眞島秀和さんが主演を務めるプラチナイト木曜ドラマF『おじさんはカワイイものがお好き。』(読売テレビ・日本テレビ系、毎週木曜23:59~)が、8月13日にスタートします。
本作は、ツトムさんの同名コミックを原作としたコメディドラマ。眞島さんは、渋くて、紳士的で、容姿端麗、仕事もデキる“イケオジ”でありながら、カワイイもの(=パグ太郎)が好きすぎるおじさん・小路三貴役を演じます。
見た目とギャップがある“ヒミツ”を致命的な機密のように抱え、葛藤しながら暮らす小路を眞島さんはどう捉え、いかに演じているのでしょうか? これまでのキャリアでは珍しい、直球のコメディドラマに挑んでいる眞島さんに撮影の裏側について伺いました。

――コメディ作品としては『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)のどこか謎めいた独身貴族・武川主任役、『サウナーマン ~汗か涙かわからない~』(ABCテレビ)の10年間涙を流していない黒柳ヨシトモ役に続き、今度はカワイイものに目がないおじさん役ですね。
そうなんです。お話をいただいた時は、俳優として、振り幅広く演じるいい機会だなと思いました。
――なかでも今作は、コロコロと変化する表情も見どころとなる“ド直球”なコメディです。
コメディには、いろんな形があると思いますけど、今回はとくにモノローグというか“心の声”が多いんです。ただ見た目や動きだけではなく、いろんな形でドラマを楽しんでもらえるかなと思っています。
――台本を読ませていただきましたが、眞島さんの“イケオジ姿”と“萌え姿”のギャップなど、はじけぶりに期待してもよいでしょうか?(笑)。
僕も、早く編集したやつが見たいんですよ。ギャップはどうでしょう……でも、楽しみにしていただけたらと思います(笑)。
――小路を演じる上で、気をつけていることを教えてください。
今回に限らずですが、「どこかにこういう人がいるかもしれない」と思えるような芝居をするというのは、大事にしているところがありますね。
――そのために、心がけていることは?
監督、プロデューサーに、ちゃんと調整しながら演出してもらうということですかね。ある程度のアイデアや「こういう感じはどうだろう?」というプランを持って現場に行って、全部を見てもらってから、演出で調整していく。たとえば小路は会社にいる時と、ひとりで居る時に違いがありますけど、“こういうことは、しないだろう”という考えは一回置いておいて、とにかく一度やってみることにしています。
――芝居をプラスしていくというよりは、引いていくようなイメージでしょうか?
今回は、とくにそう思ってやっていますね。コメディって、そういうところも大事かなと思っていて。いわゆるハジけているような場面や、それとは対照的なシリアスな場面は、とことんやってみる。そこから、どう見えるかを考えるようにしています。

――撮影に入ってみて、手ごたえはいかがですか?
会社、家、甥っ子といるところ……全部に共通しているのは、パグ太郎がとても好きだということ。そこは共通しているんですけど、居方が全部違うから、どんな風に繋がっていくのか、とっても不安なんですよ(笑)。自分ではあまりシミュレーションできない部分もあるので、映像に音楽が付いて、編集でどうなっていくのか……やっぱり不安です(笑)。
――お気持ちが伝わってきます(笑)。笑顔だけでも、何パターンも出てきますよね。
社会人として人に見せる笑顔はもちろん、ひとりでいる時のパグ太郎に対する笑顔だったり、ガチャでやっとレアなものが出た時の喜びの笑顔だったり……。いろんなパターンがあるので、どんな引き出しを持ってやれるのかっていうのはテーマではありますね。
――ご共演の今井翼さん、桐山漣さん、藤原大祐さんの魅力を聞かせてください。
翼くんは、本当に真面目に台本を読み込まれる方。役柄の中の筋道をとても大事にされる方なので「やべえ~俺も、もっとちゃんとやらなきゃな」って、見習わないといけないなと思ったりもします(笑)。漣くんは、役柄を楽しんで演じているのを感じるので、こちらがいろんな手を出しても大丈夫だなっていう安心感がありますね。藤原くんは、存在がカワイイですから(笑)。甥っ子として、父性をくすぐられながら可愛がっています。
――小路の“パグ太郎が好きだけど言えない”という気持ちは理解できますか?
別に言ってもいいんじゃないかなって思いますけどね(笑)。でも、「これは表には出したくない」というものを抱えている方も、たくさんいるはず。それを「悟られまい」とすることが、演じる上ではコメディ要素でもあります。
――小路は“イケオジたるもの、カワイイもの好きであってはならない”という気持ちで生きていますよね。
“イケオジたるもの”という生き方をしているのは、全国のどこかにいるであろう“カワイイものが好きなおじさん”のイメージを壊してしまわないように……っていうのが、小路の原点にあるみたいなんです(笑)。その考え方も、おもしろいですよね。そんな気持ちを抱えながら、彼は仕事もすべてがんばっているんだなと思っています。
――眞島さんは“眞島秀和たるもの”という気持ちで、生きている部分はありますか?
“眞島秀和たるもの”というのを持たないようにすることが、“眞島秀和たるもの”ですかね(笑)。あまり、こだわりとかを強く持たないようにしています。
――では、ご自身が手放せないカワイイものは?
愛犬です。動物全般が好きで動画を見たりもするので、カワイイものに癒やされる気持ちはわかります。
――眞島さんも「ヨシヨシヨシ~」と、赤ちゃん言葉で愛犬を愛でたりするんですか?
……やりますね。見られたら恥ずかしいなって思いますよ(笑)。もしかすると、パグ太郎に対する場面で、それに近いものが見えるかもしれません。
――楽しみにしています! 小路には意外なギャップがありますが、眞島さんも「意外と〇〇ですね」と言われることはありますか?
「思っていたより、よくしゃべるんですね」とか「フランクな方なんですね」とは、よく言われます……僕、よくしゃべるんですよ(笑)。なんで寡黙なイメージがあるのか、逆に知りたいくらいです(笑)。
――役柄の印象でしょうか?
それが、役者をやる前からよく言われていたんですよ。「どこか体調悪いんですか?」と聞かれて、「いや、別にどこも悪くないです」って(笑)。本当は、見た目のまんま“寡黙な男”になりたいっていう気持ちもあるんですけどね。なれずに、43歳です(笑)。
――(笑)。小路の“カワイイもの”のように、眞島さんの心の支えになっているものは何ですか?
やっぱり愛犬です(笑)。でも、カッコつけたことを言うと、今撮影している作品ですかね。自分でも「何言ってるんだろ?」と思っちゃいますけど(笑)。実際、現場に行くのが大好きなので、抱えている現場や作品があることが、心の支えになっています。
――新型コロナウイルスによる自粛期間もあったので、より強く感じるのでは?
本当にそうなんですよ。今までだったら撮影が始まって、撮影が終わって、というのが当たり前だったけど、今回は「このドラマ自体、なくなっちゃうかも」という思いもありました。そんな中、撮影に入ることができて、スタッフのみなさんがケアしてくれながら撮影が進んでいますから、とてもありがたいです。現場があるっていいな、と改めて思いますね。
(取材・撮影:勝浦阿津希)