自分とは遠くて。でも、感覚の部分が近いんです。たとえばウッシーはSNSをすぐに見ちゃうけど、今の若い子は大体そうだと思うし。そういった意味では、自分に近いところでやらせてもらっているのかなと思います。

――性格は似ていないけど、現代っぽい感覚の部分では似ている、と。望月さんは役作りの際、ノートに演じる人物の年表をまとめると聞きました。
たとえば“僕”という役について書くとしたら、自分が生きてきた中で、この作品をやって、その時はこういう気持ちで、次はこういう作品をやって……という感じです。台本にヒントがあるわけじゃないので、ただの妄想ですよね(笑)。
――そうやって視覚的にまとめることで、自分の中に役が入ってきやすいものですか?
それが、変わらないんですよ(笑)。僕がダメなのかもしれないですけど、まったく変わらなくて。だから自己満足に近いのかもしれないです。たしかに、やるのとやらないのとでは、評価が変わってくるんだろうなぁとは思います。でも、感覚としては一緒です(笑)。
――そうなんですね(笑)。ご自宅で書くのですか?
そうですね、撮影に入る前に書きます。でも僕はゲームが好きで、自分の部屋のテーブルはゲームスペースになっているんです。書こうとしても、前にモニターとキーボ-ドがあるので、集中できなくて(笑)。テーブルの使い方がバカだなと思うんですけど、趣味には本気を出そうと最近決めたので、それは仕方なくて……。だから、カフェとかでやることも多いです。
――(笑)。学園ものなど同世代の俳優が揃う現場が多いと思いますが、今回のように先輩に囲まれる現場では、芝居に臨む姿勢は違ってきますか?
違いますね、やっぱり。何をしてもうまい方々だから、安心感が強いです。作品から逸脱しない範囲内で、自分のやりたいことをやれるというか。どんなことをしても受け入れてくださるので、信じ切れるというのが大きいかもしれないです。
――逆に、チャレンジできるわけですね。アドリブはどうですか?
「ここ、アドリブ入れられそう!」という所があったんですけど、ドライの時に監督から先に言われて、「あぁそれ、アドリブでやりたかった~」というのはありました(笑)。高橋さん(中尾明慶)にたくさん質問をするシーンで、「今、その質問しないで」と言われるんですけど、他の話が終わったところで、もう一回しつこく聞いてやろうと思っていたんです。なのに、監督が「そこで何回も聞いちゃって」と……ちょっと悔しかったです(笑)。
――『朝顔』ならではの雰囲気は、どんなところに感じますか?
ゲストの方とか、いろんな方を受け入れる速度がすごく速いなと思います。僕自身も第8話から入れていただいて、最初はすごく緊張していたんですけど、いつの間にか仲間のような感覚になっていました。
――その中心は、やっぱり上野さん?
そうですね。僕は上野さんに最初に話しかけていただいたんですけど、出身地を聞くんじゃなくて、当てると言われて(笑)。上野さんが答えるのを「あ~、それは違います」とか、ずっとやっていました。すごく盛り上がるので、年下の方と共演する時には、僕もやりたいですね。
――あらためて、上野さんの女優としての魅力を聞かせてください。
発さずとも、いるだけなんですよね。それなのに、伝わるものがある。ウッシーと朝顔がじっくり話すシーンがあるんですけど、怒鳴ったり、感情的になったりするわけではないのに、心にくるんです。それがすごく印象的で、「役者さんってすげぇな」と思いました。
――今回演じる牛島は冷めたところもありますが、アツい性格も持ち合わせています。望月さんがアツくなるのは、どんな時ですか?
僕の思うアツい人は「なんでそこ報告しないの!?」とか「やるって言ったじゃん!」って、怒る人。でも僕は、どんなことも楽しめればいいと思ってやっているので、アツくならないかもしれないです。いつも、自分のことを俯瞰して見ている自分がいて、喋っている時にも「なに喋っているんだろう」と思いながら喋っているんですよ(笑)。少なからずそういう自分がずっといるので、何かに熱中したり、アツくなったりすることは、ほとんどないと思います。

――望月さんは今年で20歳。俳優に対する意識に変化はありますか?
