「世界一美しいクモ」の求愛行動がネットで話題、モテないオスは…

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日本国内の身近な自然から、世界各地の未知の自然まで実に様々な物語をお届けする人気自然番組『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』(NHK総合、毎週日曜 19時30分)。5月28日は、「歌って踊る!“世界一美しい”クモ」を放送する。

“世界一美しいクモ”と言われるクジャクグモ。体長わずか4ミリほどで、オーストラリアだけに暮らす珍しいクモだ。その名の通り、オスはお腹にクジャクの羽のように鮮やかな模様をもつ。恋の季節、オスは派手なお腹を広げてメスに求愛。目にも留まらぬ高速ステップを駆使しながら、足を上げ下げするラジオ体操のような奇妙なダンスを披露してメスに接近、さらには、ラブソングまで歌って猛アピールするのだ。

実は、クジャクグモは、最近までその存在すら一般には知られていなかった。数年前、地元の写真愛好家がクジャクグモの求愛ダンスを撮影し、インターネットの動画投稿サイトで公開したところ話題を呼び、一気に注目されるように。マスコミにもしばしば取り上げられ、クモが苦手な人をも魅了するなど、ちょっとしたブームになっている。

しかし、クジャクグモはこれまでほとんど研究されことがなく、その生態は依然謎だらけ。そこで取材班は、オーストラリアの中でもクジャクグモが多く生息しているという南西部の街パースで、独特の求愛行動に密着。ハイスピードカメラや昆虫マイクなどの特殊機材を駆使し、オスが歌う人間には聞こえない「歌」や、メスにダンスを気に入られなかったオスが、メスに食べられてしまうという衝撃的な生態をとらえることに成功した。華麗さとは裏腹に、過酷な運命を背負ったクジャクグモの恋のドラマに迫る。