魅力的な「大きな妖怪」部門、久保ミツロウvs林真理子

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漫画家・久保ミツロウ、エッセイスト・能町みね子、音楽プロデューサー・ヒャダインの"こじらせ系"クリエーター3人が、毒舌&妄想&本音トークを繰り広げる一風変わった文化的おしゃべりバラエティ番組『久保みねヒャダ こじらせナイト』(フジテレビ系列、毎週土曜深夜)。12月10日の放送では、化粧品の広告などでよく見かける「輝きを取り戻す」というフレーズについての話題で盛り上がった。

出演者の近況を報告する「久保みねヒャダ近況まとめ」では、久保の「輝きを取り戻すって…もともと全ての女性が輝いているとは限らないんだよ…輝いてないからおしゃれすんだよ…」というツイートを紹介。久保は「よくキャッチコピーでさ、おしゃれを忘れたお母さんとか、仕事に疲れた独身女性とかが、“輝きを取り戻す”っていうことを言ったりするじゃん。化粧品や癒やしグッズとかのキャッチコピーに使われやすい“輝きを取り戻す”って言葉だけど、あたかも最初から輝いてたふうに言うのやめてくれませんか? 輝いていない人もいるんですよ!」と訴えた。

能町も「若けりゃみんな輝いていると思ってるね」と、久保の意見に同意。久保は、「要は若くて、美しくて、ちやほやされていた時代がどこにもなかったから、あの頃みたいな輝きをもう一度と思うことがまずない」と、キャッチコピーに感じる違和感を説明した。さらに、「昔の写真とか見ると、その頃はあまり自分のことかわいいとも美人とも思ってなかったけれども、今見ると、明らかに今よりは若くてかわいいと思えるわけですよ。今よりもましな(昔の)私でさえ、誰からも愛されてなかったわけですよ」という悲壮感漂うコメントにスタジオからは笑いが漏れるのだった。

久保は「そんな過去の実績があるのに、戻したところで、どうだい!」と、さらにヒートアップ。ヒャダインは目をそらしながらも「今、輝いているじゃないですか」と必死のフォローを試みるが、「いやいや」と否定されてしまう。能町も「今、世界で輝いていますから」と慰めるも、久保には効果がない様子で、「今私、自分のことは大きい妖怪だって思うようにしているから」と謎の発言が飛び出した。

「どういうことですか?」とヒャダインが尋ねると、「久保さんテレビ観てますよとか、マンガ読んでますよとか、私にも気を遣ってくれる人がたくさんいますよ。でもそれは、私が素晴らしい人間だからではなく、私がただの大きい妖怪だからだなって。大きい妖怪の機嫌を損ねると、何が起こるか分からないから、そりゃみんな優しくするよね」と説明する久保。さらに「ここにいる人たちも私のこと大きい妖怪だと思っているよ」とスタジオのスタッフたちを指差していた。

「輝きを取り戻すからダメなんですよ。これからつかもうぜ、ドラゴンボールですよ」と、能町が久保を勇気づけるが、「でも、もう無理だよ~」と弱気な久保。さらに、自虐は止まらない。「輝いているかどうかを他人にジャッジされなきゃいけないっていうのも(嫌だ)。あと、結局、素敵な40代の女性かどうかでいったら、もう私より魅力的な人は多いから。その中でいったら落伍者ですわ」と自嘲的に笑うのだった。

「でも私、40代の魅力的な大きな妖怪部門があったとしたら、けっこういい線いってるんじゃないかな」という久保の謎のポジティブさに、「よく分かんないよ。誰と比べたいのそれ」と、困惑する能町とヒャダイン。「対抗馬は?」と聞かれた久保は「林真理子さんとか」と、失礼極まりない発言で2人を笑わせるのだった。

番組では、この他に、能町が選んだ世界一かわいい文字の話題や、予想を下回る微妙な料理を紹介するコーナーなどで盛り上がった。

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