井上尚弥・3階級制覇挑戦、拳四朗・3度目の防衛戦をフジで生中継

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『FUJI BOXING 井上尚弥3階級制覇挑戦&拳四朗V3戦』(フジテレビ系 ※カンテレとテレビ新広島は21:00~ ※延長対応あり)が、5月25日(金)20時2分より生中継される。

7度防衛したスーパーフライ級の世界チャンピオンベルトを返上した井上尚弥選手が次に狙うのは、スーパーフライ級から1階級上のバンタム級。井上選手はこの階級で3階級制覇、そして前人未到の大記録(具志堅用高の世界戦13回連続防衛の日本記録)を目指す。井上選手が挑戦者としてリングに上がるのは、14年12月以来、実に3年5か月ぶりのこと。デビューから「モンスター」のニックネームを授けられた井上選手は、無敗街道を驀進してきた。積み上げた勝利は15、うちKOが13。しかし、最近はどんなにKO勝ちを積み重ねても、24歳の若き王者が満面の笑みを浮かべることはなかった。勝って当たり前、強すぎるがゆえの悲劇で、井上選手のフラストレーションは最高潮に達していた。

しかし、現在は違う。WBO王座を7度防衛したスーパーフライ級で、他団体王者との統一戦という目標が潰え、思い残すことなくバンタム級への進出を決意。その初戦でWBA王者への挑戦が決まったのだ。王者のマクドネル選手は、2014年の5月にタイトルを獲得し、これまでに6度の防衛に成功。178センチとこのクラスでは規格外の長身から打ち下ろす右ストレートが最大の武器で、33戦というキャリアも侮れない。井上選手にとって、自身より10センチ以上背の高い選手との対戦は未経験の領域。初めてのバンタム級という点も考慮すると、今回の井上選手には不安要素もあるが、当の本人はどこまでも強気。記者会見では「この階級で具志堅用高さんのV13を目指す」と高らかに宣言したのだ。具志堅氏が1980年に打ち立てたV13は、いまだ破られない日本ボクシング界の金字塔。それを超えようというのだから、バンタム級が井上選手にとって最もフィットした階級ということだろう。減量苦から解放されたモンスターは、どんな爆発的なパフォーマンスを見せてくれるのか。「挑戦者なりに攻撃的で、見ている方が燃える試合というか、立ち上がるぐらいの攻めを見せたいですね」と、気合十分だ。

また、3度目の防衛に臨む、拳四朗選手vsガニガン・ロペス選手(メキシコ)の世界屈指のセンスとテクニックを持つ両者の激闘も見逃せない。現王者・マクドネル選手の母国イギリスはもちろん、世界各国でのテレビ中継も決定している。

昨年5月以来のリマッチとなる今回。11か月前の対戦は、両者ともに決定打を欠いて拳四朗選手が2―0の判定勝ちを収めたが、ジャッジ3人のスコアは115―113が2人に、114-114が1人という大接戦。サウスポーのベテランであるロペス選手は駆け引きがうまく、拳四朗選手はなかなかペースをつかめなかった。もともとパワフルなタイプではなく、ジャブを軸に出入りのスピードで勝負するタイプの拳四朗選手だが、プロデビュー後はフィジカルトレーニングで体幹強化に励み、ファンを魅了するKO勝利ができるボクサーを目指し続けた。昨年末に行われたV2戦では、ヒルベルト・ペドロサ選手(パナマ)に4回TKO勝ち。3度目の世界タイトルマッチで初めてTKO勝利をマークして自信を深めた。ロペス選手との再戦も迷わずKO勝ちを狙う拳四朗選手は、「相手がサウスポーなので多少はやりにくいですが、2度目はバッチリ倒しにいく。8ラウンドくらいに倒して、ダブルピースで決めます!」と“完全決着”に並々ならぬ意気込みを見せる。デビューから12連勝(6KO)をマークする26歳は、『北斗の拳』を彷彿とさせる、さらにブラッシュアップした多彩な攻撃力で“ケンシロウ”の存在感を世界にアピールするだろう。

伝説への第一歩となる注目の試合の模様を伝えるのは、解説・長谷川穂積、山中慎介、ゲスト解説・村田諒太選手、八重樫東選手、ゲスト・具志堅用高、香川照之など。フジテレビ・スポーツ部の竹内太郎プロデューサーは「井上選手のボクシングの魅力は、世界中が驚嘆する圧倒的な実力で、まさにこれぞボクシングというKO決着を有言実行してくれるところにあります。彼が常に前向きに求め続けるのは、自分自身がヒリヒリするような、モチベーションが高まるような“挑戦”。今回、WBA世界バンタム級王者のマクドネル選手に勝って、3階級制覇を果たせば、今秋開幕予定の賞金争奪トーナメント、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)に参戦することになるでしょう。日本が誇る“モンスター”が、さらなる世界の称賛を浴びる瞬間をお見逃しなく!」と語っている。

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