「女装」は今やトレンド!?イベント主催者の思いに迫る

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「生きづらさ」を抱える全ての人に向けた新しいスタイルの福祉番組『ハートネットTV』(Eテレ、毎週月~木曜 20時)。5月30日(月)は、「生きづらいなら変えちゃえば?~トランスジェンダー・さつき~」を放送する。出演は、風間俊介(俳優)、AI(アーティスト)、さつき(ライター・タレント)。

LGBT元年とも言われた2015年。自治体が同性カップルのパートナーシップを認める条例を制定するなど、LGBTという言葉が社会に浸透し始める歴史的な年になった。しかし一方で、LGBTという言葉が知られるようになっても、「性別」で様々なことが判断される社会に生きづらさを感じる当事者は少なくない。

今回の主人公は、そうした世の中を変えようと挑む、さつきさん。心が女性でありながら、男性の身体で生まれたトランスジェンダーの彼女は、日本最大級の「女装イベント」の主宰者。「女装」を新たなトレンドとして定着させ、性別にとらわれない装いを好きな場所で行える社会を作りたいと考えている。

しかし、現在のような活動を始めるまでには深い葛藤があった。25歳で念願だった性別適合手術を受けたものの、待っていたのはつきまとう「元男」というレッテルと、それに伴う社会の好奇の目。生きづらさは消えなかった。転機となったのは上京して出来た友人との出会い。周囲の目を恐れて自分を押さえつけるのではなく、周囲の目そのものを変えようと考えるようになった。男が女の服を着るってそんなに変なのか?男らしさ、女らしさって何なのか?性別の概念のあいまいさを社会に突きつけ、社会を変えようとする、さつきさんの思いに迫る。

番組公式サイトでは、風間、AI、さつきへのインタビューが掲載。さつきと話した印象について、風間は「視聴者の方に“風間なに鼻の下伸ばしてるんだよ!”と思われるくらい綺麗な方でした(笑)その綺麗さは、きっとさつきさんの内部から出てくるものなんだと思います。いろんなことを経験して、いろんなことを考えて、もがいた時間があの綺麗さにつながっているのだと思いました」と明かしている。また、視聴者に対して、さつきは「もしあなたの周りに私と同じような方がいらっしゃったら、どうか怖がらずに皆さんと同じ一人の人間なんだと思って頂ければ嬉しいです」とメッセージを送っている。