當真あみ、両親役のオダギリジョーと尾野真千子の“自然な演技”に感銘!ドラマ『僕の手を売ります』インタビュー

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當真あみ
當真あみ

オダギリジョーさんが主演&プロデューサーを務めるドラマ『僕の手を売ります』が、10月27日(金)0時よりフジテレビが運営する動画配信サービスFODとPrime Videoで配信スタートします。

オダギリさん演じる主人公の大桑北郎が、若かりし頃に背負ってしまった多額の借金を返済するため、全国各地でアルバイトをして回り、そのゆく先々で起こる様々なトラブルに巻き込まれながらも、家族と向き合っていく物語。北郎の妻・雅美を尾野真千子さん、娘・丸子を當真あみさんが演じます。

今回は當真さんに、ドラマの撮影秘話や女優業への思い、やってみたいアルバイトについてインタビュー。ご自身にとって、北郎のような父親はアリかナシかも聞きました。

掴みづらかった丸子の人物像、衣装や髪型からイメージ作り

――台本を読んだときの印象を聞かせてください。

最初は穏やかな日常の物語なのかなと思いながら読んでいたら、だんだんと一人ひとりの人生に深く入り込んでいくお話になっていって。日常と非日常の合間のような感覚があって、それが面白いなと思いました。

――本作は、オダギリさんがプロデューサーを務めています。

「こんな感じの作品になるのかな」となんとなく想像しながら台本を読んでいて、実際に撮影に入ってからも、いい意味でイメージに近かったです。現場に置いてある道具や家具には独特な雰囲気があって、統一感はないのに、なぜか落ち着けるような不思議な空間でした。

――オダギリさんの印象に変化はありますか?

最初は物静かな方というイメージがありました。現場に入ってからもそれは変わらなかったのですが、すごく優しい方で、いろいろと話かけてくださって嬉しかったです。

當真あみ
當真あみ

――演じる丸子の印象を教えてください。

すごく掴みづらいな、とは思いました。自由でまっすぐなお父さんとお母さんを見て育ったんだな、というのはすごくわかるんです。ただ、やっぱり何を考えているかわかりづらい、ちょっと不思議な女の子です。

――ご自身と近い部分はありますか?

あまりなかったように思います。なので、オダギリさんと尾野さんの雰囲気や、丸子の衣装や髪型からなんとなくイメージを作って、監督と話して役作りをしました。監督からは「興味を持ったものには興味津々で、しかも“急に興味が出た!”という感じをしっかり出してほしい」と言われたので、リサイクルショップで不思議なものに惹かれたり、急に工事現場の道具に興味を持ったり、というところは特に意識して演じました。

――丸子は、普段はどんなファッションなんですか?

服装も髪型も、ちょっと個性的です。髪型は撮影当日にヘアメイクさんと「今日は何にしようか」とお話させていただいて、たくさん三つ編みをすることにした日には、私も一緒に編んでいました(笑)。衣装も“このシーンにはこれを着る”とは決まっていなかったので、「どんな組み合わせにしようかな」って、スタイリストさんと一緒に悩みながら決めさせてもらいました。

――自分で決められるのは楽しそうですね。

丸子はおしゃれに興味があって、いろいろと自分で研究をしているんです。髪型も「これがイケてるんじゃないか」と思いながらやっているけど、まだ正解にたどり着けていないので、ちょっとだけズレているというか。お洋服も、新しいものは買わずにお父さんやお母さんのお下がりを使うタイプなので、少し不思議な組み合わせを楽しんでいました。

――ちなみに當真さんは流行に敏感なタイプですか?

最近は雑誌とかを見るようになったんですけど、まだ勉強中です(苦笑)。でも、自分のファッションを追求している丸子ちゃんはカッコいいなと思いました。

當真あみ
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――現場でオダギリさん、尾野さんとはどんなお話を?

私が沖縄出身で、尾野さんも沖縄がお好きなので、よく沖縄の話をしていました。オダギリさんと3人でグルメの話をしたり、「あの離島、名前なんだっけ?」と話したり。特徴を言ってもみんな全然名前が出てこなくて、「なんだったけ? なんだっけ?」と言い合っていました(笑)。

――(笑)。そうやって、自然と親子の空気作りをしていったんですね。オダギリさん、尾野さんのお芝居を見て、刺激を受けたことはありますか?

