国立競技場で開催されたイベントに密着! JFAと協賛企業が広げるサッカーの裾野

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国立競技場で開催されたイベントに密着! JFAと協賛企業が広げるサッカーの裾野

6月29日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、アパレルブランドのユニクロを展開するファーストリテイリングの取締役・柳井康治がゲスト出演。20年以上にわたるユニクロとサッカーの関わりを語った。

2014年に日本サッカー協会(JFA)では、年齢や性別、障がいなどに関わらず、誰もがサッカーを楽しめる環境を作り、サッカーが日常となる国を目指すため、「JFAグラスルーツ宣言」を発表。ユニクロでも2003年からグラスルーツに関わっており、柳井は「当時、JFA会長をやられていた川淵三郎さんと、うちの社長の柳井正が話をする機会がありまして。最初にスポーツに触れる年代から本腰を入れてサッカーの普及をやりたいというお話をされて、我々もその志に近しいものを感じ、一緒にやらせていただいたというのがスタートですね」ときっかけを明かした。

ユニクロとJFAの取り組みの一つとして、2003年からはじまったのが「JFAユニクロサッカーキッズ」だった。延べ30万人ほどが参加しているこのイベントは、サッカー経験の有無や性別を問わず、6歳以下の未就学児童であれば無料で参加でき、日本全国の会場で開催。久保建英佐野海舟といった日本代表選手も少年時代に参加しているという。

未来の日本代表がはじめてサッカーに触れる可能性のあるイベントは、国内有数のスタジアムやプロ野球のドームなど、あえて大きな会場で開催。子どもたちはトップ選手と同じピッチでサッカーを楽しむことができる。柳井は「ピッチに入れるということが子どもたちにとっても夢のある話。大人の我々にとっても“ピッチに降りていいんだ”というのが、すごくうれしい驚きなので、そこは大切にしています」と、狙いを説明した。

実際に番組が取材した日も、サッカーの聖地である国立競技場でイベントが開催されており、子どもの親たちは「自分も立ったことない国立競技場に、はじめてサッカーをやる娘が出ているって、すごい!」と興奮。この日集まった約2,000人の子どもたちは、元日本代表の内田篤人や元なでしこジャパンの岩渕真奈らと共にサッカーを楽しんでいた。

イベントのキャプテンを務める内田は「もちろんこの中から、将来、日の丸を背負ったり、Jリーガーになったりする子どもたちがいればすごくうれしいですけど」と期待を寄せつつ、「サッカーを通じて体を動かすことの素晴らしさとか、集団で行動することの大切さなどを学べればいいんじゃないかなと思っています」と話した。

スタジオでは、解説の坪井慶介も内田や岩渕と同じ立場でイベントに参加したことがあるとアピール。実はプロ野球の埼玉西武ライオンズファンでもある坪井は「僕のときは西武ドーム(ベルーナドーム)でやらせていただいたんですけど、子どもよりもまず自分が感激しちゃって。小さい頃、ずっと西武帽を被ってサッカーをしていたんですよ」と笑わせ、MCの勝村政信からは「西武帽ってなんだ!」とツッコまれていた。

さらに、イベントでは遊具を使って遊べるスペースや、EXILEのパフォーマー・TETSUYAによるサッカーとダンスのコラボレーション「クラッキ!ダンス」のレクチャーなど、サッカー以外も充実。サッカーだけに偏らない、様々な動きの大切さを伝える場にもなっている。

また、イベントではユニクロらしいサステナブルな取り組みも。子どもたちが着ているTシャツはペットボトルを再利用した素材で作られており、参加者全員にプレゼントされるのだとか。柳井は「もらったTシャツでサッカーをしていると、他の子たちから“いいな”“あのTシャツほしい”みたいなことが実際に発生しているようで、そういうきっかけに我々の服がなっているのは、とてもありがたいですね」と喜んだ。

そして、このユニクロの試みは海を超えるまでに成長。去年は内田もプレーしたドイツの名門・シャルケ04のスタジアムで開催され、今年はオリンピックの開催地でもあるフランスのパリで行われた。しかも、会場はフランス代表のティエリ・アンリや、キリアン・エムバペらを輩出した国立のサッカー施設・クレールフォンテーヌ国立サッカー学院。この日は、元フランス代表のクリストフ・デュガリーや、元日本代表監督のフィリップ・トルシエらも参加し、現地の日本人やフランスの子どもたち約120人と交流した。

こうした協賛企業によるサッカー普及への取り組みは拡大しており、JFAではトヨタ自動車の協力のもと、車椅子などで移動もままならない子どもたちと、その家族を福祉車両でスタジアムへ送迎する観戦ツアーを実施。参加者は「家族でみんなで参加できるのでワクワクしています。交通手段によって観戦に行く・行かないっていうのが決めるポイントだったりするんです。自分たちが行くときも駐車場が確保できなかったら、やっぱり行く気にならないので、本当にありがたい」と感謝を伝えていた。

坪井はあらゆる人へサッカーを普及させていく大切さを説き、勝村もサッカーが子どもたちの可能性を広げる一つのきっかけになると主張。「(サッカーの)ユニフォームを見て、素敵だから私はデザインがしたいとか、そういうきっかけになってもいいし。そういう空間を作ってくださることが素晴らしいなと思いました」と、取り組みを褒め称えた。

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