僕は大学に行ってないので、高校を卒業した18歳頃の変化が一番大きかったです。それまでも、お仕事で芝居をやらせていただいているつもりでいたけど、学生じゃないと感じた瞬間に「あぁ、仕事なんだ」って。その気持ちを緩めないようにやってきて、20歳は区切りとかけじめの年になるのかなと思います。
20歳になってすごく変わったということはないけど、いろんな経験をしなきゃいけないなとは思います。今回、台詞で「ここのBAR、行ったことありますよ」とか言うんですけど、自分は一回もBARなんて行ったことないし(笑)。どんなことも実体験として持っているほうがやりやすいので、いろんなことを経験したいです。今は難しいけど、役者の先輩にも飲みに連れて行ってほしいですね。
――今年はコロナ禍での自粛期間もあり、お仕事面でもいろいろと大変だったのでは?
もともとインドアなので、「家にいるのが正当化されてるぜ~!」みたいな(笑)。でも、暇な時にやるゲームって、全然楽しくなくて……。現場が始まって、お芝居に触れる時間ができた時に、「こっち(芝居)の楽しさがあるから、あっち(ゲーム)も楽しいんだ。両方ないとダメなんだ」と実感したんです。なので、自粛期間は「この道でやっていきたい」と、再確認できる時間になりました。結果的に、ですけどね。
――そんな2020年を振り返っていかがでしょうか?
目の前にある一つひとつはがんばったので、年末は「がんばったな、俺」と毎年思います。すみません、中身がなくて(笑)。でも、それでも足りないというのは感じているので、来年は“がんばる”という言葉では表せない部分をがんばらないといけないな、と思いますね。たとえば、好きじゃないことも、好きになる努力をしなきゃいけないなって。
――嫌いなことをがんばる努力ではなく、嫌いなことを好きになる努力、なんですね。
僕、嫌いなことはたぶんやらないので(笑)。どんなことも、好きだと思い込んでやったほうがいいかなと思っています。
――では最後に、ドラマの見どころを聞かせてください。
とにかく(朝顔の娘の)つぐみちゃん(加藤柚凪)がかわいいです(笑)。自分はまったく絡むシーンがないので、ちょっと廊下で歩いてるのを見かけるくらいなんですけど、すっごくかわいくて。ドラマを見ていても天使だし、望月としては一番の見どころです(笑)。それ以外では、法医学教室チームって、軽い時と重い時の差がすごいんですよね。最初はふざけていたのに、いつの間にか締まっていくというか。その雰囲気をすごく感じていて、それは見ている方にも伝わるおもしろいところなんじゃないかなと思います。
第9話では、他人のために動いているつもりだったウッシーが、自分のことしか考えていなかったと気づきます。僕は、そんなウッシーに対する法医学教室のみなさんの反応がすごく好きでした。大人な方がいたり、「ちょっとあいつ……」と思いながらも、それを隠す人がいたり。それぞれの反応に、注目してもらえたらと思います!
(取材・撮影:勝浦阿津希)
<12月28日放送第9話(2時間SP)あらすじ>
朝顔(上野)は、つぐみ(加藤)と一緒に保育園の運動会に参加する。同じころ、藤堂(板尾創路)や光子(志田未来)たちは、マンションの前で死亡していた21歳の大学生・小湊真由(愛甲ひかり)の解剖を行っていた。真由は、全身を11か所も刺されており、死因は背部刺創による出血性ショックだった。真由が雑誌の人気読者モデルだったため、SNS上にはこの事件に関するさまざまな情報が流れていた。その中には、真由と親交があったモデル仲間の吉永明日花(水野瑛)や、かつて交際がうわさされた橘凛太朗(宮内伊織)の犯行を疑う声も上がっていた。
そんな折、高橋(中尾)と牛島(望月)が解剖室の掃除をしていると、突然解剖台横の水道が壊れ、水が噴き出す事態が発生。そのせいで、予定されていた解剖は別の大学に依頼することになってしまう。翌日出勤した朝顔は、真由の事件について調べるという光子を手伝おうとした。だが茶子(山口智子)は、修理が終わるまで休んで有休を消化するよう朝顔に指示する。
あくる日、朝顔は、つぐみを連れて仙ノ浦に向かい、平(時任三郎)と再会する。その後、体調を崩して入院中の浩之(柄本明)を見舞う朝顔たち。そんな中、朝顔は、母・里子(石田ひかり)と中学・高校の同級生だったという美幸(大竹しのぶ)と出会う。一方、桑原(風間俊介)は、発砲した件で刑事部長から臨時の審議会への出席を命じられていて……。
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スタイリスト:山田梨乃