堀田真由、美璃と萩原利久“空”のキスシーン語る「いろいろな見方ができる」【連載PERSON】

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堀田真由、美璃と萩原利久“空”のキスシーン語る「いろいろな見方ができる」【連載PERSON】

人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」。今回は、11月12日に第4話が放送されるドラマ『たとえあなたを忘れても』(ABCテレビ・テレビ朝日系、毎週日曜22:00~)で主演を務める堀田真由さんが登場します。

『アミューズ オーディション2014』で「WOWOWドラマ賞」を受賞した堀田さん。その後、俳優としてNHK連続テレビ小説『わろてんか』や、『3年A組―今から皆さんは、人質です―』『大奥』『風間公親-教場0-』など、数多くの作品に出演したほか、雑誌「non-no」で専属モデルを務めるなど、多岐にわたって活躍中です。

浅野妙子さんが脚本を務める『たとえあなたを忘れても』。ピアニストになる夢を失った主人公・河野美璃(堀田)が、大好きなメロンジュースをきっかけに記憶を失ったキッチンカー店員の青木空(萩原利久)と出会います。2人はやがて思いを寄せ合って……。

第3話では、美璃と空との関係に大きな発展が! この切なくも美しいヒューマンラブストーリーを“深く”知るため、堀田さんには本作への思い、美璃の胸中、さらには彼女が働く携帯ショップのことなど、たっぷりとお話を伺いました。

※以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。

“空気を作る”座長としての立ち振る舞い

――これまで数多くの名作を生み出してきた脚本家・浅野さんの世界に触れてみて、どんなことを感じましたか?

台詞がすごく温かくて、浅野さんの力強いメッセージ、勇気づけられる言葉がたくさんあるなと思いました。劇中では、美璃のナレーション(モノローグ)が多いんですけど、その言葉が本当に美しくて、儚くて……。素敵な贈り物をしていただいたので、“これをどういう気持ちで言えば、みなさんに届けられるだろう”と常に考えています。

――(取材時)まだ撮影がはじまったばかりです。物語の印象はいかがですか?

今はSNSの普及で、自分自身を大切にするというより、周りとくらべてしまうじゃないですか。その気持ちもすごく分かるんです。人と自分をくらべて落ち込んでしまうことがある中、この話を読んだときに「きっと今日という日は無駄な1日じゃなかった」「大切な出来事がやって来る前の選択肢が増えた日常だった」と、すごく前向きになれるな、と感じました。

それぞれのキャラクターが、人と出会って自分の居場所を見つけていく物語なので、見てくださる方にも希望となるような作品になるだろうなと思っています。私が学生のときは「何曜日にこのドラマがあるから学校頑張ろう」とか「今日帰ったらこの作品を見るから頑張ろう」みたいなタイプだったので、見てくださる方のホッとできるような、自分の居場所になるような作品にしたいです。

――萩原さんとは4回目の共演ですね。

初めてお会いしたのが10代のとき。映画『あの日のオルガン』でした。作品の中では関わりがなかったんですが、次の『3年A組』では学生役で席が前後だったんです。やっぱり、席が近いとすごく仲良くなるんです(笑)。それから『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』では幼馴染の役で、萩原くんが私を好きになるのですが、私は彼に対して幼馴染みの感情でしかない役柄で……今回、4度目の共演にして(役として)やっと結ばれそうというか(笑)。

同い年で、いろいろな関係性をやらせていただいているので、すごく楽しみです。オリジナルストーリーなので、これから、どういうふうに話が進んでいくのか分からない中、作品に対していろいろなことを話せる萩原くんとご一緒できて良かったな、とすごく思います。

――ビジュアル撮影時は、お互い照れている雰囲気もあった、とお聞きしました。

恥ずかしいです(笑)。特に『3年A組』が期間として長かったのもあって、同級生と恋をしてるような感覚なんです。同級生と大人になって再会して恋が始まった……みたいな。萩原くん自身も「2周ぐらい回って逆に恥ずかしいね」と言ってました(笑)。

――今回、座長という立場ですが、現場での在り方において、参考にしてる俳優さんはいらっしゃいますか?

危険なビーナス』という作品で、妻夫木聡さんと吉高由里子さんとご一緒させていただいたとき、おふたりが意識的にコミュニケーションを取ってくださいました。私は20代前半だったんですが、たくさんの先輩方がいらっしゃる中、おふたりが近い場所にずっといてくださったのが、すごく嬉しくて……。緊迫感あるシーンもある中、場をほぐしてくださったのが素敵だなと感じました。もちろん、いろいろな在り方があると思うんですけど、当時はすごくありがたかったですね。

この作品の中でも、大先輩や年齢が近い方もいらっしゃいますが、年齢という数字にとらわれず、みんなが自分たちの思ったことを表現できて、楽しくお芝居できたらいいなと思っています。みなさんとコミュニケーションを取れたらいいですね。

――「声かけをしていこう」という意識があるんですね。

本当は、そういうタイプじゃないんです。友だちも大人数でいるのは得意じゃないし、人が多いところが苦手で、自分の発信することが相手にどう伝わるのか、自信がなくて考えてしまいます。ですが、踏み出さないと、言葉にしないと、人には伝わらないんだな、と年々感じていて。

今回は主演というかたちでいただけた作品で、学びの時間にもなると思うので、今まで先輩方に甘えさせていただいたところを、自分自身が少しでも引っ張る……とまでは言えないんですが、みんなで一緒に楽しめたらいいなと思っています。

――物語の舞台は神戸です。現地でやってみたいことはありますか?

