女優・吉岡里帆、ブレイクに至る軌跡を振り返る

吉岡里帆主演『健康で文化的な最低限度の生活』ポスタービジュアル
吉岡里帆主演『健康で文化的な最低限度の生活』ポスタービジュアル

吉岡里帆主演のドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』(カンテレ・フジテレビ系 毎週火曜21:00~)が7月17日よりスタート。本作は、柏木ハルコの同名コミックが原作のヒューマンドラマで、「生活課」に配属された新人ケースワーカー・義経えみる(吉岡)が、それぞれの人生を抱えた生活保護受給者たちと向き合い、寄り添いながら、自立への道筋を模索する物語だ。吉岡にとっては、2度目の連続ドラマ主演作であり、井浦新川栄李奈田中圭ら、今注目の俳優陣と共演することでも話題になっている。

吉岡は、大学時代から出身地である京都の学生演劇や自主映画に参加。さらに定期的に京都から東京の俳優養成所に通い、芝居の腕を磨いた。エキストラや舞台などで経験を積み、2012年には養成所とつながりのあった現在の芸能事務所に所属。翌年の2013年から女優として本格的な活動をスタートさせる。その一方で、水着グラビアなどにも挑戦し、男性ファンを獲得。そして、2015年2月公開の映画『マンゴーと赤い車椅子』でスクリーンデビューを飾り、以降は、本広克行監督の『幕が上がる』、福田雄一監督の『明烏』などに出演し、知名度を高めていった。

そんな吉岡が女優として一躍注目を集めたのは、2015年のNHKの連続テレビ小説『あさが来た』だった。吉岡は、主人公・今井あさ(波瑠)と白岡新次郎(玉木宏)の間に生まれた千代(小芝風花)の親友・田村宜を熱演。丸メガネで、ミーハーで、「僥倖の極み」などの名言を連発する“のぶちゃん”は、お茶の間に強烈な印象を残した。

この朝ドラ出演以降は、加速度的に知名度が上昇していく。民放の連続ドラマ初レギュラーとなった宮藤官九郎脚本作品『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)を筆頭に、『死幣-DEATH CASH-』(TBS系)、『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(カンテレ・フジテレビ系)、『カルテット』(TBS系)と2016年4月から2017年1月まで、4期続けての連続ドラマ出演を果たした。

ゆとり第一世代の人生模様を描いた『ゆとりですがなにか』では、小学校教師の山路一豊(松坂桃李)のクラスに教育実習生としてやってくる佐倉悦子を演じた。また、呪われた一万円札を巡るホラーサスペンス『死幣』では主人公・南由夏(松井珠理奈)の親友・一恵に扮し、医療ミステリー『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』では、真面目であるがゆえに、主人公の志帆(吉田羊)に振り回される、“愛されキャラ”の新人研修医・田丸綾香を好演。いずれの作品も、成功への階段をのぼり始めた者に特有の輝きを放つ、ある種の高揚感を漂わせた、吉岡の瑞々しい演技を見ることができる。

そして、アマチュア演奏家4人の恋と秘密を描いたラブ&サスペンス『カルテット』への出演が、大ブレイクへの契機となった。打って変わって、主人公たちの関係性をかき乱す魔性の女・来杉有朱を怪演。笑顔でありながらも、どこかに不穏な空気を漂わせた吉岡の演技は、高評価を獲得。物語は、松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平の4人を主軸にしたものだったが、吉岡はその4人にも劣らない5人目のレギュラーとして存在感を示した形となった。本作は、巧みな物語の構成や絶妙な会話劇、主演の4人はもちろん、吉岡ら脇を固めるキャラクターの魅力もあり、ギャラクシー賞を始めとした数々のドラマ賞を受賞した。

さらに、吉岡の快進撃は止まらない。2016年には、かつて広瀬すずや新木優子らも務めた結婚情報誌「ゼクシィ」の9代目CMガールに起用されたのをきっかけに、数々のCMに出演。2017年の7月クールには、長瀬智也主演の『ごめん、愛してる』に出演。純真なヒロイン・三田凜華に扮し、献身的な愛で主人公を支え、感動を呼んだ。また、その活躍ぶりから、「2017年で最もブレイクした女優」にも選出。大晦日の『第68回NHK紅白歌合戦』では、『カルテット』で共演した高橋一生とともにゲスト審査員も務めた。

一気にスターダムに駆け上がった吉岡。その翌年の2018年1月にはついに、連続ドラマ初主演作となる『きみが心に棲みついた』の放送がスタート。本作は、下着メーカーに勤務する弱気な性格の主人公が2人の対照的な男性の間で揺れ動く様を描いたラブストーリーで、天堂きりんによる同名コミックが原作。吉岡にとっては、初めての漫画原作ものでもあり、クランクイン前の記者会見では、「原作の再現度を高めたい」と意気込んでいた。吉岡は、本作で桐谷健太や向井理と共演。演技の上では2人と対等に渡り合い、“座長”としてドラマを牽引。さらに、下着姿でランウェイを歩くなど、体当たりの演技を見せた。

そして、勢いそのままに、この夏、最新の主演ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』で、情に厚くまっすぐな性格の新人ケースワーカーという役どころに挑戦する。吉岡の演じる義経えみるは、かつては映画監督を志していたが挫折し、安定を求めて公務員になった等身大の女性。指導係である半田(井浦新)や、上司の京極(田中圭)の指導を受けながら、多くの生活保護受給者と関わり合い、成長していくえみるの姿を吉岡がどのように演じるのか、注目を集めそうだ。

さらに、今年の10月12日には、阿部サダヲと共演した映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』が公開。来年の2019年にはヒロイン役を務める『パラレルワールド・ラブストーリー』の公開も控えている。さまざまなドラマや映画への参加を重ねることで、女優としての成長を続けていく吉岡。今度は、どんな作品で、どんな顔を見せてくれるのか、期待はふくらむばかりだ。

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