「人々の判断材料に」福島第一原発の今を伝える報道特番をフジ系列で放送

東日本大震災から4年となる3月11日(水)14時から、フジテレビ系列ではFNN報道特別番組『震災と原発と日本の覚悟』を放送。東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業と福島復興の拠点でもあるJヴィレッジ内の特設スタジオから、政府主催の追悼式典や、午後2時46分の被災3県の表情を中継し、さらに「原子力発電」に焦点を当て、福島第一原発の今や、周辺住民の生活など、原発を巡る様々な問題を伝えていく。

想定外とされる中で起きた事故で甚大な被害をもたらし、震災から4年経った今もなお福島県民10万人が避難生活を余儀なくされている福島第一原発の事故。フジテレビ報道局の吉澤建一プロデューサーは「“原発”というと福島県の問題と捉えがちです。でも、福島第一原発で作られていた電力は東京の人たちも使っていました。また事故が起こればその影響は広範囲に及びます。つまり原発は決して特定の地域だけの問題ではないのです。タイトルに“日本”を入れたのもそんな思いからです」と、番組へ込めた思いを語っている。

番組では、事故後の福島を伝え続けてきた安藤優子キャスターが、春以降に住民の帰還を目指している福島県楢葉町や原発20キロ圏内にとどまる住民の様子を伝え、さらに6キロ圏内では白斑が出ている牛やアブラムシの異常など、放射能の影響を調べる研究者たちを取材する。そして、酒主義久アナウンサーは、思うように廃炉作業が進まない福島第一原発の内部を取材し、排水路から海に流出していたことが新たに発覚した汚染水が今どうなっているのかを伝える。また、スタジオでは、原発事故を取材し続けてきた、福島テレビの坂井有生アナウンサーが模型を使い、建屋内に1日に300トンほどの地下水が染み込んでいる汚染水の発生理由と今後について、ゲストや専門家と共に考察する。

そのほか、放射能検査は「合格」なのに食べてもらえないと苦悩する生産者や、東京電力が原発事故で家を追われた被災者たちに支払っている賠償金だけで暮らす若い夫婦の一家に密着。また、原発事故後、福島県は子供38万人の検査を実施。その結果、これまでに100人以上が甲状腺がん、または甲状腺がんの疑いと診断された。チェルノブイリでは、原発事故から4年後に子供の甲状腺がんの発症が急増したというが、被ばくの影響によるものなのか。複数の専門家に見解を聞いていく。

前述の吉澤プロデューサーは、「電力の安定供給は大切なことです。しかし、原発が再稼働すれば必ず発生する“核のゴミ”の最終処分場は決まっていません。問題を未来へ先送りしたまま、原子力のエネルギーを享受するのか? 『そうだ』との考えもあるでしょうし、反対の意見もあるでしょう。番組に求められるのは、人々の判断材料のよりどころとなる正確かつ幅広い情報、多様な視点を提供することかと考えています」とコメントしている。

東日本大震災に伴う原発事故が起こる前、約30%を原子力発電に頼っていた日本の電力供給。2013年9月以降、日本国内の原発50基はすべて停止され、電気事業連合会のデータによると2013年の電力供給は88.3%が石炭、LNG、石油等の火力発電由来となり、原油価格の高騰などもあり燃料費は過去最高の7.7兆円を記録している。原子力によって発電コストが総合的に下がるか否かは意見の分かれるところだが、昨年、九州電力川内原子力発電所と関西電力高浜発電所が原子力規制委員会の安全審査を合格し、今年の春以降に再稼働する可能性がでている。

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