浮世絵師・北斎「幻の傑作」を現代に!前代未聞の復元プロジェクトに密着

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日本が世界に誇る浮世絵師・葛飾北斎が、最晩年に描いた「幻の傑作」を蘇らせる画期的なプロジェクトが進行中。この試みを追ったドキュメンタリー『ロスト北斎 The Lost Hokusai「幻の巨大絵に挑む男たち」』(NHK総合、22:00~)が11月23日(水)に放送される。語りは堤真一。

幻の作品とは、86歳の北斎が描いた「須佐之男之命厄神退治之図(すさのおのみことやくじんたいじのず)」。江戸・向島の牛嶋神社(墨田区)に奉納された幅3メートルもある北斎の最大級の作品で、須佐之男命が十数名の疫病神を退治する様子が、きらびやかな色彩と、大胆な筆遣いで描かれたという肉筆の大群像画。まさに北斎版の「ゲルニカ」とも言える大作だ。

だが、惜しくも関東大震災で焼失。残されているのは明治時代に撮影された白黒写真だけだ。その画像を最先端のデジタルテクノロジーを駆使して分析、さらに伝統的な修復技術の力も用いて復元する過程を追う。2年におよぶプロジェクトを通じ、次第に明らかになっていく北斎芸術の驚くべき秘密と江戸社会の真実とは。

※葛は、ヒではなく、人が正しい表記。