サメに狙われながらも命がけで産卵!マダラハタの謎を追う

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日本国内の身近な自然から、世界各地の未知の自然まで実に様々な物語を紹介する人気自然番組『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』(NHK総合、毎週日曜19:30~)。1月29日は、「命がけの大産卵!ハタVSサメ軍団」と題して、南太平洋に浮かぶファカラバ島を舞台に、肉食魚マダラハタの産卵に密着する。

ファカラバ島は、サンゴ礁が輪のようにつながった小さな島。毎年6月ごろになると、産卵のため、島にある狭い水路に1万匹以上のマダラハタが大集結する。しかし、この島の周りは、どう猛なサメが数百匹も暮らすサメの王国としても知られる場所。体の大きなマダラハタは、サメにとって格好の獲物だ。

なぜマダラハタは、わざわざ危険な海に集まって産卵するのか? その謎を解くため、フランスの海洋調査チームが1か月以上に渡って徹底調査を行なった。まずはハタに発信機をつけて行動を追跡。さらに海底の地形を細かく調べ、ドローンも駆使して水路の3Dマップを作成、ハタが集中する産卵エリアを特定した。次に取り組んだのが前代未聞の挑戦、24時間潜水。一人の人間が丸一日潜り続け、ハタがどのようにサメから身を守っているのかを観察するのだ。そこで目撃したのはハタの秘策「フリーズ作戦」。サメは、獲物が逃げるときに筋肉が発する微弱な電流で相手の位置を特定する。ハタは、サメが触れるほど接近しても決して動かないことでサメから身を守っていたのだ。

そして、数日後。浮き上がるメスに寄り添うオスたち。待ちに待った一斉産卵が始まった。この日は大潮。潮の流れが速く、狭い水路に産み出された卵は、一気に外洋へと運ばれていく。ハタがあえてサメだらけの危険な水路に集結して産卵するのは、潮の流れを利用して、卵を天敵が少なく安全な外洋に運ぶためだったのだ。1か月にわたる密着撮影で、マダラハタの大産卵の謎に迫る。