型破りな保育で子どもの力を引き出す、保育士・野島千恵子の流儀

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6月20日の『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合、毎週月曜22:25)は、先進的な保育を実践する保育士・野島千恵子さんが登場する。

待機児童解消に向けて保育園の増設が続く一方で、「保育の質」の低下が懸念されている。そうした中、野島流保育は、こてこての関西弁と外見はまさに“大阪のおばちゃん”だが、その保育は「子どもの力を引き出す」と評され、注目を集めている。

その流儀は、「子どもが子どもを支える保育」を実践すること。従来は保育士が主導して、トイレや歯磨きなどの生活習慣や、遊びを教えるのが常識とされてきた。しかし、野島はすべてを教えることはしない。子どもたちが自分らしさを発揮し、教え合える環境づくりこそが保育士の役割だと言う。

その方法は型破りだ。年齢の違う子どもや障害のある子どもが一緒のグループを作り、あえてちょっとしたトラブルが起きやすい環境をつくる。そして起きる様々な問題を子どもたちに考えさせ、自分自身の力で解決できるよう導いていく。たとえば「嫌いな子の隣に座りたくないとぐずる子どもをどう座らせるか」、野島は子どもたちと一緒に話し合い、1人1人に、何ができるのか「気づき」を与えていく。話し合うだけで1日が終わることもあるが、野島はこのプロセスが自信や人と関わる力を伸ばすことにつながると信じる。

子育てに悩む親にも寄り添い、親子のつながりまで修復させていく野島。共働き家庭の増加に伴い、保育士の役割が重要になる時代に求められるものとは何か、野島の仕事を通じて伝えていく。