『厨房のありす』門脇麦“ありす”と永瀬廉“倖生”が見つけた「好き」の正体と好きな人の秘密

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『厨房のありす』門脇麦“ありす”と永瀬廉“倖生”が見つけた「好き」の正体と好きな人の秘密

人は誰かを好きな気持ちを自分の中に見つけた時、自分自身のことも再発見したかのような感覚になる。自分の心の中に、生活の一部に相手がいることに気づき、なんだか心強くあったかい心持ちになる。こんなに素敵な相手を好きになれた自分のことも褒めてあげたいような、そんな自分も誇りたい気持ちになるものだ。

厨房のありす』(日本テレビ系、毎週日曜22:30~)第5話では、八重森ありす(門脇麦)と酒江倖生(永瀬廉)それぞれが互いを好きな気持ちを認識していく過程が描かれる。

常連客の柴崎明里(金澤美穂)が好意を寄せる不動産会社の先輩・大塚圭介(渡辺大知)の気持ちを知るために、ありすと倖生は同棲を検討しているカップルを装い、圭介の職場に出向き引越しの相談を持ちかける。そして内見時に彼の嫉妬心を掻き立てようとわざと転んだ明里を倖生が抱きかかえるというシチュエーションを何度も再現する。

結果、予定外の出来事ではあったものの、最後に本当に階段で足を踏み外した明里を倖生が咄嗟に支えた瞬間に出くわした圭介は、モヤモヤした気持ちに襲われ彼女への好意に気づいたのだった。ありすと倖生の作戦は成功したのだ。

人は自分の好きな相手の話をする時、それだけでもう幸せそうな表情を見せるものだ。圭介が明里への思いに気がついたきっかけを話す時も。心護(大森南朋)がいまだに“好きな人”と聞くと、真っ先に頭に浮かび「大好きだった」とはっきり言える十嶋晃生(竹財輝之助)の話をする時も。

それなのに、倖生が三國谷優作(前原瑞樹)に促されて“好きな人”の話をする時は、どこか寂しげだ。

「いつもひたむきっていうか、真っ直ぐっていうか、俺にないもんたくさん持ってる気がしてて、何かその子と一緒にいると俺の人生も捨てたもんじゃないなって思えるんですよね。でもだからこそ俺のせいでその子の人生壊しちゃったら、俺一生後悔するなって」と先回りして考えて、自分の気持ちをセーブしているようだ。

松浦百花(大友花恋)に言っていた「俺に好かれたって迷惑なだけだよ」、三ツ沢和紗(前田敦子)に明かしていた「元からないもんだと思ってんですよね」という彼の恋愛観についての言葉が思い返される。

自覚するより早く“好き”はもうそこにあるものかもしれない

この“アクシデントポイント”作戦のクライマックスに起こった予期せぬ出来事は、どこかありすにも居心地の悪さを覚えさせたようだ。最後の展開は明里と倖生が示し合わせたものなのか気になる。そして「私には恋愛はわからないということがわかりました」と結論づけていたありすが、その感覚を掴む瞬間はあまりに突然であっけないものだった。

ありすにとって美味しいご飯を思いついた時も、新しい化学の知識を得た時も、三國谷に腹が立った時も真っ先にそれを共有したいと思い浮かぶ相手はすでに倖生のようだ。日々生活の至るところにその人の気配を感じたり、ちょっとしたハイライトをすぐさま報告したい、そうすれば“どんな顔をするかな?”と頭によぎる相手というのは“恋愛の好き”でもあり、“それ以外の好き”でもあるだろう。

初めてその“好き”を自分の中に見つけられたありすが大興奮で和紗の元に駆け寄り報告する姿は本当に嬉しそうで、誰かを好きになることの喜びや大切な存在が増えることが自分を強くしてくれる感覚を思い出させてくれる。

「恋は駆け引き」だとありすをなだめる和紗だが、料理にしろ化学にしろこんなに「好き」に“ひたむきで真っ直ぐ”なありすが倖生に今後どう向き合っていくのか楽しみだ。ありすのことばかり嬉しそうに話す倖生の様子に、彼に渡すはずだったバレンタインチョコをそっと引っ込めた百花もこの恋に関わってくるのは間違いなさそうだ。

ありすと倖生が出会う前からふたりの間にすでにあった繋がり

そして今話明かされたのは倖生が「ありすのお勝手」での住み込みバイトを希望した理由だ。心護にとって特別な人だった晃生こそが、倖生の父親だったのだ。心護の口からありすに語られる晃生の特徴は尽く倖生と同じだった。

ゲイであることを隠していた晃生は親から勧められた人と結婚したようだが、元々子供が大好きだったという。「人を幸せにして生きていってほしい」と我が子に“倖生”と名付けた晃生は、もしかするとこの子には自分の気持ちに正直に生きて欲しい、自分も幸せに生きていって欲しいという願いも込めたのではないだろうか。

そして彼はすでに亡くなっていることもわかる。その命日に墓参りに行った倖生と出くわし「晃生を、お父さんを殺したのは僕だ」と打ち明けた心護。心護は倖生の正体にいつから気づいていたのだろうか。そしてこの発言の真意とは。

また誠士(萩原聖人)が心護に言い放った25年前に起きた火事の真相について「バレて困るのはお前だろ」という言葉も気になるところで、全ては繋がっているのだろうか。晃生もどうやら五條製薬関係者だろうことはこれまでのやり取りからもわかっている。

父親から心護宛に書かれた手紙を倖生は見つけるが、そこに何が書かれていたのか。そして倖生はもうその中身を読んだのだろうか。仕事中に彼が倒れてしまったことの原因になっていたりするのだろうか。

晃生のおかげで子供と一緒にいる未来が想像できたという心護によって愛情いっぱいに育てられたありすと、何があったのか犯罪に手を染めてしまった晃生の息子ということで様々なことを諦めてきた倖生。2人が互いに抱いている“好き”はどこへ向かうのだろうか。

文:佳香(かこ)

次回第6話は2月25日に放送される。なお現在、民放公式テレビ配信サービス「TVer」では、第1話~第3話、ダイジェスト、配信限定の「化学で簡単レシピ」なども配信中。

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