おふたりとも“日常”を生きているかのような自然な演技をされていて、本当にすごいなと思いました。撮影が始まった時と、カットがかかってオフになった時と、あまり雰囲気が変わらないんです。自分もそんな演技ができるようになりたいなって、今回ご一緒させていただいてすごく思いました。

――北郎は様々なアルバイトをしていますが、當真さんがやってみたいアルバイトはありますか?

今、高校の友達が毎日のように「バイトが忙しい」という話をしているので、興味はあります。地元の友達には飲食店で働いている子が多いんですけど、中でもすごくおしゃれなカフェで働いている子がいて。その友達の話を聞いて、「なんかカッコいいなぁ」と思いました(笑)。

――キッチンよりホールスタッフがいい?

どうだろう……「興味がある」と言っておきながら、できそうな気がしないです(笑)。でも、接客はちょっとだけやってみたいです。やっぱり、ふだん見えているお仕事をしている方の姿ってカッコよく見えるじゃないですか。「自分にもできないかな」と思いながら見ることが多いので、憧れはあります。

――お仕事柄、「もしも演じるなら」という目で見てしまうこともありますか?

最初は意識的には見ていなかったんですけど、「ふだんから周りの人を観察するといいよ」というお話を聞いて、最近はあえて見るようになりました。「自分にこの役が回ってきた時には、こうやったらいいのかな」と思いながら、いろいろな職業の方をじっと見たりしています。

プロアルバイターの北郎は父親として「全然アリ」

――本作を通して、“働く”ということに対して何か感じたことはありましたか?

この作品ではお父さんもお母さんもすごく楽しそうに仕事をしていて、やっぱり“楽しむこと“が大事だなと思いました。私も今は、お芝居に対して“楽しい”という気持ちが一番強いですし、そもそもお仕事をしているというより、演技をさせてもらっている、という感覚が強いです。作品ごとに様々な気づきがあって、知らないことを学べるので、まだまだ勉強を楽しみたいです。

當真あみ
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――現場に行くたびに学べることも違うし、興味が湧いてくると。

そうなんです。役者さんによって、それぞれ何通りもお芝居があるので、それをいろいろな現場で見られるのはすごくありがたいです。

――北郎はあまり出会わないタイプの生き方をしていますが、そのあたりで當真さんの考え方などに変化はありますか?

当初、父親である北郎さんのお仕事が定まっていないというのは、丸子にとってすごく不安なことなのではないかと思っていました。でも、第1話に「人の役に立ったら、自分の手が誰かの人生とつながる気がして嬉しいんだそうです」という台詞があったのですが、「その瞬間を大事にしたい」という北郎さんの考え方が、すごく素敵だなと思うようになりました。

――ずばり當真さんから見て、北郎は父親としてアリ? ナシ?

アリだと思います。台本を読んでいても、家族として苦しむような描写は一切なくて、それぞれが今の人生を楽しんでいるんです。そんな両親の間で育ったら、きっと自分も丸子のように北郎さんが“憧れ”になると思うので、全然アリというか、すごくいいなって思います。

(取材・文・撮影:nakamura omame)

<番組概要>
『僕の手を売ります』(全10話)
FOD/Prime Videoにて2023年10月27日(金)0時配信開始(#1無料)
出演:オダギリジョー、尾野真千子、當真あみ、水沢林太郎大野泰広松田美由紀 他

<ストーリー>
就職氷河期世代で大失敗し、多額の借金を抱えた大桑北郎(オダギリ)45歳。東京・町田に、自由奔放で負けん気の強い妻・大桑雅美(尾野)と、天然な天才の中学3年の娘・大桑丸子(當真)を残し、自分は全国各地で多種多様なプロアルバイターをしながら、借金返済を目指して生きている。全国津々浦々を駆け巡り、借金返済のためにアルバイトに明け暮れるが、そのお人好しさに加え、数々のアルバイトをこなしてきた経験からか、または持ち前の器用さからか、どのアルバイトに対しても臨機応変に仕事をこなす大桑はどこにいても頼られてしまう。

そしてなぜか毎回、その土地の個性あふれる人々のトラブルに巻き込まれる。行方不明の父を探す姉妹に翻弄されたり、居なくなった息子を探したい母親の捜索を手伝ったり、はたまたとある問題児息子の尻拭いをさせられたり。頼まれると放って置けず、これはアルバイトをしているのか、トッピングされたボランティアをしているのか……と、わからなくなる始末。大桑は無事にお給料をもらい、次のアルバイトに行けるのか!? 抱えた借金はいつ完済できるのか――!? そんなこんなを繰り返しながらも、大桑はその土地で一仕事を終えると、結局は東京・町田に住む妻と娘の元に帰っていくのだった。

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