堀井新太、主演作『川獺』は「本当に今世の中に伝えるべき作品」

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3月29日(火)22時からNHK総合にて、堀井新太主演の創作テレビドラマ大賞『川獺(かわうそ)』が放送される。創作テレビドラマ大賞とは、日本放送作家協会とNHKが共催するテレビドラマのオリジナル台本を対象としたコンクールで、脚本家の登竜門として知られる。今年度で第40回の歴史を持ち、NHKでは毎年大賞受賞作品をテレビドラマ化してきた。今回映像化される『川獺(かわうそ)』は、応募総数881編から選ばれた2014年度・第39回の受賞作だ。

24日に渋谷の同局にて試写会が行われ、堀井をはじめ、勝村政信、「第39回創作テレビドラマ大賞」受賞者の山下真和が出席した。

主人公・松浦 保役の堀井は、「高知で撮った意味が作品を見てわかると思うんです。きれいな海、そして山、川……。セットは一切なく、ロケ地の高知の方の家をお借りして撮影させてもらいました。脚本を最初に読ませてもらって、本当に今、この世の中に伝えるべき作品で、山下さんのデビューということもあって、絶対にいい作品にしなくてはと思っていました。伊勢田(演出)さんもすごい監督だと思っているので、信用して一生懸命作ってきました。とにかく演じられてよかったな、と思っています、勝村さん、そうそうたる先輩たちの役者さんが、すごくこの作品を彩ってくれて、僕は今後もうそのつかないお芝居をしていきたいというか、見ている人が、本当に役に入っちゃってるとか、今後も真に訴えるそういう表現をして皆さまに伝えていけたらなと思っています」と笑顔を見せた。

そして、保の父で須藤明憲役の勝村は、「本当に胸にくるものがございまして、参加させていただいてよかったなと心から思いました。今回の高知・須崎という場所に伺った時に、この物語の本質というか、この自然を愛する気持ちであったり、地元を愛する気持ちであったり、家族を愛する気持ちであったりという、そのよかれと思ったことが悲劇につながり、親子の確執に、世代を超えた確執につながったりとか、あまりの自然の美しさに、そういう悲劇性も見えてきてしまって、美しいということは悲しいことにもつながるんだなと改めて思いました。あとは本当にすばらしい本と、すばらしい演出と、監督と僕、こう見えて年が一緒なんですが。(笑)同じ世代の方がこうやって本当にすばらしい作品を作り出して下さって、そこに同じ年の自分が参加できるということが本当にうれしいことです」と明かした。

実質8日で撮影されたという本作。演出の伊勢田は、「堀井くんが、初々しいといいますか、打てば響くといいますか、なかなか素直でいい演技をして下さった」とお墨付き。脚本家・山下の作品が、48分のドラマのなかにどう描かれて行くのか? 受賞作の初の映像化に注目が集まる。

【あらすじ】
父はなぜ世間を騙すような嘘をついたのか。14年ぶりに故郷に帰った息子がたどり着いた真実とは? 松浦保(27)は、父・明憲(28)の危篤の報に接し、14年ぶりに故郷の町に戻って来る。明憲は絶滅したはずのニホンカワウソを発見したと嘘の発表をして世間を騒がせ、それがきっかけで離婚し、保とは別々に暮らして来た。父にわだかまりを抱きつつ、妊娠した恋人を守りきれない自分にも苛立つ保。しかしふとしたきっかけで、父の行動の陰にカワウソの住む磯を守りたいという強い思いがあったことを知り、父の生き方を理解して新たな一歩を踏み出していく……。