古ビルを人気施設にリノベーション!建築家・大島芳彦の信念とは?

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1月16日の『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合、毎週月曜22:25)は、「建物を変える、街が変わる~建築家・大島芳彦~」と題して、「リノベーション」の第一人者で建築家・大島芳彦(46)に密着する。

全国で空き家や空きマンションが増加する中、建築の力で解決に取り組み、注目されている大島氏。古い建物に手を加え、全く新しい価値を生み出す彼は、全国に捨て置かれてきた物件を数々再生させてきた。「廃墟寸前の団地を大胆に改修、地元の交流も誘発して空室待ちの超人気物件に」「古ビルの土地需要に注目して、シェアオフィスなどを入れて人気施設に」など、斬新なアイデアは業界注目の的となり、今や東京だけでなく全国からの依頼がひっきりなしの状態で、常時20以上のプロジェクトを抱えているという。

人気の秘密は、大島氏が、建物のみならず“人と地域の関係性”までデザインすること。団地のリノベーションでは駐車場を農園にして市民に開放、その奥にカフェを開き、住民以外の人々がいつのまにか団地に入り込む仕掛けを作り、町に溶け込む団地に。高年齢世帯と若年層を巧みに取り合わせるなど、世代間断裂も解消した。リノベーションの先駆者として大島が大切にしているのが「人を巻き込み、ともに創りあげる」こと。持て余した古い物件を単におしゃれにするだけでは、早晩「古い物件」に逆戻りする。場の本当の価値を徹底的に掘り起こし、オーナーと住人に、その価値を理解してもらうこと。そのために、幾度となく話し合いを繰り返していると明かす。

そんな大島氏が今取り組んでいるのは、大阪・大東市の古い市営住宅を中心とした地域全体のリノベーション。財政難から放置されていた住宅は老朽化が深刻、その周辺は過去の無秩序な開発により環境悪化が進んでいた。「高齢化が進む住民たちのためにも、なんとかしてほしい」と市から相談をもちかけられたのだ。「郊外の空洞化」問題解決にむけ、大島氏が提案する策とは?