石丸幹二は“違いを見せる男”三谷幸喜『ギャラクシー街道』で新境地

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――宇宙という広大な舞台にもかかわらず、舞台はハンバーガーショップの店内だけで、出てくるキャラクターも奇抜だけど身近な存在ばかり。三谷ワールド全開のコメディでありながら、これまでの三谷幸喜作品とはひと味違うのかなと思いました。

すごくシュールですよね。ヒーローではない普通の人々が集まって、日常と非日常がかぶさるような世界観として描かれている。そこは三谷さんの狙いだと思いましたし、随所に笑いのポイントがちりばめられています。遠藤憲一さんのラストなんて誰も考えつかないですよね(笑)。本当に面白い作品になったと思います。

――巷にいそうな“おじさん像”がムタでユーモラスに描かれていますよね。

未来という設定なのに、携帯電話は普及したばかりの時代のような大きな端末を使っていたりして、いつの時代かがわからない雰囲気を持っているのも三谷ワールドの魅力だと思います。今回、ムタの造形にあたって特に意識したのが“昭和っぽいサラリーマン”と“堅物な真面目な人”というポイントなのですが、三谷さんの目には、私の中にあるそういう要素が映っていたんだなあと思いました。

――三谷さんからは役柄についてオーダーはあったのですか?

キャラクターとしては「堅物な医者」ということと、「恐い妻が家にいるから、ちょっと外に出て、少し火遊びをしたくなった」という2つの柱があると現場で伝えられました。でも、何の医者なのかもわからなくて「何のお医者さんなのでしょうか?」と聞きました(笑)

――撮影していて、思い出深いシーンはありますか?

三谷さんはビックリさせるのがお得意なんですよ。コールガールのカタログを見るシーンがあって、「どう見ても田村さんを選ぶしかないだろう!」というような内容で、あれはすごく印象的で楽しかったです。

――ムタと比較して石丸さんはどのような人物なのでしょう?

ムタは、とても共感できるポイントが多いキャラクターでした。私はもちろん、こそこそ宇宙にまで出かけていって悪さをしようなんて思いませんが、一つのことに熱中して、そこに時間を割いていくというのは共通していると思います。