金閣寺で市村正親、井上八千代らが夢の競演…30回目の「音舞台」TBS系列で放送

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9月に京都・金閣寺で開催された音楽イベント「音舞台」の模様が、10月8日(日)24時30分『金閣寺音舞台』(MBS/TBS系ネット)にて放送される。

MBSが27年にわたり開催し、今年で30回目を迎える「音舞台」シリーズは、様々な日本文化の発祥となり、また長い歴史のなかで日本人の心の“よりどころ”としてあり続けた寺、その中でも日本を代表する名刹と言われる寺に“舞台”を設え、「東洋と西洋の出会い」をテーマにした音楽企画。これまで18ヵ所の名刹で、国内160組を超える一流アーティストがパフォーマンスを“奉納”してきた。

記念すべき30回目となる今回は、世界遺産・金閣寺が舞台。この特別な場所での音楽イベント収録を許されるのはおよそ10年に一度、「音舞台」だけだ。「鎮魂と平和への祈り」をテーマに、俳優の市村正親をはじめ、京舞井上流家元・人間国宝の井上八千代、世界最高と称されるヴァイオリニストの一人であるギドン・クレーメル、そのほかジャンルを超えた多彩なトップアーティスト達が、燦然と輝く金閣寺のもと華やかに競演、観客を夢幻の世界へといざなった。

冒頭では、虫の音が聞こえる中に井上が登場。地歌「残月」に合わせ、切なさや愛情を感じる舞を披露した。池の上には霧が静かに漂い始め締め太鼓の音、そして篠笛の軽やかな音色が響き始め、手に提灯を持つダンサー(TRIQSTAR)が登場。まるで水面を歩いているようなダンスで観客を驚かせた。

そして3オクターブを越える音域に「f分の1ゆらぎ」という癒しの波長を持ち、稀有な美声で聴く人を魅了する、オーストラリア出身のサラ・オレインが白いドレス姿で舟に乗って登場。「大いなる世界」を歌い上げ美しい声を響かせた。

次に登場したのは「音舞台」初登場の市村。和装の市村がミュージカル「オペラ座の怪人」より「Music of the Night」や「Stars」「Sunrise, Sunset ありのままの私」をメドレーで披露すると、観客は拍手を送った。

また、クセーニャ・シドロワのアコーディオン独奏に合わせS**t kingzが椅子を使ったダンスを披露。さらに、今回音楽監督を務めるNAOTOのヴァイオリンとオーケストラと共に「Oblivion」を奏でた。「Libertango」では情熱的な演奏に合わせ、ロシアのダンサーのブラッド・マカロフ、イリーナ・ホルコヴァという男女2人組が水しぶきをあげながら舞い踊る。

そしてギドン・クレーメルは、繊細かつ力強い音色で「ウクライナのためのレクイエム」「無伴奏チェロのための24の前奏曲から(ギドン・クレーメル編)」を立て続けに演奏。再び登場したサラ・オレインは、「ネッラ・ファンタジア」を歌い上げ、彼女の天まで届くような透き通った歌声が金閣寺に響いた。最後は篠笛で「月の光」が演奏され、霧に包まれた会場は幻想的な雰囲気に包まれ、喝采のうちに幕を閉じた。

出演者のコメントは以下の通り。

<ギドン・クレーメル>
金閣寺は美しくてユニーク。このショーのために演出された場所だと思う。日本の現代的なホールはとても音響が良いのでいつもサポートされるのですが、金閣寺が舞台ということで音響的には劣るところもあるかもしれないが、それに負けないように強くて良い音そのものを届けたい。お寺の美しさ、喜び、そういったかけがえのないものがある一方で、世界中に苦しんでいる人がいっぱいいるということを忘れてはいけない。幸福を祝うような華やかな舞台だが、世界中には苦しんでいる人達がいるということを伝えるために苦難をもっている曲(「ウクライナのためのレクイエム」)をあえての選曲で1曲目は決めました。

<井上八千代>
2年ぶりに(金閣寺には)伺いましたが、月も水も綺麗。出演は光栄でもあり、幸せに思っております。番組では、霧の中での、扇の線、曲線と直線をお楽しみください。三味線、琴、尺八、それぞれの音色の違いも楽しんでいただけたら。水面が近くだと一段と美しく聴こえるので。様々な音の中で、命の蘇りを感じていただけたら。

<クセーニャ・シドロワ>
金閣寺は息を飲むように美しく、スピリチュアル。自国と違う文化、宗教は自分や出演者を高めてくれます。言葉にならない唯一無二の美しさですね。間が流れるがままに演奏しています。日本のお客さんは魂がかえってくるので楽しみ。「Oblivion」はナオトさんとつくる曲。映画で既に多くの人が知っている、多くの人に愛されている曲です。また、ジョン・レネハンさんが友達で、編曲をしてくれている。様々な曲目をステージや舟の上など別のステージでやるということで共演を楽しんでほしいです。

<サラ・オレイン>
三島由紀夫の「金閣寺」を読んだことが日本に来るきっかけ。金閣寺の印象は、自分の中の想像に負けない、吸い込まれるような夢のような美しさ。「大いなる世界」は“大地の歌”とも言われており、自然と大地への感謝の気持ちをこめて歌っています。「ネッラ・ファンタジア」は、平和へのメッセージのような曲、出演者全員が音舞台で一体になる曲です。音舞台には2回目の出演ですが、とても光栄です。イベント全体のストーリーをぜひ楽しんでほしいです。

<市村正親 コメント>
金閣寺は言葉にならないインパクトがあり、宝石のような、宝物のような、大切なもの、貴重なものという印象。「Music of the Night」「Stars」という曲は、金閣寺に向かって歌っているような気がします。僕自身色々な垣根を越えてきた人生だから、舞台という枠を飛び越えるくらいのものを届けたいです。僕は黙っていると東洋人に見られるので、東西人かもしれませんね(笑)

<MBSプロデューサー・本郷義浩>
舞台の進行中、東の空に月が出ました。鳳凰のすぐ後ろを上がっていきます。月と鳳凰と金閣寺。奇跡の映像を撮ることができたのです。井上さんはインタビューで「月の世界に帰って行く人を追悼しながら、湖の中から命が蘇ってくるような、そんなイメージを見る人に感じ取って欲しい」とおっしゃっていました。是非ご覧ください。

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