ヒ素ミルク中毒事件はなぜ起こったのか?被害者の今を追う

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7月23日の『ETV特集』(Eテレ、毎週土曜23:00~)は、「母と子 あの日から~森永ヒ素ミルク中毒事件60年~」を放送する。多くの被害者を出した食品公害事件の被害者と親たちの60年の記録を追う。

「森永ヒ素ミルク中毒事件」とは、1955年6月頃から主に西日本を中心としてヒ素の混入した森永乳業製の粉ミルクを飲用した乳幼児に多数の死者、中毒患者を出した毒物混入事件である。

母親が赤ちゃんに与える粉ミルクに猛毒・ヒ素が混入していたと、誰が想像しただろう。130人の乳幼児が死亡、全国で1万3000人以上の被害者を出した食品公害事件だ。被害者の中には、脳性まひなど重い障害が残った人も。しかし後遺症の存在は、事件から10年以上認められなかった。国、森永乳業、被害者団体が昭和48年に「恒久救済」に合意した後も、母親たちの自責の念は消えておらず、番組では、現状についても取り上げていく。