撮影がどういうスケジューリングになるかは分からないのですが、行きたいお店がいっぱいあるので、リストアップはしています(笑)。ごはんがすごく好きなので、神戸に行かれた方とか、実際に住んでいる方にリサーチしたり、情報を送ってもらったりしていて。パン屋さん、カフェ、お肉……あとは、餃子に味噌のタレをつけるお店があると聞いたので、行けたらいいなと思っています。

――第3話で美璃は空とキスをしますが「また、忘れられるかもしれない辛さ」で涙を流していました。(取材時)まだこのシーンは演じていらっしゃいませんが、脚本を読んでみて、どんなことを思いましたか?

たとえば、ピアノは自分の中で大切なものなんですが、母が喜んでくれた姿を見て「続けたい」と思ったものなので、じつは“本当に自分のためにやってきたのか”分からないものなんです。

そんな人生の中で、初めて「この人(空)と一緒にいたい」「大切にしたい」と選択をしたのに、第1話のラストでは、(空が)記憶を失ってしまう。「等身大のラブストーリーではなくて、こんなことが待っていたんだ」という怒涛の展開があったあと、2話では少し距離が近づいて……と関係が進んでいったと思うんですが、やっぱり辛いですよね。

「『忘れる方』と『忘れられる方』どちらが辛いのか?」に正解はないじゃないですか。美璃としては、もちろん覚えていてほしいけど、空からしたら現状は変わらないので、はて、さて、という感じだと思いますし……。それぞれの立場に立つと、いろいろな見方ができる3話の終わり方だったので、この後2人の関係性がどうなっていくのか、楽しみです。

――携帯ショップで働く彼女のシーンは脚本を読んでいても胸が苦しくなります。2話で無断欠勤したものの、最終的に戻りますよね。生活もあるとは思いますが、その一歩ってすごく勇気がいること。あのときの彼女の胸中については、どう感じていますか?

監督とも「美璃はなぜ携帯ショップで働き始めたんだろう」とは話していて。監督との中では、生活苦で、自分のやりたいことよりも、生活を安定させなければいけない。きっと時給のいい働き先を探した中で、たまたま受かった場所であり、彼女自身が前向きではないところから始まってる、という話になりました。

ずっとピアノをやってきて音大に通っていた美璃は、その中の世界しか知らず、外の世界を見たことがないと思うんです。特に物語の冒頭は(視聴者が)「ちょっと違う感覚で生きている子だな」と感じるかもしれません。でも、その子が、空や周りの人たちと出会い、世の中のことをいろいろ知っていく中で、大切なことに気づく……ということにもつながるので、多分、空やみんなに出会う前だったら、戻っていないんだろうなとは思いました。

用意したものをすべて捨てる勇気

――ここからは、堀田さんとテレビとの関わりを教えていただきたいです。ご自身が影響を受けたと思うテレビ番組を教えてください。

私が小中学生ぐらいのとき、昼ドラがすごくブームで、学校から帰ってきて見たり、休日に見たりしていたのをすごく覚えています。母がテレビ好きなので、その影響もあって見ていたのは、小豆島がロケ地になっている『ラブレター』ですね。ドラマに「エンジェルロード」と言われる潮の満ち引きで現れる道が出てくるんですけど、子供ながらに、ずっと行ってみたいと思っていました。

当時、昼ドラは長い期間放送されていて、長いスパンを最後まで見切ることもなかなかなかったので、私自身、ドラマに没頭して楽しみに見続けていたな、という記憶があります。

それと、『ラブレター』は、耳が聞こえない女の子と男の子のラブストーリーなので、お互いを補い合う意味では、今回の作品と少し近しい部分を感じています。

――TVerや配信コンテンツをご覧になることはありますか?

めちゃくちゃ利用しています(笑)。作り手側からすると、放送されたタイミングで見ていただけることが一番嬉しいんですが、せわしなく時間は流れますし、自分の中に優先順位がある中、TVerは、見られなかった番組が見逃し配信で見られますし、「これはリアルタイムで見て、こっちは後からTVerで見よう」とできるので、今はTVerを主に利用しています。

――最近、TVerでご覧になった番組は?

占いが好きなので『突然ですが占ってもいいですか?』を見ました! 他の方が占われていることなのに「そうなんだ!」って驚いちゃいます(笑)。でも、ほとんどは、ドラマを見ていますね。TVerで配信されていると分かると「気になる!」と思って見ています。

――役者として大切にしている軸や信念、譲れないものを教えてください。

クランクインする前までに脚本を読みこんで、いろいろ考えるんですが、実際に撮影が始まると、それを一旦捨てることですね。お芝居の世界では、事前に「こういう風にやっていきたいな」と決めても、実際にやってみると、全然イメージと変わることもあって。

これから神戸に行きますが、やっぱり、東京だと感じられないこともあると思うんです。いろいろな準備をしつつも、その土地だったり、人とのかけあいの中で変わるものを受け入れて、用意したものを手放そうと思っています。

取材・文:浜瀬将樹
写真:フジタヒデ

ヘアメイク:中山友恵
スタイリング:有本祐輔(7回の裏)

衣裳:
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