宝塚歌劇、第1回公演の題材は誰もが知るあの童話!

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9月13日の『先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)』(Eテレ、毎週火曜22時~)は、先週に引き続き阪急グループの創始者・小林一三の知恵にスポットをあて“宝塚歌劇の誕生”に迫る。

創立から100年を超え、今や世界にその存在を知られる女性だけの歌劇団、宝塚歌劇。自前の劇場を持ち、数々の国民的スターを生み出してきた一大娯楽産業だ。その原点にあったのは、ショービジネスの世界とはまったく無縁の鉄道マン・一三の奮闘だった。一三が目指したのは、それまで金持ちや、大人の男性を対象とすることが多かった演劇興行のあり方を、「家族で楽しめる新しい娯楽」へと生まれ変わらせること。

そこで、宝塚歌劇の記念すべき第1回公演は童話「桃太郎」のミュージカル版。女だけで演じる学芸会のような舞台は、批評家から「不愉快」「芸術的でない」と酷評される。それでも一三はまったく意に介さなかった。どんなに専門家にバカにされようとも、一部の好事家に向けて作るのではなく、あくまで家族が楽しめる親しみやすい題材でなければ、庶民には受け入れられない。そんな一三の信念があったのだ……。

常識破りの策を次々と繰り出し、世間を驚かせた一三の大胆な知恵に、世界で愛されるキャラクター「ハロー・キティ」のデザイナー山口裕子とともに迫る。