相模原障害者施設殺傷事件、被害者の声を拾い集めたい…

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12月6日(火)の『ハートネットTV』(Eテレ、毎週月~木曜20:00)は、“シリーズ相模原障害者施設殺傷事件”を放送する。それは、今年7月、相模原の障害者入所施設「津久井やまゆり園」でおきた殺傷事件。今回は、 「障害者週間」(12月3日~9日)を機に、事件が投げかけた重い問いに向き合う2本シリーズの第1回「匿名の命に 生きた証(あかし)を」だ。

この事件の後、警察は“遺族のプライバシー保護”を理由に、被害者を匿名で発表した。われわれが知り得たのは、年齢と性別のみだった。亡くなった19人の入所者はどんな人物だったのか、家族とどんな関係を結んでいたのか、そして何を楽しみに暮らしていたのか。1人1人の“人間味あふれる情報”は隠されたまま、「障害者は不幸を作ることしかできない」といった容疑者の言葉だけが飛び交っている。

そんな中、津久井やまゆり園の元職員たちが、殺された人たちの人生がどんなものだったのか、その手がかりを集めようとしている。「殺された人たちの声なき声を、たとえ痛みを伴ってでも、拾い集めたい。このまま社会からも葬られてしまったら、彼らは二重に殺されたも同然ではないか」という思いから、決意。それぞれが胸にしまい込んできた記憶を思い起こしながら、昔働いていた他の職員や関わりのあった地域の人々などを訪ね、彼らの“生きた証”を拾い集めようとする元職員たちの姿を見つめる。