小栗旬&西島秀俊が語る、格闘術“カリ・シラット”から伝わるドラマ『CRISIS』の個性

小栗旬西島秀俊が出演するドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(毎週火曜21:00~)が、カンテレ・フジテレビ系列で4月11日よりスタート。小栗と西島が取材に応じ、この作品が誕生するまでの経緯や、アクションへのこだわり、そして2人が演じる役への思いなどを明らかにした。

このドラマは、『SP』シリーズや『BORDER』などで知られる直木賞受賞作家の金城一紀が、5年以上前から構想してきたアクションエンターテインメント作品。元自衛隊員の稲見朗(小栗)と元公安の田丸三郎(西島)らが所属する特捜班の活躍と苦悩が描かれる。

小栗が初めて本作について知ったのは、主演ドラマ『BORDER』(2014年・テレビ朝日)を制作中。金城から話を聞いて、とても楽しみにしていたという。しかし同時に、あまりにスケールが大きすぎて「実現するのは難しい」と感じたようで、これについて西島も同意。「とにかく企画が面白くて、小栗くんもいると聞いて、是非参加させていただきたいと思いました。でも、正直これは(撮影に)入らないだろうと思っていました」と第一印象を語った。

しかし小栗と西島は、この企画に向けて、撮影に入る1年以上前から金城のもとでカリ・シラットという格闘術の訓練に入った。小栗は、登場人物たちが格闘技をできること自体が物語として描かれているわけではないとしながら、「特殊な環境で育ち、その結果身につけた武術を駆使して戦っているという、登場人物たちの背景まで見えるようにしたかった」と狙いを明かし、そのためには、訓練を積んできた人間だと言っても違和感がない状態にすることが不可欠だったという。西島も「アクションからその人物のキャラクターが出ている」と語り、稲見は戦闘を楽しむように戦い、田丸は冷静に急所を突いていく冷酷さを持ち、田中哲史演じる特捜班班長・吉永三成はパワー系であるなど、それぞれの個性とアクションの特徴を紹介した。

そうして訓練を重ねていく中、ついに台本が出来上がり、顔合わせが実現したという。西島は、その時のことを振り返り「キャストが全員集まって、関西テレビの皆さんもちゃんといて、本当に、撮影に入るんだと。どこかまだ信じられない。それくらい規格外の脚本だった」と語り、小栗も「物語に直接関係ないのに、特捜班を説明するためだけに大規模な新幹線のシーンを撮影した」と舞台裏を明かし、関西テレビの力の入れ具合も尋常ではないと感じたと2人は声をそろえた。新幹線のシーンは第1話の冒頭に出てくるのだが、車内で小栗と西島がカリ・シラットを駆使してテロリスト犯と格闘するシーンは圧巻そのもの。武器を手にする相手に対し縦横無尽に動き回っていく中で見せる立ち振る舞いから、それぞれの戦闘への考え方の違いが見える瞬間となっている。

その大注目のアクションシーンの撮影についても2人は言及。ある1人のアクションを得意とする俳優でさえも「全然OKをもらえない」と嘆きながら挑み続けた現場だったと2人は笑い、西島は「それだけこだわってやらせて貰えることはあまりないのでありがたいこと」と語り、現場の熱量の高さを伺わせた。

そして役柄の話題になると、小栗は自身が演じる稲見について「自衛隊時代に犯してしまった自分の罪をトラウマとして抱えている」と語り「自分の存在意義を見失っている中、特捜班に誘われ、そこで改めて“正義”や“国を守る”ということについて考えようとする。だけど、特捜班は汚れ仕事も多く、国ではなく権力のために働いている……。自分は一体何なのだろうと悩み始める」と物語の核心となるであろう“心の内”に触れる。

一方の西島は「お互いに“過去”を抱えているとわかっているけど、それは聞かないし、聞かれたくない。それでも捜査をするうちに自分の正義にどうしても合わないことが出てきて、逆にお互いはそれを感じ合うことでチームとして団結していくことになる。しかし、それがチームの存在理由としてはズレていってしまうところが面白いところ」と、ドラマが持つメッセージ性の高さを伝えた。

そして、2人が演じる稲見と田丸の関係について聞くと、小栗は「このチームは誰一人として心を許していなくて、不思議な距離感があります」と、まずは特捜班の状況を解説。稲見も田丸が本当はどういう人物なのかはわかっていないが、任務においては厚い信頼を寄せており「自分よりも多くのことを経験している先輩なので、どうしても聞きたいことは田丸さんに相談する」と特別な存在であることを明かした。そして西島も「田丸は殆ど特捜班メンバーの中では喋らないけど、稲見と2人きりになると結構喋る。自分と同じ種類の闇を見てきたなと感じて、どこかシンパシーを覚えている」と話した。

最後に小栗は「今のドラマ界に風穴を開けられる。テレビドラマをつまらないなと思っている人に楽しんで貰えるものができた」と自信のコメント。西島も「金城さんは天才的で、本の中に“○×マンションのトイレから出てきて……”と書いてあると、実際にその場所に行けばそれがある。それくらい一つの世界をしっかりと構築してある本で、日本で起きている空気や気配が台本の中にリアルに描かれています。それをどうやって僕らが具現化するか。企画から考えると5年も掛けてやってきて、それがついに完成しました。きっと、今まで見たことのないものを見せられると思います」と作品をアピールした。

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