『不適切にもほどがある!』古田新太の若かりし頃を演じるのは錦戸亮!?今後は時空を超えた家族の物語に?

公開:
『不適切にもほどがある!』古田新太の若かりし頃を演じるのは錦戸亮!?今後は時空を超えた家族の物語に?

既読スルーってありですか? ありです! 2月16日放送の『不適切にもほどがある!』(TBS系、毎週金曜22:00~)第4話は、小川市郎(阿部サダヲ)がメッセージアプリデビューで一悶着! さらにラストで家族にまつわる衝撃的な事実が……。

SNSのつながりすぎにご用心!

市郎の飲み込みの速さ、柔軟性、理解力はすごいと思う。おやじ世代だと「俺はこういう人間だ」と価値観を変えない人が多くなってくるが、どんどん令和に馴染んできている。スマホも扱えるようになり、メッセージアプリのQR登録までマスターしている。

びっくりしたのはカウンセリングに来る人みんなとアプリでつながりたがること。ただ面倒なのが、既読スルーが許せず行き過ぎた反応を示してしまう点だ。やはりスマホを手にした時点でネットリテラシー教育は必須だろう。

今回のミュージカルは犬島渚(仲里依紗)with市郎被害者の会メンバーが登場。既読は生存確認ぐらいのスタンスでOKで、SNSは本気で向き合ってはダメ。それを聞いて、「そうだったのか」「アイムソーソーリー」と歌で理解と反省の弁を述べる市郎、着実に進歩している。この物語は昭和の価値観で令和をぶった斬る話ではなく、昭和おやじのアプデ成長譚として見て良さそうだ。

授業中に回ってくる小さい手紙、連絡網、公衆電話に駅の伝言板。誰かに何かを伝えることが面倒で大変だった時代と比べると今は便利にコミュニケーションが取れるが、それ故の悩みも多い。フランスでは労働者が勤務時間外の電話・メール・LINEといった一切の連絡に対して対応を拒否できる「つながらない権利」が認められているが、ぜひ日本でも法制化してほしい。

一方、気になるのは市郎と渚の関係。「タイムパラドックス」から、どうやら血縁関係者なのではと予想がつく。さらに渚の父・ゆずる(古田新太)が市郎を「お父さん」と呼ぶ状況を踏まえると、渚の母親は純子(河合優実)で、市郎は渚の祖父ということか? ということは、純子は昭和の時代から9年後、阪神・淡路大震災の年である1995年に死ぬ運命に……。そして次回の出演者・錦戸亮はまさか、ゆずる? ここにきて急に時空を超えた家族の物語が立ち上がってきた。

触れたすぎるトピック総まとめ

・LGBTの扱い
解像度が低いまま雑に扱うなら無理にLGBTの話をぶっこむ必要はなかったのでは? と思うけど、向坂家のパターンで「タイムパラドックス」を説明するためにねじ込んだのか。ただこのシーン、向坂サカエ(吉田羊)の口から飛び出した言葉は令和のフェミニストが言うはずのない、理解のない危うい台詞のオンパレードだったのは気になる。市郎が徐々に令和の価値観に馴染んでいくように、サカエも昭和のヤバい価値観に染まりだしている? ちなみにBL漫画の金字塔として「風と木の詩」のくだりがあったのは、『きのう何食べた?』でジルベールと小日向カップルを演じた磯村勇斗山本耕史が同ドラマでも出演しているから。同様に『大奥』(NHK)で徳川綱吉と右衛門佐を演じた仲里依紗と山本耕史が一緒の画面に収まっているのもうれしい共演。

・テレビ局のコンプラ
「俺」をタイトルで使用できないなど飛躍しすぎた話題が多かったのは、報道番組を模したバラエティ『全力!脱力タイムズ』内で不適切発言をチェックする「コンプライアンス委員会」を彷彿とさせる。ってことはこれはネタとして笑って見るのが正解。それを思うと、これから市郎のカウンセリングルームが呼び出し部屋となり、ちゃんとコンプラを身に付けた市郎がバシバシと指導を入れる展開はありそうな気がする。

おニャン子クラブ
おやじ世代がスナックで歌うような曲は女性蔑視、女性歌手の歌は重いというのは時代的にだいたいそう。それに「軽い」チョイスで入れたおニャン子クラブの歌詞は男性目線過ぎ。歌がうまい渚がわかりやすく不服そうに歌う描写に、制作陣の明確な意図を感じた。作詞の秋元康といえば『あまちゃん』で古田新太が演じた“太巻”プロデューサーを思い出す。アイドルビジネスって本当に「地獄に落ちる」(by市郎)仕事だ……。

・令和のインティマシーシーン
コンプラ意識の高まった現代を象徴する職業であり、演出側と俳優の間に立つケイティ池田(トリンドル玲奈)の存在は重要。ただドラマ内では俳優本人ではなく事務所が急にNGを出すという特殊な状況のため、リアルな仕事内容や意義がしっかり描かれていなかったのは少し残念だった。まず、インティマシーコーディネーターをしっかり入れるリテラシーのある現場だったら、インティマシーシーンは最少人数のスタッフ体制で撮影されるべきだという理解があるはず。ぜひ実際にインティマシーコーディネーターをスタッフに加えて撮影を!

・昭和のラブシーン
令和のラブシーン撮影と呼応するように挿入された、純子とムッチ先輩(磯村)のシーン。磯村勇斗が白ブリーフ1枚の姿で立っていたのは『恋する母たち』のオマージュ。画作りも技巧的な令和の撮影方法とは違い、俳優の演技に託されるストレートな画角で、時代的な映像の差も感じられた。さらに昭和パート、ラブシーンの会話がすべてマッチの歌詞で成立するのは面白い発見だった。

(文:綿貫大介)

PICK UP