『不適切にもほどがある!』合意のない性行為は犯罪だと伝える大切さ、クドカンの目に性加害はどう映る?

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『不適切にもほどがある!』合意のない性行為は犯罪だと伝える大切さ、クドカンの目に性加害はどう映る?
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痛快なクドカンワールド全開! 2月2日放送の『不適切にもほどがある!』(TBS系、毎週金曜22:00~)第2話は、初回で謎めいたシングルマザーとして登場していた犬島渚(仲里依紗)メインの回。“地獄のオガワ”こと小川市郎(阿部サダヲ)は彼女が抱える問題をぶった斬って解決へと導くことができるのか?

働き方改革の中で自分らしく生きるには?

第1話で謎だらけだった渚はテレビ局で働いていた。夫の谷口龍介(柿澤勇人)は正論しか言わないことで人気のフリージャーナリスト。息子を出産後、職場復帰したはいいものの、ワーキングママの現実はやはり大変。「俺にできることがあったら」といって何もしない上司に、シフト制の後輩(今のテレビ局ってこうなの!?)、不慣れな託児室のシッターさん……これなら一人で頑張ったほうがいいと思い詰めるに至っていた。

要は、働き方改革のしわ寄せを一人で被っている状態。正直それは組織としての欠陥で、渚が背負い込む必要は一切ないこと。カウンセリングルームに行くんじゃなくて、労働相談窓口に行ったほうがいい!

外面だけの夫が渚のキャリアや育児に関して協力的な言葉を吐きながら何もしてくれないこともストレスの要因で、会社には辞表、夫には離婚届を突きつけていた。仕事と家庭、両方手放すって無鉄砲すぎるけど、渚は晴れ晴れしているようだった。

そんな渚が古巣のテレビ局で、上司と夫双方と対峙することになるのが今回の山場。ということは、ミュージカルの開演です! まずは「働き方ってがむしゃらと馬車馬以外あるの?」という市郎が、高度経済成長でみんなが夢見て働いていた時代のことを歌い上げる。

それに対し龍介は、働き方改革の大切さを「同調圧力」で休めない社員目線で反論した。『鎌倉殿の13人』で柿澤勇人を知った方、これが本領発揮の姿です!『ジキル&ハイド』をはじめ、ミュージカル界で活躍するスター俳優です! これ、今後もミュージカルスター続々出演の流れか? もしかして令和を生きる88歳の市郎として市村正親が登場して歌い上げたりする? なんて期待もしてしまう。

最後は渚。辞表を撤回し、働き方に対しての要望を歌に乗せて上司に伝えた。権利を主張し、対話する。それが今の労働者がすべきことだよ。渚、よくやった! 龍介のいう「限られた時間と予算の中で最大限の努力をする」は正論だけど、話をする際にほしいのは正論ではなく気持ち、という場面は多々ある。

そんななかで市郎が言った「あんたが今してほしいことが、俺にできることだよ」はかっこよすぎた。

昭和とのギャップ満載! 令和の描き方

働き方改革以外に、第2話で令和の時代性をどう描いていたかもまとめて振り返りたい。

1、フェミニストの台頭
渚によると、どうやら向坂サカエ(吉田羊)は令和ではフェミニズムの旗手として有名のよう。メガネで口うるさいサカエのキャラクターって、ちょっと古いフェミニスト像な気がするけど……メディアでも活躍している設定ということを考えると、これくらい「わかりやすさ」がないとまだメディア進出できないのかもしれない。1986年は男女雇用機会均等法が施行された年だけど、現代も男女格差は開いたまま。サカエが昭和に改革をもたらして未来を変える展開希望!

2、性的合意は必要!
市郎は「なにもしないと言ってなんかしちゃうのが男と女じゃないの?」という価値観。未だにそう思っている人が多いけど、秋津(磯村勇斗)が言うようにこれは不同意性交罪でアウト。合意のない性行為って、犯罪ですからね。昨年から性加害ニュースが続いているなかで、ちゃんと台詞として伝えたいという思いあってのシーンだったと思う。ただ秋津が言及していた性的合意アプリに関しては悪用される可能性も高いから、実用性には疑問もある。ここでわざわざ登場させたのは2024年というタイムリーな時代性を反映させるためだろうか。ドラマでは対話の大切さも示してくれているから、性的合意についても何より当たり前に相手に寄り添ったコミュニケーションを、という示し方でよかった気はするけど……。

3、思い出はスマホの中
渚は過去を振り返るとき、スマホで写真を見せながら語ってくれていた。一方、市郎は大切なものをすべて持ち歩くスタイル。夫婦の紙焼き写真のアルバム、やり取りした手紙、初デートで買ったおまもり、純子(河合優実)のへその緒や乳歯までを巾着袋に入れていた。阪神淡路大震災や東日本大震災への言及もあったけど、災害のことを思うと大切な物資を持ち歩くって理にかなってるかも。加えて現代なら災害時の備えを詰め込んだ「災害ボトル」もね。

また、「自分がエコノミーならあいつはエコノミー、自分はビジネスならあいつはエコノミー」と思う芸能人のメンタリティ、八嶋智人を基準に芸能人のランクを決めるなど、クドカン節が炸裂していたシーンや、憤る渚のために市郎が作った焼きうどんが『池袋ウエストゲートパーク』でマコトのおかんが作った目玉焼きのせの「パワー焼きそば」さながらだったことも触れておきたい。

テレビ局のカウンセラーの職を得たと思ったら、ひょんなことでまた過去に逆戻りした市郎。次週は昭和がメインとなりそうだ。

(文:綿貫大介)

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