吸血コウモリの食事、獲物が気がつかない秘密は唾液

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日本国内の身近な自然から、世界各地の未知の自然まで実に様々な物語を紹介する人気自然番組『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』(NHK総合、毎週日曜19:30~)。

10月30日は、「探検!びっくりコウモリワールド」と題して、中米コスタリカの熱帯雨林に住むコウモリたちに密着する。そこは、世界有数「コウモリの楽園」。九州と四国を合わせたほどの狭い国土に、日本の3倍以上100種を超えるコウモリが暮らしている。モフモフの白い毛に包まれたかわいいコウモリをはじめ、足先にある吸盤で葉にぴったりと吸い付くもの、長い舌を伸ばして花の蜜をなめとるもの、さらには川で魚を捕まえるものまで、楽園で見られるコウモリたちは姿も食生活も実に多彩だ。

なかでもユニークなのは、まるで吸血鬼のように動物の生き血を飲むチスイコウモリ。今回取材班は研究者の協力のもと、謎に満ちた吸血シーンの撮影に挑んだ。撮影現場はなんと牧場。夜になると、チスイコウモリは家畜を狙って森から牧場まで飛んで来る。そして寝ている動物の近くに降り立ち、気づかれないようそっと地面を歩いて忍び寄るのだ。チスイコウモリには特殊な能力があり、獲物の体表面の温度を感知し、血管が多く集まっている場所を見つけ出すことができる。狙いを定めると、切れ味抜群のシャープな歯で傷をつけ血をなめとる。一方、なぜか動物は寝たままで、目を覚まさない。実はチスイコウモリの唾液には麻酔作用があり、獲物はほとんど痛みを感じないというのだ。仰天だらけの食事の一部始終を大公開。

さらに今回、取材班はチスイコウモリの意外な行動を目撃。なんとコウモリが仲間同士で食べものを分け与え、互いに助け合う場面に遭遇したのだ。血を飲み不気味な印象を持たれやすいチスイコウモリ。しかし実は、人間も顔負けの絆の強い社会を築き上げていたのだ。驚きがいっぱい、闇のベールに包まれたコウモリワールドを紹介する。