反町隆史が語る人生論「できない」と言わない理由『リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~』

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俳優・反町隆史さんが主演を務めるドラマBiz『リーガル・ハート〜いのちの再建弁護士〜』(テレビ東京系、毎週月曜22:00~、初回は21:00から2時間SP)が、7月22日(月)21時から放送スタート。現役弁護士・村松謙一氏の「いのちの再建弁護士 会社と家族を生き返らせる」(角川文庫/KADOKAWA刊)を原作に、辛い過去のある主人公が、倒産の危機に陥った中小企業を再建させるために奮闘する姿を描きます。

反町さんが同局のドラマに出演するのは、実に10年ぶり。熱いハートを持つ弁護士界の異端児・村越誠一役を演じる反町さんに、実在する弁護士をモデルにした本作への思い、そして、22年ぶりの共演となる和久井映見さんとの秘話を語っていただきました。

――原作者であり、主人公のモデルでもある村松さんとは、実際にお話されましたか?

撮影に入る前、一度事務所に話を聞きに行きました。とはいえ法律的な難しい話ではなく、人に対する接し方や雰囲気など、人柄を感じられたらと。村松先生は、すごくよく話す方なんですよ(笑)。弁護士という職業柄もあると思うのですが、僕が話すまでもなく、いろんなことを説明してくれて。これは僕の想像ですが、企業の方がご相談にいらした時にも、そんな先生の人柄から心が広まっていくというか、それをきっかけに仕事の話に入っていくんだろうなと感じました。開放的でバリアがまったくなく、誰に対しても同じ接し方。そのあたりを参考に、演技させていただいています。

――村松さんの原動力は、どこにあると感じましたか?

小学生の時から野球をされていたこともあり、基礎体力のある方なんだろうなという印象がありました。僕は小学2年生から中学生までサッカーをやっていたのですが、昔の部活って根性勝負みたいなところがあって。水を飲んじゃいけないとか、今では考えられないですよね(笑)。先生のほうが世代は少し上ですが、“我慢する”という美学を学んできたところは同じで、「できません」と言っちゃいけないっていうのは僕自身にも常にあるんです。先生も、ひとつの信念のもとに“耐える”ということを小さな頃から知っている方。現代とはちょっと違うけど、そこは僕自身が勝手に共感しているところではありますね。

――「できません」と言わないというのは、どんなことも受け入れる態勢でいるということでしょうか?

何事もそうですが、とくに役者の現場はシチュエーションによっていろいろなことが変わってきます。そこで「できません」とは言いたくないし、現場以外の人生においても同じこと。それって、“物事を前向きに進められる自分でいたい”ということなんですよね。実際に「できません」と言う、言わないではなくて、すべての物事に対して前向きに、自分自身の中で整理して進めていきたいと思っています。

――演じる村越誠一の人物像については、どう捉えていますか?

先生は熱い方なので、僕も監督も脚本の作りも、そこに基づいています。けれども、ただ熱いだけではなく、娘さんを亡くしたことによる苦悩を背負っている。そんな苦悩を乗り越え、這い上がっていく姿を見せていきたいなと思っています。

――今作では言葉の扱いが大事になってくるように思いますが、いかがでしょうか?

監督ともよく話しているのですが、言葉というより、ポジションの取り方を気にするようにしています。話をするときにも対面ではなく、できるだけ寄り添うようなかたちで横に座るなど、言葉より前に、行動というものを考えて、お芝居を組み立てています。

――ドラマを通じて、命に対する考え方は変わりましたか?

先生は娘さんを亡くすという本当に辛い思いをされて、それでも、残された家族のために前向きに生きなきゃいけないという気持ちがあると思うんです。僕も同じく娘がいる立場なので、たとえば第1話でも娘に対する手紙を読んでいるところにグッときちゃって。娘を亡くした気持ちははかりしれないので、そのあたりは複雑に捉えています。

――主役ということで、座長として意識していることはありますか?

みんなが良い思いのできる現場になればいいなっていうのがありますね。僕には僕の立場があり、人には人の立場がある。スタッフさんや若い役者さんたちも含めて、みんなに喜んでもらえたらいいなと。

――そのために、何か具体的には行っていることは?

常に明るく前向きに過ごすことが大事ですよね。撮影って朝から晩まで長い時間かかりますから、「現場つらいな」とか、やっぱり人間だから思う人もいるじゃないですか(笑)。それはなあなあにすることではなくて、現場でベストな状態を作るのは当たり前の話。その上で、撮影の合間には声をかけて、みんなで楽しくひとつの作品が作れたらいいなと思います。

――和久井映見さんとは、『バージンロード』(1997年/フジテレビ系)以来の共演ですね。

『バージンロード』が23歳の時で、それ以来、本当に一度も会っていなかったんですよ。でも、最初に妻役が和久井さんだと聞いたときに、不思議とホッとしました。和久井さんの出演作品を見ていて、素敵に歳を重ねられているなというのが印象的で再会が楽しみでした。和久井さんは控えめで、自分からいろいろと話すような方ではないんです。それでも昔一緒にやっていたからか、そこまで会話がなくてもしっくりくる夫婦になっているんですよね……って、僕が思っているだけかもしれないですけど(笑)。

――(笑)。最後に、ドラマへの意気込みをお願いします。

まずは、村松先生に「反町隆史にやってもらって、よかったな」と思ってもらえること。僕の中では、そこが一番のテーマというか、大きな課題だと思ってやっています。今作のような骨太な作品で大役をやらせてもらえることを嬉しく思うのと同時に素敵なキャストの皆さんとお芝居ができることにも、幸せを感じています。

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