生きたまま土中に埋まり自ら“ミイラ化”、「即身仏」の謎に迫る

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教科書では教わらない歴史上の人物の奥深き心情をたどり、知られざる物語を紹介する歴史情報番組『歴史秘話ヒストリア』(NHK総合 毎週水曜22時~22時43分)。6月3日は「オレは即身仏になる!~“ミイラ仏”の不思議な世界~」と題して、山形県の霊場・湯殿山の麓に「即身仏」と呼ばれる不思議な仏の謎に迫る。

修行僧が五穀を断ち、生きながらに土中に埋まり、自らの意志で“ミイラ化”するという世界に類を見ない仏のカタチ=「即身仏」。始まりは、空海が唱えた「人はこの世で、この身のまま仏になれる」という「即身成仏」の思想。以来、即身仏は全国に広がり、明治まで生まれ続けた。現在、西は京都から東は山形まで全国に17体がまつられるが、中でも庄内平野には実に6体が現存する。

即身仏となった人々はどのような人生を送り、どのように即身仏となったのか。その謎を解き明かす鍵が、鶴岡市・注連寺の即身仏「鉄門海(てつもんかい)」だ。彼が生きた江戸後期の記録が近年民家で見つかり、彼が即身仏となるまでの“歩み”が明らかになってきた。即身仏を目指して厳しい修行を続けてきた鉄門海、だがしかし、準備万端でまもなく入定という時になって、無念にも病死してしまう。自ら“即身仏”になることが叶わなかった鉄門海が即身仏としてまつられることになったわけとは……。

番組では、鉄門海の人生を追いながら、庄内地方に今も受け継がれる、知られざる即身仏の世界を紹介する。