やっぱりセンターはモテる?密林でも恋のバトル

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5月28日の『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』(NHK総合、毎週日曜19:30~)は、「センターをめざせ!イワドリ恋の大バトル」と題して南米スリナムの密林の奥深くに暮らす鳥イワドリを紹介する。

同番組は、日本国内の身近な自然から、世界各地の未知の自然まで実に様々な物語を紹介する人気ドキュメンタリー。今回の主人公・イワドリのオスはツメの先からクチバシまでほぼ全身鮮やかなオレンジ色をした美しい鳥だ。全長約30cm、頭の後ろからクチバシの付け根まで扇形の長い飾り羽が生え、背中にはフリルのようなフワフワの羽。なんともエレガントな姿をしている。

繁殖期、数十羽のオスが求愛のため一か所に集まる。それぞれ直径1mほどの地面とその上空2~3mの空間を自分の縄張りとして守り、朝から夕方までメスが来るのを待ち続ける。メスが近くにやってくると、オスは大きな鳴き声をあげ、地面に降り立って激しく羽ばたきながら跳ね回り、メスを自分の縄張りに呼び込む。さらにメスが近づくと、オスたちは一斉にメスに背中を向け、フワフワの羽を揺らすダンスでアピール。メスが気に入ったオスの後ろに降り立ち、背中をクチバシでつつくとカップル成立だ。

ここで、オスがメスにモテる一番重要な要素は、踊りではなくて縄張りの位置。縄張りが群れの中心「センター」に近いオスほど、メスにモテるのだ。しかし、群れの中心部の一等地に縄張りを構えられるのは、争いを勝ち抜いたほんの一握りのオスだけ。そのため、群れの中では、頻繁に縄張りをめぐる激しいバトルが起こる。

そんななか、せっかく近づいてきたメスを、突然、なぜか一匹のオスが攻撃して追い払ってしまった。実は、この不可解な行動こそ、モテないオスの切り札だというのだ! 「センター」を目指して争うオスたち。イワドリの一風変わった恋のバトルに密着する。